イタリア式離婚狂想曲
劇場公開日:1963年1月19日
解説
「刑事」のエンニオ・デ・コンチーニ、アルフレード・ジャンネッティとピエトロ・ジェルミの脚本をジェルミが監督した諷刺喜劇。撮影はレオニダ・バルボーニ、音楽をカルロ・ルスティケリが担当。出演者は「夜」のマルチェロ・マストロヤンニ、「アマゾンの女王」のダニエラ・ロッカ、新人ステファニア・サンドレッリなど。六二年度カンヌ映画祭で最優秀喜劇映画賞を受賞。
1962年製作/105分/イタリア
原題または英題:Dirorzio all'Itariana
配給:東和
劇場公開日:1963年1月19日
ストーリー
フェルディナンド・チェファル(マルチェロ・マストロヤンニ)は一年半ぶりに懐しのわが家へ帰るところだ。シチリアの没落貴族で結婚生活十二年の彼は、口うるさい妻ロザリア(ダニエラ・ロッカ)との息の詰りそうな毎日にあきあきし、当時十七歳だった美しい従妹アンジェラ(ステファニア・サンドレッリ)に年甲斐もなく憧れを抱いていた。彼女も秘かに自分を愛していると知って固く愛を誓ったものの、二人の恋に希望はなかった。この国では離婚出来ない上、落ちぶれたとはいえ古い家柄の彼はやはり人々の注目の的だからだ。罪に問われずにロザリアを殺す方法はないものかと毎日彼は妻の死を思い描いた。そんな時彼は“刑法五八七条自己ノ配偶者、娘、姉、妹ガ不法ナル肉体関係ヲ結ブトキ、コレヲ発見シ激昂ノ上殺害セル者ハ、三年以上七年ノ刑ニ処ス”を見つけて躍り上った。妻が不貞を働けば名誉を守るためなら殺しても軽い刑ですむのだ。彼は妻の浮気の相手に彼女の初恋の画家カルメロ(レオポルド・トリエステ)を選び、邸の壁画修理に名を借りて二人を近づけた。とうとう二人は駈落し、フェルディナンドは妻を寝取られた男として街中の嘲笑をあび、妹アニエーゼも腰抜けの兄のために婚約を解消された。アンジェラの父はこの騒ぎで心臓発作を起して死んだ。駈落した二人の行先が判ったので、かねて用意のピストルを手に目的地に到着した時、すでにあたりは血の海、カルメロの妻が夫に復讐したのだ。フェルディナンドも哀れな妻を計画通り殺した。裁判の判決は三年、最低の刑である。それも恩赦で実際は一年半。そして今、彼はアンジェラの待つわが家へ帰る途中なのだ。街の人々や家族は彼を英雄のように迎えた。アンジェラの父の遺産のお蔭で二人はいまや金持の新婚夫婦となったのだ。「犯罪はひきあわない」とは、どこの国の諺だろうか。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ピエトロ・ジェルミ
- 脚本
- エンニオ・デ・コンチーニ
- アルフレード・ジャンネッティ
- ピエトロ・ジェルミ
- 撮影
- レオニーダ・バルボーニ
- 音楽
- カルロ・ルスティケリ
受賞歴
第35回 アカデミー賞(1963年)
受賞
脚本賞 | エンニオ・デ・コンチーニ アルフレード・ジャンネッティ ピエトロ・ジェルミ |
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ノミネート
監督賞 | ピエトロ・ジェルミ |
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男優賞 | マルチェロ・マストロヤンニ |
第20回 ゴールデングローブ賞(1963年)
受賞
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) | マルチェロ・マストロヤンニ |
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