生きるべきか死ぬべきか

劇場公開日:1989年6月28日

解説

ナチス占領下のワルシャワから脱出する俳優一座の姿を描くコメディ映画。製作はアレクサンダー・コルダ、監督はエルンスト・ルビッチ、脚本はエドウィン・ジャスタス・メイヤー、撮影はルドルフ・マテ、音楽はウェルナー・ハイマンが担当。出演はキャロル・ロンバート、ジャック・ベニーほか。

1942年製作/アメリカ
原題または英題:To Be or Not to Be
配給:リュミエール・シネマテーク
劇場公開日:1989年6月28日

あらすじ

39年のワルシャワ。俳優のヨーゼフ(ジャック・ベニー)とマリア(キャロル・ロンバート)のトゥラ夫妻は、シェークスピアの「ハムレット」の中で、2人でハムレットとオフェーリアを演じ、当たりをとっていた。ある日マリアは、若くハンサムなポーランド空軍のソビンスキー中尉(ロバート・スタック)に言い寄られ、夫ヨーゼフが「生きるべきか、死ぬべきか…」の長ゼリフの場面を演じている間、楽屋で中尉との逢瀬を楽しんでいた。しかしその間にも、ポーランドの情勢は悪化し、一座もナチスを刺激しないように、政府から風刺劇「ゲシュタポ」の公演中止を言い渡される。やがてワルシャワもドイツ軍に占領され、ナチの暴虐に対しポーランド人の抵抗は続いた。その頃ロンドンに配属されていたソビンスキー中尉は、ワルシャワに向かったシレツキー教授(スタンリー・リッジス)がナチのスパイであることを知り、英国情報部の協力を得て、単身ワルシャワに帰国、知らせを聞いたトゥラー一座は、「ゲシュタポ」の衣裳であるナチの制服を着て、シレツキー教授を迎える大芝居をうつ。そして教授の陰謀を未然にくいとめた一座の人々は、やがてヒトラーがポーランドを訪れたチャンスを利用して、ポーランドから脱出する計画をたてる。そして中尉の先導のもと、彼らは一座の人々の正体を知って追跡するドイツ軍を振り切って、イギリスへと旅立つのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 アカデミー賞(1943年)

ノミネート

作曲賞(ドラマ/コメディ) ウェルナー・R・ハイマン
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映画レビュー

4.0 脱スリラー スパイアクション

2025年9月25日
PCから投稿

アメリカ国立フィルム登録簿作品です。

ストーリーは完全にスパイアクションなので、ヒッチが撮ったらバリバリのスリラーになります。

そこをルビッチマジックで痛快もコメディにしたとろがさすがの名人芸です。

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越後屋

3.5 笑えるノン/フィクションの強さと悲しさ

2025年9月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

何も言っていないに等しいが、これが戦時下で作れるんだから、そりゃ負けますよね。/フィクションが本当になっちゃったという笑えるフィクションだけど、皮肉りつつも、こうだったらどんなにいいだろう、という製作者の願いのようなものを感じた。

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ouosou

4.0 騙す、反復、皮肉、コメディ手法満載の、そしてあくまで上品なルビッチの傑作

2025年8月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭ヒトラーをポーランドの街に登場させ、通行人の度肝を抜くだけでなく、観客をも欺き、関心を一気につかむ手腕。そして経緯がわかった後は、一瞬のオチで落とす脚本が絶妙です。

戦時下に、笑いだけで、ナチスをここまでこき下ろすのは見事としか言いようなく、ドイツ出身の映画人ルビッチの何ものにも代え難い心意気を感じました。

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sugar bread

4.0 【”うーむ。これが、ルビッチ・タッチですか。面白いなあ。”ユダヤ系のエルンスト・ルビッチ監督がナチスに反発し、一泡吹かせようとする演劇人たちの姿を独特のコメディタッチで描いた逸品。】

2024年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

■1939年、ポーランド。
 劇団の女優・アンナ(キャロル・ロンバード)は、夫で座長のヨーゼフ(ジャック・ベニー)が頑張って「ハムレット」を演じている時に、彼女の熱烈なファンであるポーランド空軍中尉・ソビンスキーと楽屋で会っていた。
 ドイツ軍が侵攻してくると、ロンドンに駐在していた中尉は、ナチスのスパイの英国人教授シレツスキーを追って帰国する。
 そして、教授の陰謀を阻止すべく劇団に協力を求める。

◆感想

・テンポの良い、センスあるコメディである。しかも、この作品は資料を見ると1942年公開と有る。これだけでも、エルンスト・ルビッチ監督のナチスに対しての怒りが伺える。

・序盤、ヨーゼフが”生きるべきか、死ぬべきか。”と舞台で台詞を喋っている時に、ソビンスキーが楽屋にいるアンナに会いに行くために、何度も中座するシーンが可笑しい。
 中座の度に、目を剥くヨーゼフ。そりゃ、そうだろう。「ハムレット」の見せ場の一つなのに、何度も中座されてはね。

・ポーランドにナチスが進軍してきて、劇団の劇場も破壊されてしまうが、彼らはヒトラーに一泡吹かせようと、ナチスのスパイの英国人教授シレツスキーを使うシーン。
 特に、ヨーゼフがシレツキーに変装する”付け髭”について、ナチスのエハアルト大佐との遣り取りのシーンは、絶品である。

<うーむ。これが、ルビッチ・タッチですか。面白いなあ。美しくも残念ながら早逝されたというキャロル・ロンバートの、スクリュー・ボールコメディ演技(流石に、この言葉は知っている。)も良くって、もう少しエルンスト・ルビッチ監督作品を観てみようと思った作品である。>

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NOBU