赤い薔薇 白い薔薇

劇場公開日:

解説

東洋の魔都と呼ばれる繁栄を見せた30年代の上海を舞台に、1人の青年と2人の女性の愛と性を描いたラブ・ロマン。華麗な色彩設計と、エロティックな映像美が見どころ。ヨーロッパの文化やファッション取り入れた恋愛小説で中国圏で人気を博し、95年9月に米ロサンゼルスで病死した上海の女流作家アイリーン・チャン・ライヤーの同名小説(本邦未訳)を、「ロアン・リンユィ/阮玲玉」のスンリー・クワンが監督。脚本は、TVや舞台でも活躍するエドワード・ラムと、「菊豆」「秋菊の物語」の原作者としても知られる作家リュウ・ハンの共同。撮影は「恋する惑星」のクリストファー・ドイル、音楽のジョニー・チェン、美術のジョニー・チェンは「ロアン・リンユィ/阮玲玉」などクワン作品の常連。主題歌はサンディ・ラムが歌う。主演は「ジャッジ・ドレッド」のジョアン・チェン、「宝島/トレジャー・アイランド」のヴェロニカ・イップ、「恋人たちの食卓」のウィンストン・チャオ。

1994年製作/113分/台湾・香港合作
原題または英題:紅[王攵]瑰白[王攵]瑰 Red Rose White Rose
配給:松竹富士
劇場公開日:1996年2月17日

ストーリー

留学先の英国から上海に戻ったエリート青年チェンパオ(ウィンストン・チャオ)は、間借りすることになった友人ワン・シーホンの家で、魅力的な彼の妻チャオルイ(ジョアン・チェン)と出会う。仕事で成功し、母と妹のために世俗的な地位と栄誉と獲得したいと願うチェンパオは自制心で自らの欲望を抑えたが、ある日、シーホンの長期出張を機に、チャオルイと情事に陥ってしまう。道徳の堰を切った2人は、恥知らずなまでに貪欲な欲望に溺れていった。チェンパオは友人に対する罪悪感を募らせることでさらに興奮し、チャオルイはいつしか真剣に彼だけを愛し始めていた。夫に離婚の意思を告げたと彼女が言った時、チェンパオは激しく動揺した。自分の将来も考え、彼はチャオルイの元を去った。その後、チャンパオが結婚相手に選んだのは、赤い薔薇のように肉感的で奔放なチャオルイとは対照的な、少女っぽく生真面目で従順な白い薔薇、イエンリー(ヴェロニカ・イップ)だった。学生だった彼女の卒業を待って式を挙げ、大きな屋敷に母親と姉を呼び寄せて住む頃には、彼の仕事は認められ、かなりの収入は得るまでになっていた。イエンリーは物静かで、いつもチェンパオの言いなりだったが、彼はそんなに彼女に物足りず、あからさまに見下ろす態度で接した。給料も渡さず、欲望にまかせて次々と娼婦を買った。やがて、イエンリーの心にも不満が鬱積し、トイレに閉じこもったまま食事もそこで執ろうとするなど、様々な奇行を示すようになった。そしてある雨の日、仕事の合間に家に帰ったチェンパオは、妻と出入りの仕立屋のただならぬ関係を察知する。白い薔薇の裏切りは彼に衝撃を与え、生活は荒れて酒と女買いは激しくなる一方。すさん気持ちで街をふらついていた彼は思いがけず、シーホンと離婚後、再婚して堅実な家庭人となったチャオルイと再会した。彼女の穏やかな表情を見つめるうち、チェンパオの目には涙が浮かび上がった。チャオルイと別れた彼は家に妻や娘の待つ家に戻り、家族との再出発を誓った。

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