大草原の渡り鳥
劇場公開日:1960年10月12日
解説
小林旭の渡り鳥シリーズの第五作。原健三郎の原作を、「南海の狼火」の山崎巌が脚色し、「東京の暴れん坊」の斎藤武市が監督した。撮影は「南海の狼火」の高村倉太郎。
1960年製作/83分/日本
原題または英題:The Spook Cottage
配給:日活
劇場公開日:1960年10月12日
ストーリー
摩周湖の尾根道を、ギターを持った滝伸次と少年越谷信夫の馬が釧路へ向う。信夫の母親和枝を訪ねてきた伸次は、釧路に着いた夜、和枝がマダムになっているキャバレー「ブラック・ベア」に流しに入った。和枝はボス高堂と出張中で留守だった。高堂は東京から直行した旅客機がつけられるような飛行場を作ることを計画していた。それには邪魔になるアイヌ集落を取払わねばならない。高堂のアイヌ集落襲撃は日ましに激しくなった。伸次は民芸研究家の順子とともに、アイヌ集落を守ることにした。アイヌ集落が世話になる清里硫黄精練所に殺し屋風の男政がやってきた。高堂が清里に貸した二百万円の取立てにきたのだ。乱暴を働らく政を、伸次が止めた。そんな時、信夫が行方をくらました。信夫は「親切なおばさんがいた--」と和枝を母とは知らぬ一時を過してきたのだった。返済金の取立てがきびしくなった。伸次は、信夫の養育費としてあずかってきた二百万円を清里にさし出した。清里の息子茂はこの金を持って「ブラック・ベア」に乗りこんだ。賭博場に連れこまれ、たちまちスッてしまった。そこへ、伸次がやってきた。政を相手にし、伸次が勝った。伸次の賭博はイカサマだった。政はこれを知っていたのだが、勝ちをゆずったのだ。高堂は、アイヌ集落の祭へ来るであろう伸次と信夫を硫黄精練所へおびき出すことと、そのスキに集落を焼打ちにすることを企んだ。祭の夜、アイヌ集落は火の海となった。信夫は硫黄精練所の廃坑の中に連れていかれた。伸次が拳銃を構えて廃坑に立った。背後から狙った茂を、一瞬ふり返って撃った。伸次と政は高堂を殴った。近づいたパトカーに「七年前のXX銀行強盗は俺の単独っていうことになっているが、本当はその野郎が主犯だ」と政が言った。高堂の腕に手錠がかかった。--伸次は信夫を順子に託して、また旅に出た。