愛する者よ、列車に乗れ
解説
亡き画家の遺言にしたがい葬儀へと向かう列車に乗り合わせた人々の二日間の旅を通し、ゲイやエイズ、ドラッグなどの世紀末的現実を優しい眼差しで描き出した一編。監督・脚本は「王妃マルゴ」のパトリス・シェロー。製作はシャルル・ガッソ。共同脚本は原案者でもある「王妃マルゴ」のダニエル・トンプソンと、ピエール・トリヴィティック。撮影は「ティコ・ムーン」のエリック・ゴーティエ。録音はギョーム・シアマとジャン=ピエール・ラフォルス。美術はリシャール・ペドゥッツィとシルヴァン・ショヴロ。編集はフランソワ・ジェディジエ。衣裳はカロリーヌ・ド・ヴィヴェーズ。出演は「ティコ・ムーン」のジャン=ルイ・トランティニャン、「愛のトリートメント」のヴァンサン・ペレーズ、「キュリー夫妻 その愛と情熱」のシャルル・ベルリング、「王妃マルゴ」のパスカル・グレゴリー、「パリでかくれんぼ」のブリュノ・トデスキーニ、「君が、嘘をついた」のヴァレリア・ブルーニ=テデスキ、「私の好きな季節」のロシュディ・セム、「太陽と月に背いて」のドミニク・ブランほか。
1998年製作/120分/フランス
原題または英題:Ceux Qui M'Aiment Prendront Le Train
ストーリー
生前パリに住んでいた、今は亡き画家兼美術教師のジャン=バチスト・エムリック(ジャン=ルイ・トランティニャン)が残した遺言、「私を愛する者はリモージュ行きの列車に乗りなさい」に従って、彼を愛した人々が、パリ・オーステルリッツ駅から墓地のあるリモージュ行きの列車に乗り込んだ。メンバーは、ジャン=バチストの甥ジャン=マリ(シャルル・ベルリング)とその別居中の妻クレール(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)、ジャン=バチストの元恋人フランソワ(パスカル・グレゴリー)とその現在の恋人ルイ(ブリュノ・トデスキーニ)、ジャン=バチストの最後の恋人ブリュノ(シルヴァン・ジャック)、ジャン=バチストの遺産相続人となる少女エロディ(デルフィーヌ・シルツ)とその母カトリーヌ(ドミニク・ブラン)など。彼らの葬儀へ向かう二日間の旅が始まる。その間、ジャン=マリは久々に会った妻クレールが妊娠していることを知って激しく動揺し、ルイはブリュノとトイレの中で愛し合う。フランソワは自分がエイズ患者であることをルイに告げる。それにショックを受けたルイは、一人途中下車してしまうといった、様々な人間模様が展開される。そして列車はリモージュに到着、一行は墓地へ向かう。そこでジャン=マリは、十五年来連絡を取っていなかったジャン=バチストの双子の弟である父リュシアン(ジャン=ルイ・トランティニャン、二役)と対面する。埋葬が始まり、葬儀が終わると、一行はエムリック家へと向かい、そこで今まで押し殺していた感情を爆発させるかのように、それぞれジャン=バチストとの関係を赤裸々に語り始める。そして互いに言葉をぶつけ合い、すべてをさらけ出す中で、彼らは、自分達が抱えている問題の解決の糸口を見つけ出していくのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- パトリス・シェロー
- 脚本
- ダニエル・トンプソン
- パトリス・シェロー
- ピエール・トリヴィティック
- 原案
- ダニエル・トンプソン
- 製作
- シャルル・ガッソ
- 撮影
- エリック・ゴーティエ
- 美術
- リシャール・ペドゥッツィ
- シルヴァン・ショヴロ
- 録音
- ギヨーム・シャマ
- ジャン=ピエール・ラフォルス
- 編集
- フランソワ・ジェディジエ
- 衣装デザイン
- カロリーヌ・ド・ヴィヴェーズ
- 字幕
- 寺尾次郎
受賞歴
第51回 カンヌ国際映画祭(1998年)
出品
コンペティション部門 | |
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出品作品 | パトリス・シェロー |