いつも2人で

劇場公開日:

解説

フレデリック・ラファエルの小説「愛情の限界」を彼自身が脚色、「シャレード」のスタンリー・ドーネンが製作・監督した。撮影は「シャレード」のクリストファー・チャリス、音楽は「アラベスク」のヘンリー・マンシーニが担当。出演は「おしゃれ泥棒」のオードリー・ヘップバーン、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」のアルバート・フィニー、「九月になれば」のウィリアム・ダニエルス、「皆殺しのシンフォニー」のクロード・ドーファンほか。

1967年製作/112分/G/アメリカ
原題または英題:Two for the Road
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1967年7月15日

ストーリー

建築家マーク(アルバート・フィニー)は、美しい妻ジョアンナ(オードリー・ヘップバーン)と自家用車をとばしていた。ふたりはフランスへの旅行を始めたのだ。マークは建築家としては名をなしたが、いわゆる良き夫、よき父ではないらしい。飛行機の中で彼はパスポートをなくしたといって騒ぎ出し、ジョアンナがすかさず、そのありかを教えてやる、といった情景がまま見られるのだ。ふたりは20年前、マークはまだ建築家志望の学生、ジョアンナは可愛い娘であった頃、ヒッチハイクをしていて知り合った。ふたりは一緒にフランス国内を歩くうち、恋におち、結ばれたのであった。その時永遠の愛を誓ったふたりではあったが、これ以後の状況を見たところふたりの愛は不変とまでは言えなかったようだ。ジョアンナが身重の時、マークは仕事で旅に出たが、その折、彼は行きずりの美しい女性とかりそめの関係を結んでしまった。やがて彼の浮気はジョアンナの知るところとなった。そんなわけで彼女はあるパーティーの席上、若い男によろめいたりしたが、結局プラトニック・ラブに終わった。さいわいふたりの結婚生活には何の破綻も起こらず、かえってこの事がヒビの入ったふたりの結婚生活をもと通りにさせるのに役立った。さてフランスに渡ったふたりは、イタリア国境へとさしかかった。するとまたもや、マークは旅券がなくなったと騒ぎ出した。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第25回 ゴールデングローブ賞(1968年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) オードリー・ヘプバーン
最優秀作曲賞 ヘンリー・マンシーニ
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映画レビュー

4.0ドキュメンタリー映画公開記念。今観るべきオードリー映画はこれ

2022年4月29日
PCから投稿

泣ける

笑える

楽しい

近く公開のドキュメンタリー映画『オードリー・ヘプバーン』は、俳優オードリーの魅力以上に、人間としてどう生きたかにより比重が置かれている。そこで、オードリー・ファンでもある筆者があえてプッシュしたいのが、彼女のファッションアイコンとしての魅力と演技力を存分に楽しむことができる1967年製作の『いつも2人で』だ。

12年間に及ぶ夫婦間の機微を6つの旅を頻繁に前後しながら綴る物語は、出会った時の夢溢れる若々しさ、夫が建築家として徐々に成功を手に入れているのに反比例して、冷え切っていく夫婦関係、双方の浮気、復縁を、スタンリー・ドーネンの洒落た演出と、オードリーとアルバート・フィニーによる抜群の掛け合いで魅せていく。特に、オードリーが目まぐるしく前後する時間軸の中で、感情の変化を繊細に演じて、演技力に関してキャリア最高の領域に達している。もしも同年、『暗くなるまで待って』が公開されなければ、こっちでオスカー候補入りしただろうと言われているほどだ。

そして、本作でジバンシィと訣別したオードリーは、ブティックで売られていたプレタポルテを時代毎、場面毎に着替えて、服で時間を表現している。ファッションが案内人なのだ。特に、クライマックス近くのパーティシーンで登場する、当時売り出し中だったパコ・ラバンヌのメタリックドレスは、その輝きがオードリーの顔に反射して、まるでライティングの役目を果たしているかのようだ。

すでに公開から半世紀以上が経過しているのに、心にも、目にもビリビリ響くコミカルで、辛辣で、おしゃれなオードリー映画の隠れた傑作を、この機会に是非。

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清藤秀人

4.0「嫌いだけど愛している」と 「愛しているけど嫌い」の小競り合い

2024年6月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あの「ビフォーアシリーズ」ほどではないけれど、結婚という人生の旅路を続けながら男と女が喋くるロード・ムービー。
その片割れをオードリー・ヘプバーンが務めるのだから、これは見ないわけにいかない。

「結婚とは・・
女が男に『服を脱いで』と言った時 ―
ただ単に洗濯したいだけであること」
― 砂浜で抱き合って、この名言にゲラゲラと笑い転げるマークとヘップバーンのいいシーンだ。
そして劇中、象徴的に繰り返して現れるのが、押し黙った中年男女のカット=夫婦の姿。
ザ・倦怠期。

さて、
名作「ローマの休日」では、世紀の清純アイコンとなったアン王女さまなのだが、
本作では事あるごとに「セックスセックス」と連呼するのには、いささか閉口したが、
どの出演作を観ても、彼女は、若い頃も、年を経ても、どこか一本抜けていてどんくさいところ。そして案外頑迷でしつこい性格があるところ・・
そこが庶民的でチャーミングな、彼女の生まれつきのキャラクターなんだろう。

僕は、朝帰りの売春婦を演じたオードリー・ヘプバーンの「ティファニーで朝食を」が、彼女の最高傑作だと思っているので、今回さんざん濡れ場を演じている本作は、彼女のそんな持ち味の真骨頂だとも思えるのだ。

つまり、
お姫様役ばかりでなく、
こうして身近かな、自分の連れ合いのような女を演じさせる監督の、「オードリー・ヘプバーンの人間宣言」狙いなのだと思う。
貞淑な妻も、汚れ役も演れた池内淳子とか若尾文子っぼいところをオードリーには感じるが、どうだろうか。
めんどくさい女なんだけど、憎めなくて、結局付き合いが長くなってしまう。オードリー・ヘプバーンとは、そういう役どころなのだ。

・・・・・・・・・・・・・

この映画は、
ひとつのカップルのたどった歴史が、
そしてその彼らの歩んできた時間が、映画の中で前後左右に飛び回り、錯綜し、時系列などすっかり分からなくなってしまう変わった作りになっている。

けれど、古女房や加齢臭の宿六と過ごした日々を、互いに思い出す瞬間というものは、大概がこういうものだろう。
写真アルバムを開けば、着ている洋服の変遷や、あの頃乗っていた車の車種の写真で自分の時系列を思い浮かべられるけれど、
永い結婚生活を経てきているそんな経験者たちにとっては、たどってきた過去の映像というものは、断片的で、走馬灯のようで、かくのごときものなのではないだろうか。
つまり、
良い思い出も、悪い思い出も、順番などよく分からなくなっていて、すべてがバラバラにフラッシュバックしている。
映画は、かくして、繰り返し同じパターンで二人のエピソードが付け加えられていくのだ。

出会い、仲たがい、収束・・
出会い、仲たがい、収束・・

波が寄せては引くように、
彼らの車も走ったり止まったり、快調だったり壊れたり、活躍したり休憩したりするように、
夫婦カップルの歩む道程が、ここかしこに象徴的にイメージされていて
大変に面白かった。
結婚のリアル、ここに極まれり、なのだ。

オードリーに横恋慕を仕掛けた紳士の言葉
「今や悠久などというものは存在しない。終わったものは終わったと言うべきだ」。
この台詞は彗眼だと思う。

終わらせることも出来る選択肢を持たないで、単にだらだらと同衾を続ける、そのような結婚の不毛をも、本作はえぐっているかもしれない。

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きりん

3.0辛口のロマコメ

2023年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

オードリー・ヘップバーン主演で、監督がスタンリー・ドーネン、音楽がヘンリー・マンシーニとくれば期待してしまう。
主人公(オードリー・ヘップバーン)と夫(アルバート・フィニー)は何回目かのフランス旅行をしていた。
出会いから最近までをふり返りながら、二人とも破局を予感していた。
オードリー・ヘップバーンは唯一無二のスターで、見ているだけでいいのだ。

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いやよセブン

2.5オシャレに無縁な私には難し過ぎた

2022年5月10日
iPhoneアプリから投稿

時系列が行ったり来たりする映画は割と面白がれると思ってたが、この映画は難しい。
主役のファッション(髪型、化粧?、服)、車種などが手掛かりになるんだろうけど、どっちにもウトい方なので。それに、同時に並べたらわかるかもしれないけど、どっちが若いか老けてるか、顔見てもわからんかった。

ということは、何回も見れば面白いのかも。いや、まあ、そこまではしないか。

午前10時の映画館、初めてちゃんとオードリー・ヘプバーンをスクリーンで見れてよかった。

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Route193