ここに、幸あり(2003)
劇場公開日:2003年8月30日
解説
青春映画「いつものように」で日本映画プロデューサー協会最優秀新人監督賞を受賞したけんもち聡監督が、玄界灘に浮かぶ小さな離島・姫島を舞台に“心の原風景”を描いた作品。素朴な島を風景に、演技科を目指す純粋な青年と彼に演技指導するため都会からやって来たしがない役者、そして個性豊かな島民たちが織りなす島の日常を淡々と綴る。
2003年製作/日本
配給:「ここに、幸あり」製作委員会
劇場公開日:2003年8月30日
ストーリー
売れない役者、加藤幸(高瀬アラタ)は、ある日マネージャーの命令で、田舎の浪人生・吉田邦(須田邦祐)にボランティアで演技を教えに行く羽目になる。九州の小さな離島に暮らす邦は、死んだ母に代わって民宿の切り盛りもする“勤労受験生”。この島は老若男女、みんな相撲が大好きで、邦もそんな島民の一人なのだが、性格ばかりは滅法シャイ。演技科志望の動機を恥ずかしそうにつぶやく邦に、幸はすっかり困惑気味。そんな夜、季節外れの水着撮影にこの島を訪れたモデルの渋谷成美(竹谷佳織)が、二人きりの民宿へふらっと泊まりにやってきた。翌日から演技トレーニングが始まるが、初めてだらけのことに戸惑う邦に、幸はまったく容赦なし。幸にとって演技は闘い、ついてこれないヤツは負けだ。いっぽう成美も、予想外の出来事で撮影がうまくいかなくなっていた。思わぬ島民の反応にイラつくカメラマン、その間にはさまれた成美は、どうしていいか分からなくなる。分からないのは邦も同じ。一向にラチが明かない邦にイライラが募っていく幸だったが、実直な邦から思わぬ抵抗が返ってきた時、幸の思いが微妙に揺れ始めていく……