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カメラを弁償するため必死でバイトする康助(高田)。なんとかちょっと貯めた金を飯塚令子(椋木)に渡そうとするが、弁償金は返され、「その代り、今度あなたが自分で焼いたピザを持ってきて」と頼まれる。好きになった年上の女性のためにピザの焼き方を学んでピザを配達する康助だったが、令子は田舎の長崎に引っ越した後だった・・・
康助の父親は離婚の末、家を出て行き、今では母(美保純)との2人暮らし。その母とも言い争いが絶えなかったこともあり、康助はピザを届けるため店のバイクで長崎に向う。
途中、援交女子高生とラブホテルで一夜を過ごし、初体験の代償に有り金を持ち逃げされてしまう。ラブホテルからの脱出は暖炉から煙突へと抜けるなんてバカげた展開。大阪ではヤクザの金を持ち逃げなどと、反社会的なところには嫌悪感を抱きつつも、やがて人とのふれあいを通じて成長してゆく主人公に自分の青春時代を重ねてしまう。面白くないとは思いつつも、謎のハーレー男として登場する山崎努のインパクトが凄いため、ついのめり込んでしまう作品でもある。
ロードムービーの定番として、ゴール寸前にトラブルが発生する。佐賀県警の白バイ警官に捕まり、バイクのキーを無くしてしまうのだ。尾道の修理工場で知り合った親娘の話したパリ・ダカールの想い出話がそのまま伏線としてプロットを引き締める。そして最後は、全国チェーン店のピザーラが盛り上げてくれる。東京から来たバカな高校生を応援する仲間たち。令子の住むマンションまで誘導してくれたのだ。しかし、青春モノにつきものである残酷な展開。彼女にはボクサーの恋人がいて、妊娠もしているのだ。
年末のストーリー。最後には第九の演奏とかのカットが挿入され、令子と彼氏、それに主人公がみな泣き出すなどという、わけわからないけど爽やかな展開。