アラバマ物語
劇場公開日 1963年6月8日
解説
ピュリッツァー賞を受賞したハーパー・リーの自伝的小説を原作に、1930年代のアメリカ南部で人種差別に立ち向かう弁護士の闘いを幼い子どもたちの視点から描いた名作ドラマ。1932年、人種差別が根強く残るアラバマ州の田舎町。弁護士フィンチは妻に先立たれ、まだ幼い2人の子どもたちと暮らしている。ある日、彼は白人女性に性的暴行を加えた容疑で逮捕された黒人青年の弁護を担当することに。何よりも正義を重んじるフィンチは、差別や偏見に立ち向かいながら、青年の無実を証明するべく奔走する。しかし町民たちはそれを快く思わず、フィンチや子どもたちに対する風当たりは日ごとに強くなっていく。グレゴリー・ペックが1963年・第35回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した。
1962年製作/129分/アメリカ
原題:To Kill a Mockingbird
配給:ユニバーサル映画
スタッフ・キャスト
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2022年4月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
言うに及ばず、アンクル・トム 対 偽善的白人 この映画で感動する黒人はいないし、白人もこの映画に違和感を覚えるはずだ。60年前の映画で
仕方ないが、寧ろ今の方が悪くなっているように感じる。
古典として取り上げられるが、差別などの問題はここから出発する。その問題は解決されぬまま、更に複雑になっている。
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「おもいでの夏」のロバート・マリガンがこのような社会派映画を撮っていたとは意外な感じがする。
舞台は1932年、この映画は1962年製作、いま(2021年)でも人種問題が起こっている現状は悲しい。
人種問題が主たるテーマになっているものの、一部サスペンスタッチの部分と家族愛の部分で、映画全体の出来をエンターテイメントとしてもすばらしい作品にしている。個人的には父と娘の交流(会話が面白い)のほうがすごく気に入っているが。
敢えて気になった点をあげれば(映画の出来を損なう程ではない)
・被告の黒人青年が拘置所から脱走したこと・・・主人公が上訴すると言っていたのになぜ?主人を裏切るような行為じゃない?彼の性格から脱走するのは不自然、脱走が成功する訳ないのになぜ?もしかして、一種の自殺行為だったのか(撃たれることを想定して)?
・最後のほうで子供が襲われるが、暗くて誰が何をしているのかよくわからない。
・娘の回想であるが、何年後の回想なのか、今の彼女が何をしているのか(父のように弁護士になったのか)、わからない。
・子供たちを救った男を裁判にかけなくてよいのか?真実を追求する主人公の性格から矛盾するようにも思える。ただ、実際に警官の言う通りに従ったのか否かはわからないエンディングであるが。
<印象に残ったセリフ>
ー裁判に負けた後、おばさんが兄にかけた言葉ー
「世の中にはイヤな仕事をしなきゃならない人がいるの、お父様がそうよ」
ーラストシーン、娘が父に言ったセリフ(子供たちを救った男を逮捕する必要ある?という意味、原題の真意がわかる)ー
「無害なツグミを撃つことと同じこととでしょ?」
ビターな事柄にもやたら騒がず、静かに怒りそれを共有すべき良心とするメンタリテイが、米国人にあるとは意外。
マスコミの垂れ流すやたらデモしてウーピー先頭にゴスペル歌うイメージは損だな。
米国人の暗い生真面目さを知る貴重な資料。
2020年9月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
1930年代、隣人同士が助け合う古きよき時代の、なにも発達していないからこそ豊かで恐ろしい日常の物語。差別や誹謗中傷も当たり前のように存在して、子供の視点から素直に、時に鋭く向き合っていくのが面白い。スカウト可愛すぎ。パパダンディーすぎ。ブーいいやつすぎ。
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