愛すれど哀しく

劇場公開日:

解説

今世紀初頭に書かれたシャルル・ルイ・フィリップの小説「ビュビュ・ド・モンパルナス」の映画化。監督は「わが青春のフロレンス」のマウロ・ボロニーニ、脚本はボロニーニ、ジョルジョ・テストリ、マリオ・ディ・ナルドの共同執筆、撮影はエンニオ・グァルニエリ、音楽はカルロ・ルスティケリが各々担当。出演は「わが青春のフロレンス」の新人コンビ、オッタヴィア・ピッコロとマッシモ・ラニエリ、ほかにアントニオ・ファルジ、アンナ・ファッダ、ルイジ・プロイェッティなど。

1971年製作/イタリア
原題または英題:Bubu'
配給:東和
劇場公開日:1972年1月15日

ストーリー

洗濯女のベルタ(O・ピッコロ)がパン職人ブブ(A・フアルジ)と恋におちたとき老父はベルタに強く忠告した。だが、ハンサムなブブに夢中のベルタは誘われるまま同棲生活に入った。男らしいブブにひかれるベルタに、やがて、ブブは正体をあらわした。うだつのあがらぬパン屋勤めを辞め、ベルタに娼婦になれと強要しだしたのだ。ブブを失いたくないベルタはやがて夜の街角に立つようになった。からだは疲れるが稼いで帰ったときのブブの笑顔は、次の日またベルタを街角に立たせた。ある日、街の歩道で知り合ったピエロ(M・ラニエリ)は、田舎出の男で、パリに職を求めてやってきたばかりだった。いつか二人の間に恋の感情が芽生えた。しかしベルタにはブブとの生活があった。そしてブブとのきずなが決定的となった。“悪い病気”に感染したベルタにブブの言葉が突き刺さったのだ。「おれの唇を噛め、その傷からおまえの病気をうつせ!」もうブブから逃れられない宿命をベルタは感じた。しかしベルタが患者収容施設に入ったとたん、文なしになったブブは盗みを働き、追ってきた警官に足を撃たれて逮捕された。それを聞いたベルタは病院を抜け出し、街をさまよったすえ、やはり娼婦の姉とヒモのガストンの部屋に仮住いをし、また夜の街角に立つようになった。しかしガストンの手を逃れるように、とび出したベルタの、最後のよりどころはピエロだった。ベルタはさびしく死んでいった父、そして“病気”の進行で痴呆のようになった姉の悲惨な姿に、新しい健康で明るい人生を決意した。二人は心から愛しあい、抱き合った。しかし、ベルタの不幸な宿命をかえることばできなかった。ピエロの部屋にブブと兄貴分のジュリオが突然踏み込んできたのだ。ナイフでおどされたピエロは、愛するベルタが連れ去られるのを、ただ黙って見ているより仕方がなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5男たちに翻弄される女性の哀歌

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

「わが青春のフロレンス」のマウロ・ボロニー二の代表作。一流の監督ではないが、この二作品だけは良かった。横柄なヒモ男の束縛から逃れられないオッタヴィア・ピッコロと彼女に好意を持ちながら救うことが出来ない学生マッシモ・ラニエリの苦悩。二人の好演と時代の雰囲気を再現した映像美。

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Gustav

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