ロングラン
劇場公開日:1982年4月17日
解説
1人の日本人青年が、ローラースケートで、アメリカ大陸を横断したという実話に基づき、青木邦夫が脚本化し、第一回サンリオ脚本賞を受賞した作品の映画化。「マイ・ロード」のキクオ・カワサキ、小林竜雄が共同執筆、監督は女性フォト・ジャーナリストの吉田ルイ子、撮影は「無力の王」の長谷川元吉がそれぞれ担当。
1982年製作/102分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1982年4月17日
ストーリー
オレゴン州アストリア。国道30号線の傍らでは、人々がここを起点にアメリカ大陸横断にチャレンジする日本人ローラースケート野郎・山中隆男を待っていた。人々の中には隆男に自転車で同行し雑誌社に記事を送るフリーライターの宮本昇やスポンサーの顔も見える。間もなく隆男がやって来た。そして2人はスポンサーの合図でアメリカ大陸横断7000キロの旅に出発。順調に滑る隆男に対し、昇はスポーツが苦手らしく、隆男のペースについていくのがやっとだった。だが、折角の冒険も記録するカメラマンがいない。そんな隆男の質問に昇は息をきらしながら前方を指差した。そこには自動車の脇でとりの日本人女性がこちらにカメラを向けていた。滝口恵子である。しかし、カメラマンが女であることに、隆男は大いに不満だった……。来る日も来る日も、淡々とした道をひたすら走る隆男と昇。無心にシャッターを押す恵子。しかし、3人にはこの旅をどこまで続けられるか、確固たる自信はなかった。スポンサーがついていたものの、費用は記事の反響次第という不安定なものだった。アメリカ大陸横断だけを考える隆男と、旅行を通じて人と人との交流を記事にしたいという昇との意見が対立しはじめたのもこの頃だった。それでもルート88にのって、アイダホ州を横断するうちに、いつしか3人の間にはそれぞれの立場を思いやる優しさといたわりの気持が生まれてきていた。独立記念日に湧くフォートララミーの町は、隆男たちを待っていた。歓迎に応える3人の前で突然、事故がおこった。ローラトスケートをはいた子供が車にはねられたのだ。しかし、隆男の素早い行動で、子供は一命をとりとめ、隆男たちはここで思わぬ“資金”を市長からプレゼントされた。資金的にはもう限界にきていたのだ。だが、いいことばかりは続かない。フォートララミーの町をあとにした直後に、隆男がふとしたことが原因で町の若者の車にはねられるという事故が起きた。ここで何週間も旅を休むことは無理だった。さらに雑誌社から昇に企画の中止の連絡が……。次第に弱気になっていく隆男と昇。そんな2人の前から恵子が消えた。数日後、今日はホテルを出なければならないという日に、突然、2人の前に恵子の紹介で来たというエバンス夫妻が現われた。隆男は夫妻の好意で療養に恵念でき、さらに恵子からニューヨークまでの泊る所を全て世話され、2人は再びニューヨーク目指して旅立つのだった……。