ひろしま

劇場公開日

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解説

長田新編「原爆の子」より、「雲ながるる果てに」の八木保太郎の書卸したシナリオの映画化で、日教組プロの製作になる。「混血児」の関川秀雄が監督し、「村八分」の宮島義勇が撮影している。音楽は、「玄海の鰐」の伊福部昭。出演者は「死の追跡」の岡田英次、神田隆、「旅路(1953)」の月丘夢路、「雲ながるる果てに」の山田五十鈴のほかに、河原崎しづ江、町田いさ子等前進座、東京映画俳優協会、劇団虹の橋等から多数出演している。

1953年製作/109分/日本
配給:北星

ストーリー

広島A高校三年、北川の担任するクラスで原爆当時のラジオ物語を聞いていた大庭みち子は、突然恐怖に失心した。原爆の白血病によって前から身体の変調を来していたのだ。クラスの三分の一を占める被爆者達にとって、忘れる事の出来ない息づまる様な思い出だった。それなのに今広島では、平和記念館の影は薄れ、街々に軍艦マーチは高鳴っている。あの日みち子の姉の町子は警報が解除され疎開作業の最中に、米原先生始め級の女学生達と一緒にやられたのだ。みち子は爆風で吹き飛ばされた。弟の明男も黒焦げになった。今はぐれてしまった遠藤幸夫の父秀雄は、妻よし子が梁の下敷で焼死ぬのをどうする事も出来なかった。陸軍病院に収容された負傷者には手当の施しようもなく狂人は続出し、死体は黒山の如くそこここに転りさながら生き地獄だった。しかし軍部は仁科博士らの進言を認めようとせず、ひたすら聖戦完遂を煽るのだった。その戦争も終ったが、悲惨な被爆者にとって今更降伏が何になるのか。広島には七十年間生物は住めないと云う。病院の庭に蒔かれた大根の芽が出るまでは、人々はそれを信ぜずにはいられなかった。疎開先から引き返してきた幸夫と洋子の兄妹は、病院の父に会いにいったが、そのひどい形相にどうしても父と思う事が出来なかった。父は死に広島には七回目の八月六日が廻ってきたのに、幸夫はその間浮浪児収容所、伯父の家と転々して次第に荒んでゆき、遂には浮浪児を使って掘り出した死体の頭骸骨を、原爆の記念に米人に売ろうとさえした。みち子は河野達級友に見守られながら死んだ。北川に連れられて警察を出てきた幸夫を、今また河野達は「明日は僕らの手で」の合唱で元気づけるのだった。

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映画レビュー

4.5記録映画

villageさん
2020年8月16日
Androidアプリから投稿

この映画が、まだ戦争の傷跡が生々しく残る1953年の広島で、多くの被爆者を含む広島市民の協力のもと作られたということ。それだけで本当に価値のある映画だと思う。
残念ながら(戦後間もない時期、未だアメリカの大きな影響のもとにあった日本ではある意味当然予想できたことだけど)、公開当時に全国の映画館で上映はできなかったとのこと。でも、永い年月を経て改めてこの映画にスポットがあてられたこと、何よりこうした映画が作られ残されていたこと、それが本当に良かったと思う。
内容は言わずもがな。被爆者たちが本当に見たであろう光景が残されている。
そういう意味で、ある種の記録映画と言えるんじゃないかなと思う。

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village

5.0被爆地広島の惨たらしいリアル

2020年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

原爆投下から7年後に作られた新藤兼人監督の「原爆の子」は原爆投下前後の広島を外部から見ることの出来る作品。8年後に製作された本作は内部から見ることが出来る作品。なのでより生々しく被爆者たちとより至近距離。「はだしのゲン」の様な距離感。

ピカッ!ドーン!で何気ない日が一瞬で地獄に。原爆投下直後の広島は現実なのか夢なのか訳がわからない。泣き叫ぶ人たち。発狂する人たち。焼け野原に無数に横たわる焼け焦げたミイラのような人たち。手や足が無かったり傷だらけで街をさまよう亡霊のような人たち。犬や猫、馬や鳥たちも同じように無残な姿。そして追い討ちをかけるかのような不気味な黒い雨。この世の出来事とはまず思えないだろう光景。それは正に絵でしか見たことのない地獄。恐ろしさしかない。爆撃、爆風による身体の強烈な痛み。錯乱、発狂している目の前の世界。一体何が起こっているのか訳がわからなかったと思う。自分の頭がバグったのか?目の前の世界が壊れたのか?一瞬で地獄に連れていかれたのか?はたまた只の悪夢なのか?判断がつかなかったと思う。平和な時代に生まれた自分には知り得ない苦痛。平和な時代に生かされていることに感謝。

軍国主義だった当時の日本の狂気的な政治(国民への虚偽、洗脳、強制、同調圧力などは朝飯前)。戦後の健常者たちによる被爆者たちへの差別の実態。科学が追いつかず理解してもらえない原爆後遺症者たちの苦痛と孤独。原爆孤児(ストリートチルドレン)達のリアルな生活。何もかもを至近距離で見ることが出来てとにかく生々しくてリアル。当時の世の中の様子を見ることの出来る貴重な作品。被爆地広島の惨たらしいリアル。

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バンデラス

5.0大根の芽

everglazeさん
2020年7月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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everglaze

5.0余りに痛く悲しい

2020年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

この映画、広島の友人に聞いた気がする。数年前に見た原爆ドームは、映画に登場するのと比べるとだいぶ劣化している気がした。日頃見ている友人もそう話していた。70年の歳月だもんな。
作品中、このドームに入って記念写真をとるアメリカ兵をみて虫唾が走った。が、それを淡々と映像に残したのは立派。戦争終結した自負か、戦勝国のおごりか。亡くなった市民への追悼は感じられなかったが、これが当時の風潮だったのだろう。
ピカドンと直後の静けさ、気が付くとうめき声、その時、伊福部の音楽がフェイドインしてくる。悲しく辛く忘れられないシーンだ。
被爆、その後の混乱、月日が流れても白血病。この映画でも一部しか表現できなかったろうが、被爆後の悲惨な様子や生きても付きまとう死への恐れは、痛いほど伝わった。長崎に住んでいた時は、8月9日に被爆者のお話を聞く登校日があったのを思い出した。
日教組製作なので、立派な教師と生徒たちの信頼関係も良く伝わった。朝鮮戦争が背景になると思うけど、大砲の弾を作るのが嫌で工場をやめた少年の痛い気持ちが印象的だった。

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bluetom2000
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