OUT(2002)

劇場公開日:

解説

殺人事件をきっかけに、最悪の状況からOUT(脱出)しようとする4人の女たちの姿を、コミカルかつスリリングに描いたサスペンス。監督は「笑う蛙」の平山秀幸。98年度日本推理作家協会長篇賞を受賞した桐野夏生による同名小説を基に、「豚の報い」の鄭義信が脚色。撮影を「明日があるさ」の柴崎幸三が担当している。主演は、「木曜組曲」の原田美枝子、「陽はまた昇る」の倍賞美津子、「金融破滅ニッポン 桃源郷の人々」の室井滋、「木曜組曲」の西田尚美。第76回本誌日本映画ベスト・テン第4位、日本映画助演男優賞(香川照之)受賞、第26回日本アカデミー賞優秀主演女優賞(原田美枝子)、優秀助演女優賞(倍賞美津子)、優秀監督賞受賞、第57回毎日映画コンクール日本映画優秀賞、監督賞、脚本賞受賞、第15回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞(香川照之)受賞、日本映画ペンクラブ賞日本映画第3位、第24回ヨコハマ映画祭2002年日本映画ベストテン第2位、監督賞、撮影賞受賞作品。

2002年製作/119分/日本
配給:20世紀フォックス[極東]映画
劇場公開日:2002年10月19日

ストーリー

東京郊外にある弁当工場で働く雅子、ヨシエ、邦子、弥生は、それぞれに問題を抱えていた。雅子は家庭崩壊、ヨシエは寝たきりの姑の介護、邦子はローン地獄、そして身重の弥生はギャンブル狂いの夫からの暴力。ある日、弥生が衝動的に夫を殺害した。死体処理をさせられるハメになった雅子は、ヨシエと邦子を巻き込んでそれを解体。生ゴミと一緒に捨てることにした。一時は死体が発見され警察が動き出すも、カジノのオーナー・佐竹に容疑がかけられ難を逃れる雅子たち。そんな彼女らに、邦子が世話になっているローン会社の男・十文字が死体処理の仕事を斡旋してきた。十文字を憎からず想うようになっていた雅子は、多額の報酬と引き換えにそれを受け、まんまと仕事を成功させる。ところが、釈放された佐竹の復讐の手が4人に迫ってきた。十文字の手首を切断し、ヨシエの姑を撲殺した佐竹。ヨシエによって佐竹は殺害されるも、これが元で雅子たちに捜査が及ぶのは明白だ。自首を決意したヨシエを残し、北海道へ向けて逃亡する3人。途中、産気づいた弥生と別れた雅子と邦子は、かねてより夢であったオーロラを見る為、知床を目指す……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第26回 日本アカデミー賞(2003年)

ノミネート

監督賞 平山秀幸
主演女優賞 原田美枝子
助演女優賞 倍賞美津子
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映画レビュー

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2024年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

怖い

2002年公開作品
2度目の鑑賞
およそ20年ぶりの鑑賞

1999年フジテレビで放送された田中美佐子主演の連ドラ未鑑賞
舞台化もされた

原作は『魂萌え!』『東京島』の桐野夏生
監督は『マリアの胃袋』『愛を乞うひと』『レディ・ジョーカー』『必死剣鳥刺し』『閉鎖病棟 それぞれの朝』の平山秀幸
脚本は『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『お父さんのバックドロップ』『血と骨』『焼肉ドラゴン』の鄭義信

原作の重苦しい雰囲気を和らげようとユーモアをふんだんに交えてきた
監督や脚本家というよりプロデューサーか制作総指揮の諸橋健一氏の意向だろう
コミカルなサスペンス
原作はもちろんのことテレビドラマにも登場する物語の重要キャラであろう日系ブラジル人の宮森カズオは出てこないのは映画の尺に合わず省いたのだろう

粗筋
夫の暴力に耐えかねベルトで締め殺してしまった妊婦の山本弥生
死体処理に巻き込まれた弥生の職場の同僚の香取雅子と吾妻ヨシエと城之内邦子
犯人に仕立てられた地下カジノのオーナーの佐竹は復讐を開始した
佐竹を殺したヨシエは自首
雅子と邦子と弥生は北海道に高飛び
弥生は出産のため北海道の病院に
雅子と邦子はオーロラを見るため北海道からアラスカを目指す

タイトルのOUTとは脱出を意味するらしい

原作とだいぶ違うらしく原作ファンからは不評だが映画としては悪くはない
4人の女優をとくと味わえ
あとちょい役だがラストの方に登場する北海道のトラック運転手を演じた吉田日出子もいい味を出していた

配役
元信用金庫行員で今は弁当屋の深夜パートで働く香取雅子に原田美枝子
雅子の同僚で「師匠」と呼ばれている吾妻ヨシエに倍賞美津子
雅子の同僚で多重債務者の城之内邦子に室井滋
雅子の同僚で妊婦の山本弥生に西田尚美
ヨシエの姑の吾妻千代子に千石規子
邦子が借りている街金のチンピラの十文字彬に香川照之
弥生のDV夫の山本健司に大森南朋
地下カジノのオーナーの佐竹光義に間寛平
雅子の夫の香取良樹に小木茂光
雅子の息子の香取伸樹に吉永雅紀
ヨシエに立ち退きを要求する大家の広瀬洋一に江藤漢
経験を見込んで死体処理を雅子に依頼する十文字の仲間の金田敬徳に田中要次
警視庁捜査一課の刑事の杉本に斎藤歩
警視庁捜査一課の刑事の衣笠に浜田道彦
雅子の同僚で日本人と結婚した外国人妻のマリアに伊藤グロリア
トラック運転手に吉田日出子
豊住会組員に眞島秀和
豊住会組員に佐藤貢三

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野川新栄

3.0原作が好きで観ると、やっぱりこれじゃない。

2023年1月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2002年劇場公開時鑑賞。原作既読。
それでも途中から「これは別物これは別物」と念じながら観てたら、割と悪くないかもと思えてきた。
みなさん上手いし。

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なお

4.5女同士

2018年10月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

むかし、多岐川裕美がひとり娘に
「最後まで信用できるのは女友達とお金だけ」というようなことを言っていたな。
それ思い出した。

助け合って生きていこうとする女たちの性、本能。
「OUT」という本題は、負け、失敗、降参、諦め だけではなく"閉塞からの脱出“をも意味するんだよね。

「いけてます」と香川照之から囁かれて一瞬に目の中に命の光がともる原田美枝子は、なかなかの女優!
あの存在感に対して残念ながら声質の弱い演技者なんだけど、終盤、産気付いた西田尚美に残す言葉の意気は・・・そうだな、同じ女物語:海街diaryで綾瀬はるかが広瀬すずに「一緒に暮らそう」と告げる時のドスのある声だった。
あれで西田は初めてまともな受け応えをする。
あそこ、すごく良かった。

男の自分から見てこの映画、女優たちが男たちへの敵愾心を本心で演じているのを感じてしまうから、ちょっと恐ろしくなる。男性への生理的反感が隠しようもなく共演者たちに現れる。そしてそれを嗤い(わらい)あう女たち。

亭主をバラバラにして生ゴミに出したいって、妻たちは話し合っているのさ。
「いけてます」と男どもが連れ合いに囁かないからだよなー

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きりん

1.5 金融業問題や失業問題、介護問題までも提起しようとしているが、中途...

2018年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy