夜の診察室
劇場公開日:1971年9月4日
解説
医学博士である父が開業している性相談室を手伝っている可憐で、好奇心の強い女子大生が、ポルノ作家と自称する青年と恋におちいってしまうという風俗喜劇。脚本は「十代の妊娠」の長谷川公之。監督は「高校生心中 純愛」の帯盛迪彦。撮影は「十七才の成人式」の中川芳久がそれぞれ担当。
1971年製作/88分/日本
配給:ダイニチ映配
劇場公開日:1971年9月4日
ストーリー
商品化されたセックスが氾濫する今日、人々は楽しみよりも苦しみを、喜びよりも悩みをもたらされる。この様な人人のために、あるマンションの一室に医学博士麻生周造が経営する性相談室がある。梢は大学で心理学を専攻している一方、その父の手伝いをしている女の子である。今日もまた、柳田民代が訪ねてきた。父が留守なため、梢は民代の話を聞いた。民代は夫の浩司が性不能者であることをぶちまけ、その原因は、以前は住んでいた狭い家に妹と同居していたのに比べ、新しい広い家に移った今、二人では刺激が無さすぎるためと考え、浩司の従弟である自称ポルノ作家榊に代役を頼んだり、いろいろ手段を用いるが矢張り駄目であったことなどを語った。翌日、麻生は気落ちした民代を慰めながら話を聞いている内、新しい家が原因だとわかり、今の寝室を元通りにするように薦めた。その夜は、柳田夫婦にとって素晴らしい夜であった。民代の電話を受けている間、中沢ルミコが入ってきた。ルミコの夫和彦は非常に嫉妬深く、眠る前には夫婦を手錠でつなぎ、昼間は二時間おきに電話するという非常識極まる男である。和彦の上司である殿村は、梢から中沢夫婦の問題を知らされ、和彦を麻生の所へ連れてきた。和彦は麻生に短小の悩みを話すが、それは和彦の思い違いであることがわかる。かくして、中沢夫婦にも素晴らしい二度目の新婚一夜がやってくる。数日後、梢は民代を観察している時知り合った榊と合い、性相談をしにくるいろいろな患者のことを自分自身のことの様に話したが、未経険者の耳学問とからかわれ、腹を立てた。そして榊を心理試験にかけるが、意外にも彼が選んだ写真は清潔なものばかりだった。梢は、真の愛情にうえている榊の心を知った。翌日、榊は、麻生が梢の父親だとも知らずに診察室にやってきて、死んだ妹を愛し、理想化していたため他の女性を愛せなかったが、初めて妹に似た人を愛したと告白し、それについてアドバイスを受けて帰っていった。その話を父から聞いた梢は、榊の後を追い、彼の胸に飛び込んでいった。