1984

劇場公開日:

解説

全体主義体制で自我に目覚めた主人公が屈服するまでを描く風刺ドラマ。ヴァージン・レコードの映画製作第一作。製作はサイモン・ペリー、エグゼキュティヴ・プロデューサーはマーヴィン・J・ローゼンブラム。監督・脚本はマイクル・ラドフォード。原作はジョージ・オーウェルが49年に発表した『1984年』(ハヤカワ文庫)。撮影はロジャー・ディキンス、音楽はユーリズミックスが担当。出演はジョン・ハート、リチャード・バートンほか。

1984年製作/113分/イギリス
原題または英題:1984
配給:松竹富士
劇場公開日:1985年11月5日

ストーリー

1984年、世界は三つの国家に分かれていた。ここオセアニアはかつての英国とアメリカの一部を包合した地域でひとしく巨大な力を持つユーラシア、イースタシアと絶えず戦争をしていた。ウィンストン・スミス(ジョン・ハート)は真理省記録局に勤務していた。この役所は新聞記事の修正、削除、さらには過去の文書のさし換え、時には歴史的事実まで歪曲するところだった。オセアニアの国民は国家リーダーのビッグ・ブラザーに対する絶対的な服従と忠誠を誓わされており、思想警察によって徹底的に監視されていた。体制に対する疑問がめばえたウィンストンは、秘かに禁じられている日記をつけはじめる。体制に反対する裏切り者を写した映画に観客は罵声を浴びせる。ウィンストンは若い女ジュリア(スザンナ・ハミルトン)、オブライエン(リチャード・バートン)と知り合いになった。ジュリアは彼に愛を告白し、ウィンストンは古道具屋主人チャリントン(シリル・キューサック)から二階を借りて、つかの間の愛と自由を楽しんだ。ある日、突然、思想警察が踏み込んできた。彼らの後にはチャリントン、オブライエンがいた。オブライエンは巧みに彼を誘導して洗脳しようとしたが、ウィンストンはがんばった。しかし、オブライエンは彼の過去の思い出を利用し、ねずみを彼につきつけた。ついに彼は屈服し、ビッグ・ブラザーに帰依した。ジュリアは彼に会い、「愛してるわ」と言うのだったが……。

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映画レビュー

3.0原作を読まないと理解するのは難しいかも

2020年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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猿田猿太郎

4.0有名小説が遺した特殊な空気感を、丁寧に翻案し映像化した逸品

2018年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

ジョージ・オーウェルが著した伝説的なディストピア小説を、物語の舞台「1984年」に映画化した作品。冒頭から劇場のような場所でプロパガンダ映像が映し出され、あの伝説的な「二分間憎悪」も描かれる。かくしてボルテージが一気に上昇した後、物語は主人公のの淡々とした個の視点へと移ろい、彼が抱く日々の違和感や、体制に隠れて「日記をつける」「愛し合う」といった行為を描いていくのだが・・・。

よくある「原作もの」のようにストーリーラインを丁寧に辿るのではなく、あくまで主人公の意識の流れに即して進んでいくので、原作を知らないとやや難解に思える向きもあるかも。その代わり、これほど原作の空気感を周到に表現し得たことは評価に値する。とりわけ主人公が彷彿する少年の日の原風景が胸に突き刺さってやまない。暗雲たる世界観や小道具の作り込み、そしてジョン・ハートのみならず、名優バートンの最期の演技が拝めることも感慨深い。

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牛津厚信

4.0退屈な作品だけど現代社会を予言が的中させた作品

2021年11月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

中国や北朝鮮は、映画「1984年」を遥かに悪くした社会であり、唯一、実現していないのは言語改造だけなんだと思います。北朝鮮は自民党がめざす政治家の理想郷であり、国民の顔を泥が付いた靴で踏みにじる社会なんです。自分の利権にしか目がない政治家のバイブル、目指す世界なんです。

自分たちは投票という手段で自民党を弱体化させる義務があると思います。
日本も北朝鮮みたいになる危険性が高いのです。「無知は力なり」でマスコミは、政治に無知無関心な国民をいかにしたら増やせるか。「3S」政策で国民を政治に無関心へと。そのことに躍起になっているのです。

「無知は力」それで政治家は力強く、社会の弱体化をはかり「生かさず殺さず」の政策を行うのですから、自民党に対抗する政治勢力が必要になってきているからです。

ひとつの政党が強くなりすぎると、日本は北朝鮮みたいな国になるので、野党を応援して、自民党の力を少しでも弱くすることが国民の義務なんです。

作品の感想ですが、派手な格闘シーンもなく、最後はバッドエンドで終わり、見て憂鬱な気分になります。でも、中東諸国(イスラム国やタリバン)や中国や北朝鮮は、1984年の描写以上に遥かに悪化した社会を構築しているので、原作者の予見以上に悪化しているとおもいます。

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プリッド

4.0共産主義社会主義全体主義

2021年8月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

難しい

この映画の原作が書かれた頃、イギリスで労働党という共産主義社会主義の政党が政権を握って、イギリスも資本主義を捨てるのか、という時代だった。
今でこそ共産主義は結局は全体主義となり失敗に終わる事を皆知っているが、日本でも1960年代は多くの若者が共産主義に傾倒し共産革命を目指しテロ事件を起こしていた。

つまり、この原作はまだ共産主義が失敗とは思われていない時代にその本質を見抜き書かれたもので、かなり正確に共産主義の行き着く先を推測しており、その先見性は素晴らしい。

映画しか観ていない人は是非原作も読んでみてほしい。

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佐ぶ