みな殺しの歌より 拳銃よさらば!
劇場公開日:1960年11月29日
解説
大藪春彦のハードボイルド小説の映画化で、「乾いた湖」の寺山修司が脚色し、「山のかなたに」の須川栄三が監督した。撮影は太田幸男が担当。
1960年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年11月29日
ストーリー
刑務所帰りの衣川恭介を、自家用車で兄耕三が迎えた。その夜、田辺という男に呼び出された耕三は、何者かに轢き殺された。兄嫁の真美子の誘惑を恭介は拒んだ。恋人のストリッパー由利子を訪ねた恭介は、彼女のヒモのチンピラ波岡に叩きのめされた。恭介は兄の親友坪田に、兄や田辺のことを聞いたが何もいわない。兄の残した財布の鍵でロッカーをあけた。そこにはドイツ製の拳銃ワルサーP38があった。坪田は一人の男と口論していた。田辺だ!坪田は遂に真相を語った。耕三、坪田、田辺ら七人は一年師銀行を襲い千五百万円を強奪した。その時使用したワルサーと金を田辺家の墓に隠した。そして恭介の出所の日、田辺は仲間の反対をふっきって墓をあけた。金もワルサーもなかった。田辺は耕三を疑った。坪田はワルサーについては語らない。恭介は兄の仇をワルサーでとろと誓った。田辺が死んだ。彼にはアリバイがあった。残った男--外車セールスマン大村、ナイトクラブ支配人舟橋、落ちぶれた流行歌手小田、時計商高橋。大村は羽田空港で死んだ。警察も同一のワルサーが臭いと捜査に乗りだした。坪田は舟橋に耕三には恭介という弟がいることを話した。舟橋は真美子と共謀して恭介を狙った。が、二人は逆に殺られた。連続殺人を小田の仕業と思った高橋は、公園に彼を呼び出した。対決する二人のうしろにもう一人の男が忍びよった。小田も高橋も死んだ。目的をはたして恭介は坪田のところに戻った。坪田はサンドバッグを切り開いた。耕三が隠した千五百万円が入っていた。ワルサーをはさんで二人はにらみあった。血を呼び死を誘う兇銃ワルサーは、残った二人をも倒した。