やっちゃ場の女
劇場公開日:1962年6月17日
解説
田口耕のオリジナルシナリオを「江梨子」の木村恵吾が監督した下町女性をえがいた映画。撮影は「命みじかし恋せよ乙女」の宗川信夫。
1962年製作/91分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年6月17日
ストーリー
築地の青果市場、通称やっちゃ場の仲買い店、小田新の長女ゆき子は、男勝りのちゃきちゃき娘だ。ゆき子は、母くめが死んでからは、BGの妹早苗と弟一郎をかかえて、青森の果樹園の息子精一人と三人の若い衆を使って商売一切を仕切っている。父源造は先年家出して、時子という女と同棲していた。末の一郎だけは時々父と会っていたが、ゆき子と早苗は母を捨て、他の女と住んでいる父を許せなかった。叔母のたけは、ゆき子の将釆を思って縁談を持って来るが、密かに精一を思うゆき子はその縁談を断り続けていた。その精一を早苗も思っていた。或る日、ゆき子は強引なたけの頼みで、やむなく、村田という男と見合いをすることになった。その村田は活発な青年技師で、一目みてゆき子を好きになってしまった。花火の宵、組合いの寄合いで、飲めない酒を無理強いされすっかり酔払った精一が、ゆき子にもたれかかっているのを物干場で見かけた早苗の驚き……。恋に破れたと思い込んだ早苗は、ヤケになって、同じ会社の課長伊達と旅館に泊ってしまった。翌朝、とり返しのつかないことと気づいた早苗は思いつめて源造の家を訪れ、睡眠薬自殺を図った。驚いてかけつけたゆき子は、初めて早苗の心を知り、精一とは何もないと苦しい嘘をつき、精一を呼び出して早苗のことを頼むのだった。精一もゆき子の姉らしい思いやりを知り、ゆき子を失う淋しさを、わざと明るい笑顔でまぎらわすのだった。