海女のリャンさん

劇場公開日:

解説

歴史の波に翻弄されながらも、海女として7人の子供を育て、家族の絆を守り続けた在日一世の女性の姿を捉えた長篇ドキュメンタリー。監督・脚本は原村政樹。撮影を木村光男、金性鶴、原村監督、金世正が担当している。第78回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第1位、2004年度文化庁文化記録映画大賞受賞、文化庁芸術団体重点支援事業作品。

2004年製作/89分/日本
配給:桜映画社
劇場公開日:2005年5月5日

ストーリー

約40年前、朝鮮通信使研究家の故・辛基秀(シン・ギス)さんによって撮影された未完の記録映画。その主人公である在日朝鮮人・梁義憲(リャン・イーホン)さんは、朝鮮総連の活動家だった夫を10年前に亡くし、現在は大阪で独り暮らしをしている。戦前、済州島から日本に渡り、海女として日本各地の海で働きながら7人の子供たちを育て上げてきたリャンさん。しかし、日本の朝鮮植民地支配、済州島3・4事件、祖国の南北分断と、その子供たちも日本に3人、韓国に1人、北朝鮮に3人と離散してしまった。そんなリャンさんに朗報が届く。2000年6月の南北首脳会談により、朝鮮総連系の70歳以上の在日朝鮮人の韓国への一週間の里帰りが許可されたのだ。そして、2002年4月。リャンさんは、53年振りに故郷・済州島の土を踏むことが叶い、更にそこでイクサン市から駆けつけた次女の白淑子(ペ・スクチャ)さんとの再会も果たすのであった。それから1年半後の2003年9月。87歳になったリャンさんは、今度は北朝鮮に渡った3人の子供たちに会いに行く決意をする。20回目となる今回の訪問は、年齢のことを考えても最後になるだろう。沢山のお土産を携えて、ウォンサンからピョンヤン、ハムフンへの旅。10日間の滞在期間中、彼女はひたすら子供たちとの語らいに時間を費やした。2004年1月、過酷な歴史に翻弄されながらも家族の絆を守り抜いてきたリャンさんは、今も大阪で独り暮らしを続けている。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く