青い麦

劇場公開日

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解説

フランス女流作家故コレット・ウィリー原作による思春期心理映画で「肉体の悪魔(1947)」と同じくピエール・ボスト、ジャン・オーランシュとクロード・オータン・ララが脚色に当り、オータン・ララが監督した一九五三年映画。撮影は「愛情の瞬間」のロベール・ルフェーヴル、音楽はやはり「肉体の悪魔(1947)」のルネ・クロエレックが担当する。主人公の少年少女には、「野性児」のピエール・ミシェル・ベックと「巴里の気まぐれ娘」のニコール・ベルジェが起用され、「愛すべき御婦人たち」のエドウィジュ・フゥイエールが共演、他に「わが父わが子」のルネ・ドヴィレール、「火の接吻」のシャルル・デシャン、ジョジアーヌ・ルコント、エレーヌ・トッシ、ジュリエンヌ・パロリ、ルイ・ド・フュネス、ヤニック・マロワールらが助演。

1953年製作/フランス
原題:Le Ble en Herbe
配給:東和

ストーリー

北フランス、ブルターニュ海岸で起った、第一次大戦後のある夏の日の物語。十六才になる少年フィル(ピエール・ミシェル・ベック)と十五の少女ヴァンカ(ニコール・ベルジェ)の両家は、例年通り今年もこの海岸で避暑の一夏を協同生活することになった。ある日、突風にボートを飛されたフィルは全裸で岸にたどり着いたが、この時女友達のマルゴに助けを求めたのがヴァンカの気に入らない。その上得意になって洗った髪はフィルにけなされるし、一緒に海岸の活動写真会に行くのも嫌だとスネてはみせたものの、やはり一人では淋しくていられない彼女だった。二人は波の打寄せる浜辺で、その夜何のこだわりもなく最初の唇を合せた。翌日、彼は屈托している。接吻することによって何もかも変化しなければ意味がないというのだ。ヴァンカには、彼のこの成年への希求が解せなかった。フィルはこの日、“白い婦人”ダルレエ夫人(エドウィジュ・フィエール)に一人前の男として道をきかれ、得意になって夫人の家に電報を届けた折、酒を御馳走になった。これがまたヴァンカとの喧嘩のもとだった。彼はひとり旅行に出るつもりで夫人の家に花束を投込み、また夫人と口を利く機会を得た。中年女性の秘かな優越、ダルレエ夫人はその夜、忍んで来たフィルの乞いを容れる形で寝室に引き入れた。少年は全く世界が変ってしまったのを感じ、夫人へ惹き寄せられる自分をとめる術もなくなった。翌日も、その晩も--さすがに夫人は少年を拒絶した。悩みもだえるフィルを見て、ヴァンカの執った態度は自分にもある“女”を彼に示すことだった。その夜、二人は庭の藁の上で、はじめての夢を結んだ。翌朝、はしゃぎまわるヴァンカは、フィルと教会の中で結婚式の真似事をした。フィルが彼女から、ダルレエ夫人の帰京を知らされたのはこの時である。雨の中を飛出した彼の前に夫人の別荘は扉を閉していた。--夏の終りが来た。両家の引揚げの日、若い二人は灰色の海辺に立った。「フィレヴァンカ 」ヴァンカは二人の名を継足して一人の名前みたいだと笑ったが、もはや彼らには永久に一年前の間柄は戻って来ないのだということも、この青い麦たちは知らなければならなかったのだ。

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映画レビュー

4.016歳の少年の性の目覚めを瑞々しい感覚で描いたオータン=ララの佳編

Gustavさん
2022年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

フランスの女流作家コレット(1873~1954)の50歳の時の代表作の映画化である。16歳の少年フィルが避暑地で出会った上流婦人ダルレに夢中になり、恋の手ほどきを受ける恋愛映画。フィルは母親と従妹の家族と共に毎年のようにブルターニュの別荘を訪れ、夏のバカンスを過ごしているようだ。ただ違ったのが、16歳のフィルと従妹の15歳のヴァンカがお互いに異性を意識してくる年頃になったことである。幼馴染のこの男の子と女の子が他愛無いことで喧嘩したり仲良くなったりしている日常が微笑ましく描かれている。このまま自然に性に目覚めて行くのかと観ていると、まだ男女の意識のズレがある。ところが二人の前に“白衣の夫人”と呼ばれるダルレ夫人が現れる。フィルが郵便配達員から彼女宛ての速達を預かり訪ねると、ダルレ夫人は温かく迎えてワインをサービスしてくれた。海岸で初めて出会った時からフィル少年に好意を抱いていたようだ。それから度々フィルはダルレ夫人の家を訪れるが、ある日の夜、忍び込んできた少年を夫人は寝室に招き入れる。夜が明ける前にフィルは別荘に戻り、自分のベットに横になる。朝になり、母親が起こしに入って来ると、息子の肩に愛の痕跡を見つけ指摘するが、それ以上は突き詰めない。フィルもそれを知られても大して動揺もしない。翌日もフィルはダルレ夫人の別荘に忍び込んで関係を持つが、それが積み重なっていくと流石に夫人も女性として苦しまなければならない。

オータン=ララ監督の演出は、ファーストシーンで強風による海水浴の騒動をルネ・クレール風タッチに描いて出色である。幼児たち一人一人に紐を付けて遊ばせているのには大変驚かされたが、可笑しい。またボート遊びをしていたフィルが転覆して溺れかけ、裸になって何とか砂浜に辿り着くも隠せるものが無くて慌てるシーンなど、サイレント時代のコメディ映画のようだ。女友達のマルゴが偶然通りかかり助かるが、彼女は積極的にフィルを誘惑する。ヴァンカとは対照的な女の子である。これらフィルの周りの生活描写の喜劇映画のような楽しい雰囲気が、本筋のフィルとダルレ夫人の関係の厳しさと深刻度を際立たせている。映画が制作された時代でもモラル的に問題があったと思われるが、小説が発表された1920年代なら尚更であっただろう。恋愛映画の早熟さを特徴とするフランス映画らしい題材であり、16歳の少年の心理と性の衝動を瑞々しい感覚で描き切っている。俳優ではヴァンカを演じたニコール・ベルジェが特にいい。

  1980年 1月30日  フィルムセンター

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Gustav
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