火線地帯
劇場公開日:1961年5月24日
解説
石井輝男・武部弘道の脚本を、新人第一回の武部弘道が監督したアクション・ドラマ。武部監督は慶大経済学部卒業、二十四年新東宝に入り、五所平之助らに師事した。撮影は「私は嘘は申しません」の須藤登。
1961年製作/79分/日本
配給:新東
劇場公開日:1961年5月24日
ストーリー
K市では歓楽街の縄張りを争って重宗商事と梶川組が事毎に対立しあっていた。伸一と健次は重宗商事のシマである競輪場で、パクリ屋をやって荒稼ぎをやっていたが、重宗組の子分に取囲まれた時正体不明の黒眼鏡の男に救われた。健次の妹幸子は、健次の面倒をみてくれる伸一の男らしさに心をひかれていた。伸一の腕に惚れている重宗親分は、幹部の小山と中本に、今夜の仕事で伸一を使うように命じた。伸一におぼしめしのある重宗の情婦ゆみはそれを聞いて喜んだ。伸一と健二は小山にあるビルの前に連れ出された。ビルの一室では拳銃の売買が行われていた。売り手は黒眼鏡の男黒岩だった。拳銃は高値をつけた梶川組に落ちた。小山は二人を連れて梶川組の車を追った。途中で奪おうというのだ。どうしたことか梶川組の車は××橋の橋桁に激突し、伸一達は何んとなくコルトを奪った。奪った拳銃を前にした重宗組へ警察に密告するという怪電話がかかった。小山に反感を感つ中本は、伸一が裏切ったのだといいはった。だが、脅喝して金をまきあげたのは黒岩だった。重宗組の汚いやり方に、伸一は黒岩と手を組んだ。その頃健次は伸一の隠れ家を白状しろと中本にリンチをうけていた。中本は、伸一と黒岩に重宗殺害を条件に健一を自由にするという話を持って来た。伸一からこれを聞いたゆみは重宗に知らせた。そして梶川組にもコルトを奪ったのは重宗組の仕業と知らせていた。それを知らない中本は、重宗を倉庫に呼び出すが逆に射殺されてしまった。そして伸一と黒岩は重宗組に包囲された。その時、梶川組が殴り込みをかけて来た。伸一の身をかばってゆみは死んだ。翌朝、黒岩は香港に、伸一は幸子のもとに帰ってゆくのだった。