水俣 患者さんとその世界

劇場公開日:

水俣 患者さんとその世界

解説

水俣病問題をテーマに多くの作品を残した土本典昭監督が水俣病を初めて取り上げ、水俣病を世界に知らしめることになった記録映画の記念碑的作品。1956年に発見されたものの、当時は奇病といわれ、伝染病か中毒かもわからなかった水俣病。化学工業メーカーのチッソが流してきた有機水銀が原因と公式発表されるまでに13年を要したが、公式発表後もチッソは責任を認めなかった。本作では、1969年、チッソを相手に裁判を起こした29世帯を中心に、潜在患者の発掘の過程を描き、肉親の記憶にのみ残された事実から水俣病患者の実態を明らかにする。1973年モントリオール世界環境映画祭グランプリ、1972年ベルン映画祭銀賞、1972年マンハイム・ハイデルベルク国際映画祭フィルムデュキャット賞など数多くの賞を受賞。167分に及ぶ「完全版」のほか、120分の短縮版もある。

1971年製作/167分/日本
劇場公開日:1971年3月12日

スタッフ・キャスト

監督
製作
高木隆太郎
撮影
大津幸四郎
録音
久保田幸雄
浅沼幸一
監督助手
堀傑
撮影助手
一ノ瀬正史
写真協力
塩田武史
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(C)塩田武史

映画レビュー

5.0非の打ち所なし。

2022年7月2日
Androidアプリから投稿

今の自分が観ると、他のドキュメンタリーでもよく出ていらっしゃる=有名な患者さん達とそのご家族の方達なので、逆に「その方達はこういう闘争を経ていらっしゃったのか」という、なんとも胸の痛い思いがした。 公開当時の影響力を考えるとすごかっただろうなあ、と溜め息が出る。 奇病と呼ばれ、病に罹った上に、患者が差別され続ける状況は想像を絶するし、裁判で一定の判決を得るまでが、余りにも長過ぎる。 石牟礼道子さんの書いたものにも出てくるが、ご家族が口にする「部落」という言葉にも、日本の公害問題の複雑さ、差別の構造化、多重化も垣間見える。 ドキュメンタリー映画の価値という観点で、この映画は間違いなく名作だと思う。

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胃袋

5.0すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表...

2021年12月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

すごい映像。厚みがあり、取材の時間を感じる。アップの子どもたちの表情がいい。実は皆生き生きしてる。母の不安については、福島の母子を思い出す。男の子の笑顔があまりに可愛かった。言葉が外国語のように聞こえる。 ラスト近くの騒乱シーンがすごい。 片端という言葉が飛び交う時代

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えみり

4.0MINAMATA鑑賞後に観ました

2021年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

MINAMATAがユージン・スミスを通した水俣病(とそれを取り巻く人々)を描いた作品である一方、こちらは水俣病発症後の症状や実際に患者=被害者となってしまった家族に対し、ピンポイントでスポットを当てている作品。 なお、水俣病自体については わかってるでしょ? という体で語られるので、事前知識は必要だった。 個人的に衝撃的だった内容を思いつく限り。 ①水俣病であるという認定を受けるために申請書を出すも、何度も却下にされる。何度も出してみてはと声かけする支援者に対し「これ以上手間をかけさせるのも申し訳ない」と言う家族。 ②株主総会でのリアルチッソ株式会社の面々の表情。MINAMATAでは國村隼演じる社長が多少同情と悔恨の表情を見せるも、リアルは完全に我関だった… ③ある日畑作をしてる時に突然脚が出なくなる、手の痺れを感じる→常時杖歩行が必要な状態に。 ④重度の小児麻痺より重い水俣病の重度患者の症状。 ⑤それでも我が子を愛しく思う母と父。 かなり方言が強く、頑張って聞こうとしてもわからない言葉がいくつか。字幕もないので、推測で内容を飲み込むしかない(多分敢えてだと思うが)。 100%ドキュメンタリー作品なので評価のつけようがありませんが「公害とはこんなに恐ろしいものなんだぞ」ということを知る非常に貴重な資料だと思います。

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BONNA

4.0胎児性水俣病

2021年9月14日
iPhoneアプリから投稿

胎児性水俣病を患った息子を持つ父親の”幸せかもしれん、なーんにも知らないのだから”と言うセリフに胸が締め付けられる。 胎児性水俣病の最重症患者、見えてるのか聞こえてるのかさえ測定不能、生みの母親にも近寄らず恐らく認識していないのだろう。何のために生まれ、生きているのか。 水俣病の起因となったチッソの排水垂れ流しは、まさに悪魔の所業。

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Oyster Boy

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