朝な夕なに

劇場公開日:

解説

「菩提樹」のコンビ、監督のヴォルフガング・リーベンアイナーと、主演のルート・ロイヴェリックが、再び組んで作った心暖たまる物語で、高校生達とひとりの女教師をめぐる、師弟愛、恋愛感情などが、ユーモアと清純さをたたえて描かれる。撮影に当って、ミュンヘンに新築されたばかりの最新設備をもったハルトルフ高校にロケが行われた。ゲオルク・フルダレックの書下した映画小説を、製作のウッツ・ウターマンと監督のリーベンアイナーが共同脚色し、撮影はウェルナー・クリーン。音楽はフランツ・グローテ、主題曲“真夜中のブルース”も作曲している。写真作家アルフォルト・E・アイゼマンが色彩設計を担当している。出演者はロイヴェリックの他に、「題名のない映画(1948)」のハンス・ゼーンカー、新人クリスチャン・ヴォルフ、ハンス・ライザー、フリードリッヒ・ドミン、パウル・ホフマン、ピーター・シュテルナーゲル等。製作ウッツ・ウターマン。

1957年製作/102分/西ドイツ
原題または英題:Immer wenn der Tag beginnt
配給:NCC=ユニオン
劇場公開日:1958年9月20日

ストーリー

若く美しいハンナ・ブルクハルト博士(ルート・ロイヴェリック)は、教師と生徒とは人間的な親しみによって結ばれるべきことを信条とする、優しい先生だった。しかし、頭の古い先生方にはこの考え方がいれられず、二度ばかりトラブルを起したすえ、彼女は教育局長ハンケ教授により、最後の機会としてシラー男子九年制高校に転勤の好意を与えられた。最高学年九年生の数学と物理科学を担当する彼女は、何とかして生徒達の学力を向上させ、彼等と心を接近させるよう努力した。クラスの中でも成績がよく、皆からも信頼されているマルティン(クリスチャン・ヴォルフ)は、彼女と同じ家に下宿していたが、両親は別居中で、暖かい家庭に飢えた少年だった。彼女は、少年から青年になろうとしている彼の淋しい心を、いたわってやった。校長のヴォルフガング・コルネリウス先生(ハンス・ゼーンカー)は、独身の温厚な人格者だった。しかし、彼も、教師は生徒の私生活にあまり立入るべきではないと忠告するのだった。休暇中に、大学時代の友人で、今は工場の要職につくヴァルター(ハンス・ライザー)に彼女は求婚されたが教育という仕事から離れられぬ彼女は、これを断った。クラスの生徒たちは、ハンス・クラインシュミット(ピーター・シュテルナーゲル)を中心に、ジャズバンドを編成して放課後を楽しんでいた。ところが、ハンナの明るい性格によって生徒たちの心がとけてきた時、試験によい成績をとるよう猛勉強したハンスが、病死するという事件が起った。ハンナは、校長と教会を説いて、彼の好んだ“真夜中のブルース”を、生徒達のバンドによって墓前で演奏させてやった。こうして生徒と彼女は結びつきを増していった。そのうち、マルティンが淋しい心から、彼を元気づけてくれるハンナ先生を慕う気持をつづった日記を落して、これが校長コルネリウスの目にとまった。事態を知ったマルティンは教室でピストル自殺を計り、ハンナにとめられた。ハンナは実験用フラスコをこわして、その場をとりつくろってやった。事件は、広がろうとしている。総てを平和に、そしてよりよく解決させるために、ハンナは、かねてより好意をもっていた、コルネリウス校長の求婚を承諾し、新たな安定と決意をもって、今後も、生徒達を優しく導いていくことを誓うのだった。

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