女帝(1983)
劇場公開日:1983年4月29日
解説
一流デパートの社長の座にのし上った男を踏み台に、会社に“女帝”として君臨した女の、挫折するまでの半生を描く。脚本は「襲われる女教師」の桂千穂と「宇能鴻一郎の姉妹理容室」の内藤誠、監督は「ダンプ渡り鳥」の関本郁夫、撮影は「ピンクカット 太く愛して深く愛して」の鈴木耕一がそれぞれ担当。主題歌は、石原圭子(「椿の館」)。
1983年製作/97分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1983年4月29日
ストーリー
昭和38年、七越デパートの一介のアクセサリー納入業者であった中原みきは、名うての宣伝部長・山田に色仕掛けで近付き、深い関係になり拡張に成功した。山田は持ち前の馬力と、みきの助言で七越内での地歩を固め、10年の後には社長の座についた。そして、みきも発言力を強め、ついには“女帝”とまで言われるようになった。彼女の弱点と言えば、何かと反発する離婚した前夫との娘・弓子の存在だけだった。そんなある日、老舗の和菓子屋・東屋の女社長・河村桂子が山田に援助を求めてきた。山田は桂子の豊満な体に惹かれ、融資を即決し、事態を利用して、セントラル高村の乗っ取りに成功する。その日から桂子は山田の愛人の一人となった、勘のいいみきは、秘書の青野を問いつめ桂子の存在を知り、嫉妬による怒りは収まらなかった。その頃から、ジャーナリズムは山田とみきの関係を書きたてるようになっていた。一方、弓子は家庭教師の佐伯と結婚すると言い出した。すでに弓子が妊娠していることを知り激怒するみき。山田式近代デパート経営にも翳りが見えてきた。こんな状況を見かねた青野は、真近かに迫る“ギリシャ秘宝展”の見直しを山田に進言するが、聞き入れられないため七越を退社。みきの横暴ぶりに愛想をつかした桂子と連れだって、反山田派の七井コンツェルンの長老・山之内を訪ね、七越の危機を訴えた。それから間もなくマスコミはギリシャ秘宝展が贋作ぞろいであることや、山田とみきの公私混同ぶりを書きたてた。やがて役員会が開かれ、16対0の大差で山田は社長の座を解任させられたのだった。