APPLESEED アップルシード

劇場公開日:2004年4月17日

解説・あらすじ

「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の士郎正宗によるSFコミックを、モーションキャプチャーと3DCGを駆使してアニメーション映画化。西暦2131年、女兵士のデュナン・ナッツはサイボーグと化した元恋人のブリアレオスと再会し、未来都市オリュンポスに招かれる。一見すると平和で理想的な都市のオリュンポスだったが、感情を抑制したバイオロイドが政治を司り、人類の存在を揺るがす計画が密かに進められていた。デュナンは人類の未来の鍵を握る「アップルシード」をめぐり戦いに身を投じていく。「ピンポン」の曽利文彦がプロデュースを務めた。

2004年製作/103分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2004年4月17日

スタッフ・声優・キャスト

監督
荒牧伸志
プロデュース
曽利文彦
プロデューサー
植木英則
渡邉直子
エグゼクティブプロデューサー
三宅澄二
原作
士郎正宗
脚本
半田はるか
上代務
キャラクターデザイン
山田正樹
音楽プロデューサー
安井輝
音楽
Boom Boom Satellites
アニメーション制作
デジタル・フロンティア
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(C)士郎正宗/青心社 ・ アップルシードフィルムパートナーズ

映画レビュー

4.0面白いけど惜しい

2025年6月27日
iPhoneアプリから投稿

設定はすごく面白いしCGも綺麗だと思うんだけど脚本と台詞回しにもう少し深みが欲しかった
CGじゃなく普通のアニメにした方が良かったんじゃないかな
あの世界で人間の食糧はどうなっているのか気になった

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承太郎

2.5ゲーム映画として捉えた

2025年4月6日
PCから投稿

公開時に観て以来
何十年…の再鑑賞

ゲーム映画の様な

垣間見える様々な映画と
重複するシーンが目立つ

この頃のCGは
'80年代の進化系か
でもリップシンクは…
少々見苦しく思う

手の込んだアニメの方が緻密で
表現力も様々な点で優れている
公開当時なら星3つ半か

出来上がりよりも
思想の方が興味深く

映像よりも文章がいいかも。

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星組

4.0中々面白い

2025年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2004年という時代のSFアニメ
冒頭からヨハネの黙示録が引用されている。
つまり終末論的世界
この架空の世界にいるのは、人とクローン技術で誕生させたバイオロイド、そしてサイボーグ
これらがいわゆる人格を持っている。
そして問題となっているのが「人」
人の持つ欲望がこの世界にとってどうにもならない問題で、どうにかして世界を平和にしたいと願う行政院や立法院のジジイ達が、ガイアというスーパーコンピューターのようなものに問いかけ続けて、その方法論を得ようとしている。
さて、
アニメーションは非常によくできていた。
脚本もいい。
そして設定が面白い。
近未来でも人の欲望と争いが尽きないことを言っている。
それをどうにかしたいと考える人と、その中にいながら裏切る人物というのは、いつの時代も変わらないのだろう。
ジジイ達とガイアとで出した答えが、人類を滅亡させることというのも面白い。
そのために使用するウィルス 人間の生殖機能が奪われるという設定
希望を失ったジジイ達にある刹那的な考えというのも想像を掻き立てる。
とくに彼らが博士を殺した背景に彼らの絶望を感じるとともに、ジジイという先のない命の独特な思考設定も面白い。
しかし、
そもそもバイオロイドの思考をプログラミングするという概念があれば、人もプログラミングできそうだなと思った。
そうなれば必然的に犯罪者に対する措置がプログラミングになるだろう。
ただ、
この現在は世界大戦後の混沌とした時期を描いているので、ジジイ達が人に対して絶望しているのは理解できる。
若干不明なのが、このユートピアと呼ばれるオリュンポスという都市のほかにも都市や国家があるが、ガイアという管理AIとオリュンポスのジジイ達が、他の国家を差し置いて人類滅亡を決めたことになる。
これと先の世界戦争の違いはどこにあるのだろう?
バイオロイドに地球を託す選択
人の尽きない欲望
その出した最終的な答えが人類滅亡
わかるようなわからないような… 微妙さが残った。
さて、、
主人公デュナンの母は、アップルシードというバイオロイドの感情抑制を解除し正常な機能を回復させるためのものと、ウィルスを作った博士。
物語上重要な部分だが、設定上も興味深いところだ。
彼女はある意味「神」なのだろうか?
冒頭のヨハネの黙示録 終末の時代における神の計画と救済 未来の運命
人間による選択と決断
これこそが、どうあれ「正しい」ことなのだろう。
また、
バイオロイドはプログラミングによる感情抑制によって、定期的にメンテナンスを必要とする。
バイオロイドの勘定抑制を解除することで彼らはより人間に近い存在となる。
これらの背景を考えると、
かつて奴隷があったように、人はバイオロイドをその代わりにしていることが伺える。
レストランでもバイオロイドに食って掛かる人間が描かれていた。
戦争は殆ど機械とサイボーグだが、パワードスーツの中に入っているのは人間だろうか?
仮にバイオロイドがそれに使われていれば、この物語は大きく矛盾するだろう。
欲に溺れた人間がパワードスーツで戦争
そこにサイボーグ化された人間と機械は登場してもバイオロイドは加担しない。
そこまで徹底管理されているなら、地球救済にはまた別の方法もありそうだなと思ってしまった。
物語はジジイ達とガイアで決めた人類滅亡のウィルス作戦をデュナンらが食い止めることで決着する。
アップルシードがもたらすバイオロイドの解除抑制の解除
これが若者が出した答えで、そこに忍ばせているのが、未来は未来を担うものに任せよということだろう。
さて、、、
サイボーグとなったデュナンの恋人ブリアレオス
戦闘による負傷と生き延びる手段
より戦闘能力が上がった彼だったが、自分自身が機械になってしまったことに対する憂いを感じさせる。
生きる この言葉は彼にとって瞬間的な判断だったが、機械になった苦悩や葛藤は相当なものなのだろう。
もし負傷が戦争によるものでなければ、彼はどうしただろうか?
そこに垣間見れる任務と責任 戦時中の特殊な思考
彼は一生その事に悩み続けるだろう。
バイオロイドに感情の抑揚が解禁されたのは、その後を考えればバイオロイドの生殖機能がないことによる自然絶滅が待っているように思う。
その時人類はどうするのだろうか?
死ぬのは人間と同じで感情が芽生えればより死の恐怖や苦悩を抱え込むだろう。
そしてやがて、その感情が生殖機能獲得へと向かうのではないだろうか?
その是々非々の問題が新しく発生するだろう。
戦闘中の負傷とサイボーグ化という選択肢も、戦争がなくなれば終わるだろう。
それとも彼らの感情コントロールのために戦争は続くのだろうか?
彼らサイボーグはどのように死を考えるのだろうか?
人間 バイオロイド サイボーグ これらにある感情と葛藤を考えてしまう。
主人公らが阻止した人類滅亡だが、企業国家はそのままの形で存続することになる。
問題は地球規模にならざるを得ない。
最終的に、デュナンたちはバイオロイドとの共存を誓い、新しい未来を築くために努力することを決意するが、それに関わった者たちだけがそれらを共有できるが、実際に世界は現状のままだ。
オリュンポスの政治だけがふりだしに戻っただけ。
企業国家は戦争をやめないだろう。
どうするんだ? デュナン
この後の世界についてもう少しだけ描いてほしかった。

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R41

4.0士郎政宗ワールドの映像化

2025年3月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

原作は『攻殻機動隊』の士郎政宗。

【ストーリー】
大戦が終わり、国家はことごとく灰燼に帰した。
銃器による犯罪の横行する世界を、女性兵士のデュナンは仲間とともに、戦いながら生きのびていた。
たがデュナンの部隊が、高度にロボット化した戦闘兵器部隊に襲われ、全滅してしまう。
奮戦するデュナンだが、追いつめられ敵に包囲される。
そこに新たな戦闘団が参戦し、窮地からデュナンを救う。
身長2メートルを超えた全身サイボーグの男性。
それはかつての恋人、様変わりしたブリアレオスだった。

さて、いきなりですが原作の話をします。
『アップルシード』は青心社から発売された、士郎政宗の大型本。
全四巻+データブックやら副読本、美術本やらたくさんの作品が発表されてます。
中学二年生で友だちにすすめられて、はじめて読んだときは衝撃でした。
「この未来、来る」
本気で信じちゃいました。
それだけリアルで説得力に満ちた世界観なんですね、士郎政宗作品。
反面ドラマは排除され、骨太のハードSF世界で、主人公たちは戦闘のプロらしい、おさえた感情表現にとどめてます。
描写は最大級に細かく、アクション作品ながらそこいらのお仕事マンガよりも情報は濃密。

原作では崩壊したビル街で、楽しくサバイバルしていたデュナンとブリアレオスを、立法院のヒトミと、行政院トップのアテナ子飼いの戦車部隊が、二人に迫るところからはじまります。
はねっかえりの若いデュナンと、それをたしなめ慎重に判断をくだすブリアレオス。
SWAT隊長の父親に鍛えられた娘と、父親の有能な部下で、事故で全身サイボーグになった恋人という関係でもあります。
二人は最初からカップルで、その関係はゆらぎません。
士郎政宗作品って、ロマンスは添えものなんですよ。
無くても困らないレベルにしか描かれてません。
『攻殻機動隊』でも、原作では素子とバトー、ミジンコもラブくないし。
素子ったら一課の課長と週末すごしたり、副業での販売用アダルトデータの制作で、友だちとレズプレイしたりして、アニメの凛々しさはありません。
バトーも、若い女性のフリした95歳男性とネットでデートしてるし。あ、バトーは騙されてますよ。しかも荒牧に監視されてて、おもろい笑
作風、基本コメディなんですよね士郎政宗。

なにがリアルなのかというと、見たこともない未来デバイスを、キャラクターたちがあたりまえに使いこなすところ。
すごい自然なんですよ。
アップルシードなんか説明もせずに超小型ドローンとか使ってるし、車のバックミラーはカメラだし、顔認証で尾行者を特定して補足してるし。
攻殻機動隊でも、スマホなんかなくても頭の中でブラウジングしてるし、通話しながら視覚データをクラウドにアップしてオペレーターが分析してるし。
どうです?
「この未来、来る」って思いませんか?
あとアクションもリアル。
アップルシードも本来のバトルシーンは、主人公コンビがド派手なスーパープレイを決めて仲間をすくう場面なんかありません。
ESWATが敵よりも人数や火力、装備をととのえて、末端から静かに無力化、クリアリングしてゆく、地味なコマンドアタック主体です。

原作原理主義者ではない自分ですが、設定改変の多いこのデジタルアニメのどこを気に入っているのかというと、オリュンポスという都市の構造物です。
「そうそう、タルタロスはその形!」
「多脚砲台(タカアシガニ)のキャノンはその位置!」
というような、メカや未来都市のディテールが原作に忠実なところ。
自分、原作に出会ったときからオリュンポスに住みたかったんですよね。
その欲求を満たしてくれる作品なんです。
それとギュゲス。
ギュゲスはいい……心からほしい。
ギュゲスで夜コンビニで買い物できたら、暗くてもお外、こわくない。

うたい文句どおりに音楽はノリがいいしアクションはスタイリッシュなんですが、正直そこはどうでもいいや笑
内容は第一巻『プロメテウスの挑戦』、第二巻『プロメテウスの解放』第三巻『プロメテウスの小天秤』までを、分解してパーツとって、いっぱいなんか足して原型なく組みなおし、ホイップクリームたっぷり盛ってイチゴ埋めつくすほどのっけたシロモノになってます。
具体的には、プロデューサー曽利文彦&荒牧伸志監督コンビらしい、感情的で大仰なドラマが加えられてます。イヤなの?すごくイヤだよ!こっちはリアルな未来社会でリアルなキャラクターがリアルな働きするから士郎政宗のマンガ読んでるんだよ!主人公を巻きこむ壮大な陰謀とか痴話ゲンカとかいらないんだってば!

ふう。
言ったった。
思ってたことぜんぶ言ったった。
子どもみたいな主張したった。
スッキリしました。

あと、補足としては、リアルな未来兵器もたくさん出てくる士郎政宗作品ですが、実は軍隊を主役にしたものはありません。
このアップルシードでは警察特殊部隊のSWAT、二作目『ドミニオン』は地方都市パトロール戦車隊、そしてご存じ攻殻機動隊は首相直属の公安局といった、法執行組織(警察とか麻薬取締局とか)を、主人公の所属組織として描いてるんですよね。
なので映像化作品の軍隊エピソードや設定は、いずれもほぼオリジナルです。

ほかになんか書きのこしたことあったっけなあ……そうだ、実は『D[di:]』の洞沢由美子キャラデザで、アップルシードのOVA(オリジナルアニメビデオ)が制作販売されてます。
版元はガイナックス。
出来はまあ、ねえ。
これに『実写版ショートフィルム』っておまけ映像がついてるんですが、デュナン役の女の子、りりしくてかわいいんですよ。
珍品ですが、3分程度の長さなので、機会あったらちょっと見てあげてほしいかな。
ブリアレオスのかぶり物がよくできてて、折れストローでジュース飲んでるシーンは妙に萌えます。

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かせさん

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