図々しい奴(1964)

劇場公開日:

解説

柴田錬三郎の同名小説を「いつでも夢を」の下飯坂菊馬と「わが恐喝の人生」の瀬川昌治が共同で脚色、「馬喰一代(1963)」の瀬川昌治が監督した喜劇。撮影は「海軍」の二口善乃。

1964年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年1月15日

ストーリー

旧岡山城主伊勢田家の当主直政が不思議な少年戸田切人に出会ったのは、切人が六年生の時であった。ニヒルな生活を送る直政にとってこの城を造る事を夢みる怪童との出会いは痛快なことであった。直政にひきとられた切人は直政の紹介で羊羹糞の老舗虎屋に奉行した。虎屋の娘美津枝は、直政が愛する唯一の人であったが、自分の素直な心にも従いえぬ直政の性格から、美津枝は大学教授園田のもとに嫁いだ。華族に似つかわしくない直政の奔放な生活は廃嫡問題に及び、その代償としてヨーロッパへ旅立つ事になった。この間に切人は、持前のねばり強さで離婚して帰っている美津枝の励ましのもと皇室御用の虎屋の商人根性を学びとっていた。そんな彼に独立するチャンスが訪れた。直政が渡欧に際し、残してくれた事業の資本金一万円と豪華なアパートの一室だ。はりきった切人は、陸軍大臣に体あたりで、たのみこみ、羊羹を陸軍の酒保に納める事に成功した。元来の図太さとアイデアの斬新さでヌード羊羹は、評判となったが、酒保から赤痢患者が出て、隊内の出入り差止めとなり、返品滞貨の中に自失している切人に、追いうちをかけるように、召集令状が来た。直政が帰国するのと入れちがいに、切人は、美津枝に送られて帰郷していった。

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