アントニア
劇場公開日:1997年7月5日
解説
第二次大戦後、オランダの田園を舞台に、おおらかなヒロインと、彼女の周囲に集まるユニークな男女の人間模様を、悠然たるタッチでコミカルに描いた一編。監督・脚本はオランダを代表する女流監督マルレーン・ゴリスで、本作が長編第4作目。主演はオランダを代表する女優で、脚本や記録映画も手掛ける才女ヴィレケ・ファン・アメローイ。
1995年製作/103分/オランダ・ベルギー・イギリス合作
原題または英題:Antonia
配給:エース ピクチャーズ
劇場公開日:1997年7月5日
ストーリー
ある朝。今日が人生最後の日と感じたアントニア(ヴィレケ・ファン・アメローイ)は生涯を振り返る…。第二次大戦直後。40代にさしかかり、彼女は娘ダニエル(エルス・ドッターマンス)を連れて、老母が待つ故郷の村に帰ってきた。母は彼女の顔を見て挨拶するなり、すぐに亡くなった。村では「放蕩娘のご帰還だ」と茶化す男もいるが、おおらかな彼女は気にしない。そんな彼女の周囲に村のはみだし者たちが集まってきた。そんな彼らの面倒をなにかれとなくみるアントニア。“ウスノロ”と呼ばれる青年と、横暴な父と兄に虐待され、兄ピッテに犯されているところを、ダニエルに救われた娘ディディが結ばれた。アントニアは、引っ越してきて以来20年“新入り”呼ばわりされる隣家の男バス(ヤン・デクレイル)と再婚こそしないが大人の愛を育む。美術学校に通いだしたダニエルは、子供は欲しいが夫はいらないと言い出す。アントニアは妊娠中がいちばん幸せというレッタの助けで、彼女の親戚の青年をダニエルと引き合わせた。ダニエルはめでたく妊娠。神父はアントニアらを自堕落と非難するが、告解室で少女にいたずらしようとした現場アントニアとバスに押さえられた。そんな神父を見捨てた助祭もアントニアのもとへ来て、レッタと結ばれた。ダニエルの娘テレーズは、アントニアの旧友“曲がった指”(ミル・セイハース)の教育を受け、神童として数学と音楽の天才を示す。テレーズは13歳になった。ディディの父が死んで、軍人になったピッテが遺産目当てで戻ってきた。彼はテレーズを強姦した。アントニアは酒場にいたピッテに猟銃を突きつけ、バスの息子たちが彼を叩きのめした。家に戻ったピッテは弟に殺された。成長したテレーズ(フェルーノ・ヴァン・オファーロープ)は一緒に育ったバスの息子シモンと結ばれ、サラという女の子をもうけた。サラは幼い頃から詩の才能を発揮する。しばらく後。レッタは13回目の出産の産褥で死に、ウスノロはトラクター事故で死に、“曲がった指”は自殺…アントニアの周囲に死が渦巻く。アントニア最後の日の昼食。サラは今は亡き人々が踊る祖母の周囲に集い、自分に挨拶する夢を見た。午後。アントニアはサラを呼び、自分が今日死ぬことを告げた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マルレーン・ゴリス
- 脚本
- マルレーン・ゴリス
- 製作
- ハンス・デ・ウィアーズ
- 撮影
- ウィリー・スタッセン
- 美術
- ハリー・アマラーン
- 音楽
- イロナ・セカッツ
- 編集
- ミシル・ライフヴァイン
- ヴィル・ラウムル
- 衣装デザイン
- ジャイニー・テマイム
- 字幕
- 細川直子
- 字幕監修
- ディク・ステゲウェルンス
- ヤシンタ・ヒン
受賞歴
第68回 アカデミー賞(1996年)
受賞
外国語映画賞 |
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