この胸いっぱいの愛を

劇場公開日:

解説

20年前にタイムスリップした世界で、かつて難病で他界した憧れの女性の命を救おうと腐心する若者の姿を描いたラヴ・ファンタジー。監督は「カナリア」の塩田明彦。梶尾真治による『クロノス・ジョウンターの伝説』に収められた『鈴谷樹里の軌跡』ほかの原作短篇を基に、「@ベイビーメール」の鈴木謙一、「さよならみどりちゃん」の渡辺千穂、塩田監督が共同で脚色。撮影を「着信アリ2」の喜久村徳章が担当している。主演は、「海猿 UMIZARU」の伊藤英明と「着信アリ2」のミムラ。

2005年製作/131分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2005年10月8日

ストーリー

勤務する百貨店のお弁当フェア開催の為、小学生時代を過ごした北九州の門司を訪れた鈴谷比呂志は、同じ飛行機に搭乗していた布川ら3名の乗客と共に、自分が20年前の世界にタイムスリップしていることに気づく。そして、家庭の事情から祖母の経営する旅館で暮らしていた10歳の自分=ヒロと出会い、旅館の仕事を手伝いながら幼い自身との奇妙な同居生活を始めた彼は、近所のお蕎麦屋さんのひとり娘で、彼にヴァイオリンを教えてくれた憧れの“和美姉ちゃん”のことを想い出す。東京の音大を主席で卒業したものの、難病にかかってこの世を去ってしまった和美。比呂志は、彼女の命を救えなかったことを心にずっと引きずっていた。布川らとの話で、どうやら過去に遂げられなかった想いに決着を着けたら、元の世界に戻れるらしいと判明した。そこで、比呂志は和美の命を救うべく、ヒロと共に彼女に手術を受けさせようと腐心するのだが、心を閉ざした和美はそれを聞き入れようとしない。しかもそんな中、彼は知ってしまうのである。実は、自分や布川らが飛行機事故で既に死んでいたことを! しかし彼は諦めず、あるアイデアを思いつく。それは、門司で開かれるクラシックのコンサートのステージに和美を立たせてやることだった。果たして、比呂志とヒロの招待で会場にやって来た和美は、痛む体を押しながら満員の観衆を前に演奏を繰り広げ、生きる勇気を与えられる。しかし、それは同時に比呂志との別れを意味した――。2006年、飛行機事故で行方不明だった4名の遺体が、無事見つかったとの報道がされた。同じ頃、とある音楽教室では和美が子供たちにヴァイオリンの指導をしている。障害は残ったものの、今、彼女はどんなことがあっても生き続けようと思っていた。自分を支えてくれ、その後姿を消した“あの男性”の為にも。

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映画レビュー

4.0なんだかなあ。

2021年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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くそさいと

4.0この映画はタイムスリップの話だが、終盤に感動場面あり

2020年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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KEO

4.04人のタイムトリップ

2020年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 前年の『世界の中心で、愛をさけぶ』も1986年の日本を描いていたけど、この映画では4人もの人間がタイムスリップする。もしかするとタイムパラドクス上で重要な意味のある年だったのではないだろうか。

 日本では昭和61年、丙寅。前年には阪神タイガースが日本一になった。奇しくも20年後の2005年にセ・リーグ優勝(現時点)を決めているので、この20年という期間には特別な意味があるのかもしれない。ちなみに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も1985年。この年の付近に時空の歪みなどがあって、邦画におけるタイムスリップものはここに集中するのかもしれない・・・と、小林明子の「恋におちて」を聴きながら妄想しています。

 『亡国のイージス』で熱演した勝地涼が出演しているのですけど、彼が水平線に浮かぶ船を指差すシーンでは、あの映画で描ききれなかった重要なシーンを想像してしまいました。また、彼は食事のシーンが似合ってます。彼がラーメンをすする姿を見ると、自然にお腹の虫が鳴き出すほどでした。そして、ヴァイオリンの腕前はともかく、ヒロイン和美姉さんのミムラの演技も良かったです。難病を患っているだけあって、感情の起伏が激しいのですが、静と動の両面を上手く演じていました(欲を言えば、パジャマ姿を見たかった)。クドカンも子役の男の子も良かったですし、なんといっても、エンドクレジットを見るまで気づかなかった倍賞千恵子!わからなかった・・・(汗)

 SFファンであるならば、強引な展開や、幼い頃の自分と遭遇するという設定だけで文句がツッコミが満載になる展開なのですが、TBS、塩田監督、『黄泉がえり』ということを考えれば、ある程度想像できるストーリーなので、こんなツッコミは軽く流しましょう。いわゆるファンタジー映画と言えばいいのでしょうけど、素直に感動する一方で、生きることの大切さ、自己犠牲の愛、やり直しのきかない人生などといった、自分の生き方を見つめ直すきっかけも与えてくれる映画のように思います。

 クライマックスにコンサートをもってくる映画は、なぜだかいつもやられてしまう・・・

〈2005年10月映画館にて〉

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kossy
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