南へ走れ、海の道を!

劇場公開日:

解説

弟を殺された兄が、その弟の恋人とともにやくざ組織に復讐戦を挑むアクション。監督は脚本も執筆している「バロー・ギャングBC」の和泉聖治、撮影は「真夜中のボクサー」の佐々木原保志がそれぞれ担当。主題歌は、尾崎紀世彦&三浦秀美(「愛だけあれば」)。

1986年製作/106分/日本
配給:松竹富士
劇場公開日:1986年8月30日

ストーリー

本土へ憧れる若者たちと逆行するように哲と礼子は沖縄に流れてきた。那覇。哲はボクシング・ミドル級新人王に輝き、二人はささやかな幸福に浸っていた。地元の若者、輝、敏、安たちは哲を兄のように慕っていた。そんなある日。輝たちが酔った勢いで、やくざの琉球連合会ともめごとを起こし、事務所に連れ込まれてしまった。知らせを聞いた哲は、事務所に駆けつけるが、逆になぶり殺しにされた--。米軍嘉手納基地。富島亮が南から帰って来た。彼は友人のマックスから弟・哲の死亡記事を見せられた。小さい時からついてない奴。だが墓だけは作ってやりたい--。マックスはそんな亮に、隠していたブローニングを渡した。亮は行動を開始した。まず、今はバーで働いている礼子に会った。礼子のせまいアパートの部屋に、哲の骨壷がひっそりと置いてあった。次に亮は、あの事件の生き残りで、今は琉球連合会のチンピラにおさまっている輝をたたきのめし、事件の真相を聞き出した。国道を走るリンカーンをナナハンの男が銃撃した。男は亮。リンカーンに乗っているのは琉球連合会の会長・桐生とその部下だ。しかし、桐生は防弾チョッキを着用しているため死を免れた。琉球連合が礼子をマークしだした。亮は礼子を沖縄から離れさせようとするが、彼女は拒んだ。礼子は亮を男として意識しはじめたのだ。そして亮も、また……。突然、琉球連合の組員たちが襲撃してきた。応戦する二人。礼子も血に染まりながら初めて人を殺した。一方、琉球連合は抗争中の広島・九竜会と手打ちのため権藤を呼び寄せ和解を計ると同時に、組と通じている刑事久米の情報などから、桐生を狙ったのは哲の兄・亮であることをつかんだ。亮と礼子がひそんでいたマックスの家が襲撃された。マックスが犠牲となって、からくも二人は脱出した。「死んでもいいと思っていた……でも、今は、生きていたいな……」礼子が亮の胸に。とまどいながら礼子の肩を抱く亮。亮は最後の決戦を決意した。彼女をフィリピン行きの船に乗せるため旧知のエリックにあずけ、琉球連合の事務所に殴り込んだ。組員たちをけちらし、亮のブローニングが火を吹く。桐生に銃口を受け、引き金にかけた指に力が入る。と、その時、桐生の傍に落ちていた桐生と二人の子供の写真が目についた。ためらう亮。子供の写真を見てしまった亮は桐生を撃つことができなかった。事務所から逃走した亮は礼子と待ち合わせの棧橋に駆けつけた。だが、追ってきた琉球連合の中垣のライフルが亮の胸を射ち抜いた--。琉球連合の事務所が警察に踏み込まれ、組員とともに桐生も逮捕された。連行されていく桐生の前に、血まみれになった礼子が立った。礼子は愛する二人の男の怨念を込めて、引き金を引いた。

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映画レビュー

4.0いつまでも記憶に残ったシーン

2023年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

昔観た記憶があって、主人公・岩城滉一が討ち入りをやって恋人のもとに帰ろうとするとき、撃たれてしまって、恋人に抱かれて死んでしまうシーン。それから、その恋人・安田成美が血まみれでヤクザのドンを撃つラストシーン。主人公が討ち入りで首をかすめるように撃たれて血を流して階段を上がっていく様は、「タクシードライバー」を連想する。
こんなシーンをずっと憶えていたのは、それだけインパクトがあったんだろうなと。その記憶の映画の題名が思い出せなかったんですが、SNSで80年代の観ておきたい映画リストの中に、それらしき題名の映画あってこれだ!って思って、その勢いで、アマプラで配信をみつけて観ました。
当時を思いだしながら、1時間45分ノンストップでみることができました。80年代の熱さがそのままに確かに暴力シーンは粗削りですが、当時の俳優たちの熱い演技もみごたえある映画です。
二人の兄弟が死んでしまうのは悲しいところで、暴力で立ち向かい、暴力で返していく連鎖は悲しみしか生まないと思いました。

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菜野 灯

3.5岩城滉一は超人

2019年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

軽い気持ちで観たら、途中からぐいぐいはまっていた。ストーリーはいかにも昭和的なありふれたものだったが、沖縄の夜に似つかわしくない安田成美がまぶしすぎる。室田日出男はここでも好演。岩城滉一は超人的でかっこいいが、なぜ彼を撃たなかったのかはわからなかった。ただこの映画暴力シーンが痛々しくて、思わず目を背けること多々。
あと数日で令和だけれど、昭和もいいなと心より思うのであった。

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まこべえ
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