マルサの女

ALLTIME BEST

劇場公開日:1987年2月27日

解説・あらすじ

「お葬式」の伊丹十三が監督・脚本を手がけ、国税局査察部(通称・マルサ)に勤める女性の活躍をコミカルに描いたサスペンスドラマ。税務署の敏腕調査官・板倉亮子は、とあるラブホテルに目をつけるが経営者の権藤はなかなか尻尾を出さず、調査は難航する。そんな中、亮子は国税局査察部に抜てきされる。摘発のプロとして経験を積んだ亮子は、上司の花村と組んで再び権藤に対峙することになり……。おかっぱ頭がトレードマークの主人公・亮子を、伊丹監督の妻でもある宮本信子が好演。ラブホテル経営者・権藤を山崎努、亮子の上司・花村を津川雅彦が演じた。

1987年製作/127分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1987年2月27日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第11回 日本アカデミー賞(1988年)

受賞

作品賞  
監督賞 伊丹十三
脚本賞 伊丹十三
主演男優賞 山崎努
主演女優賞 宮本信子
助演男優賞 津川雅彦
音楽賞 本多俊之
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(C)伊丹プロダクション

映画レビュー

4.0 キャッチーな作品だが、人物の描き方には愛がある。

2025年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.5 こんな面白かったっけ?

2025年8月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

というかスタンダードだっけ?
しかしあまりに面白くて途中から涙が出てきた。その面白さの中に、当時の「日本」の持つ勢いみたいなものが確かにあって、出てくる顔の面白さと、伊丹十三もちょうど長編3本目で面白がって、というのか余裕もあって出来てるのか情報の詰め込み方も映画での遊び方も、そしてもちろん本多俊之の音楽も最高に決まってる。当時も思った通りこれだけ詰め込めてるのにラストの金の隠し場所の発見のところがもったいない。しかし当時はそこまで思ってなかった前田米造のスタンダードの絵と照明含めての遊び、とそれにピッタリハマる演者の揃え方が素晴らしい。あらゆるカットでの奥行きやカメラの動かし方や影や光の遊び。専門用語の応酬で興味なくなりそうなところを撮影のアイデアとキャラの面白さで上回っていくアイデア満載の演出っぶり。それが作り込み過ぎて当時は遊び過ぎな印象か強かったけど、今となってはレジェンダリーだなあ。。

逆に2が手抜きに見える。。
1年後なのであまり練られてなかったのか。舞台は宗教法人という当時も思った先見性。ところが前作ほど盛り上がらないがこれはわかる。伊丹映画の面白さは観客に伝えたい情報がメインでことさら誰かを描いているわけではない。だから宮本信子でなくてはいけなかった感もある。まあそれが面白いのだけど。前作は春夏秋冬に別けて、音楽を季節跨ぎでブチっと消し、すべてが感情なくグイグイ進む面白さ。だいたい半分くらいでマルサに入っていくという厚み。対権藤に税務署職員時代から始まってマルサで対決するというスパンもよかった。職場(組織)が変わって狙う相手もワンクラス上(J2からJ1へみたいな)になる面白さ。逆にその前半戦がないのでたっぷり時間を使うと割と凡庸なことになる。その凡庸さにあわせてか前田米造も普通になっているので時間がなかったのかな、と。以降の「〜の女」シリーズではエンタメとしてこの失敗をしないように別々新しい「〜の女」の情報の処理を行ってるような気がする。つまり登場人物たちをあまり深掘りするのが伊丹十三映画の美点でもないことは他でもない伊丹十三が一番よく知ってるということ。なのであまりどうしていいかわからない伊丹十三映画がみえる。そしていくつかヤバい要素が混在していて、三國連太郎も洞口依子の収まり方は相当変な娯楽映画の感じで面白い。

伊丹十三は同時期の和田誠と共にどちらも映画好きな、そしてセンスのとてもいい教養人で自分たちが観たかった映画、日本映画にない映画に持ち込み趣味の良さを日本映画に持ち込んだ。中でも伊丹十三は「昭和顔」の俳優をこれでもかというくらいにスタンダードサイズにギチギチに詰め込んだ。観た当時はどちらかというと情報と感覚だけで不器用な映画、というか長いCMを見ているようで「遊び」に見えてたのだけど、その遊びが本当に本当に素晴らしいな、と思った。

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ONI

4.0 昭和

2025年8月24日
スマートフォンから投稿

楽しい

平成生まれの私にとっては時代の違いを強く感じる作品でした。
服装やメイク、常時喫煙可能な環境、大声での恫喝など、今じゃ考えられないなあ‥と思いました。レトロなBGMもいいですね。

演技も時代ごとに特色があるなあと思いました。
男性の演技は渋くて、女性の演技は色っぽい感じ。男女の役割が明確に分かれていた、その時代背景を表しているのでしょうか。

人を疑う仕事ってキツイですね。
他人を疑って、捜査の名目で自宅に押しかけて、洗いざらい調べ上げたり、時に逆ギレされたり悪意を強く向けられたりする‥。
こちらが正しいと頭では理解していても、ガーンとくるものがありそうだと思いました。

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mui

3.5 角川春樹「面白いけど夢がない」

2025年5月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

知的

1987年公開作品
過去数回鑑賞
久々に鑑賞

監督と脚本は『お葬式』『タンポポ』『あげまん』『ミンボーの女』『スーパーの女』の伊丹十三

ラブホテルの経営者の権藤VSマルサの女の板倉亮子

前作『タンポポ』とうってかわってのキャスティング

寝癖おかっぱ頭にそばかすだらけの顔という役作り宮本信子

伊丹十三監督の代名詞的作品

テーマソングが良い

面白いけど夢がない
逆に嘘みたいだがリアリティがある
良い意味でも悪い意味でも人間臭い

絵沢萠子の脱ぎっぷりはもはや漢
清々しい

『タンポポ』や『ミンボーの女』に比べると話としてはあまり好きではない
幼い頃から威張っている公務員が大嫌いだからだろう
ドラえもんに『税金鳥』という秘密道具が登場する回がありジャイアンにバットで破壊されるオチだがそれはとても痛快な気分になった

最後の血文字は必要ないと思う

配役
港町税務署署員から栄転で東京国税局査察部(マルサ)査察官になった5歳の息子がいるシングルマザーの板倉亮子に宮本信子
裏社会や政界と付き合いのあるラブホテルの経営者で巨額の脱税をしている権藤英樹に山﨑努
亮子のマルサにおける直属の上司の国税局査察部統括官の花村に津川雅彦
亮子のマルサにおける同僚で風貌から「マルサのジャック・ニコルソン」の異名を持つ伊集院に大地康雄
亮子のマルサにおける同僚で張り込み中に不審者として警察に逮捕されてしまう金子に桜金造
マルサにおける亮子の同僚の姫田に麻生肇
権藤の愛人だったが嫉妬から殺そうとしたため捨てられた事を根に持ちマルサに権藤の脱税を密告する剣持和江に志水季里子
権藤の新しい愛人の鳥飼久美に松居一代
権藤が経営するラブホテルの社長の石井重吉に室田日出男
資金洗浄屋の宝くじの男にギリヤーク尼ヶ崎
亮子に逆上する妻を宥める食料品店の店主に柳谷寛
亮子に逆上する店主の妻に杉山とく子
権藤のラブホテルにリネン類を卸しているリネンサービス社長に佐藤B作
亮子が査察官として初めて臨んだ調査対象者の愛人に絵沢萠子
権藤の一人息子の権藤太郎に山下大介
権藤の取引先の大谷銀行の営業課長の染谷に橋爪功
亮子に脱税を指摘され逆上するパチンコ店の社長に伊東四朗
パチンコ店の顧問税理士に小沢栄太郎
港町税務署での亮子の上司の露口に大滝秀治
港町税務署員で亮子の後輩の秋山にマッハ文朱
港町税務署員で亮子の後輩の山田に加藤善博
港町税務署の署長に嵯峨善兵
権藤とは親しい間柄の暴力団関東蜷川組の組長の蜷川喜八郎に芦田伸介
マルサにおける亮子の上司の査察部管理課長に小林桂樹
権藤の内縁の妻の杉野光子に岡田茉莉子
査察部統括官に江角英明
査察部統括官に小林勝彦
花のような少女に山下容莉枝
中年男に小坂一也
ラブホテルの経理係に横山道代
すばる銀行支店長に田中明夫
すばる銀行次長に成田次穂
すばる銀行取引課長に高橋長英
権藤に協力する袴田担当の看護婦に渡辺まちこ
末期癌で入院し権藤によって勝手にダミー会社を作られてしまう袴田利兵衛に竹内正太郎
蜷川の腹心に上田耕一
蜷川の腹心にジャンボ杉田
不動産屋に汐路章
パチンコ屋の店員に掛田誠
刑事に友金敏雄
刑事に小池雄介
菊池に辻村真人
菊池の用心棒に中村光次郎
菊池の用心棒にきくち英一
マンションの若夫婦の夫ににベンガル
マンションの若夫婦の妻に畠山明子
代議士の秘書に本間進
パチンコ屋の店員に掛田誠
パチンコ屋の店員に塩谷幸之
洋服屋に池田茂夫
メモを食べる女に武田万樹
税務署員に山田博行
税務署員に木村雅俊
総務課長に奥野匡
悲鳴を上げる男女に沖佐々木範幸
悲鳴を上げる男女に高木真実
子供に横田真洋
もう一組の男女に宗近晴見
もう一組の男女に秋元ともみ
ラブホテルの社長に高岡良平
ラブホテルの社長に原てい光
ラブホテルの社長に布施木昌之
ラブホテルの社長に天現寺竜
大谷銀行の自転車の男に松本庄平
すばる銀行の自転車の男に舟田走
権藤邸の女中に篠井世津子
ラブホテルの経理の女 横山道代
美容院の女主人に丘ナオミ
老母に木下ゆず子
蜷川の子分に山本篤史
蜷川の子分に大島宇三郎
蜷川の子分に志賀実
蜷川の子分に南雲佑介
蜷川の子分 御子柴秀昭
権藤の運転手に清久光彦

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野川新栄

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