まむしの兄弟
劇場公開日:1997年11月22日
解説
一本気な暴れん坊ヤクザの活躍を、コメディや青春ドラマの味付けを絡めて描いた娯楽活劇。70年代に菅原文太と川地民夫のコンビでヒットした同名シリーズ作品を、柳葉敏郎・中村繁之のコンビで現代風にアレンジしてリメイクした。監督は「あぶない刑事リターンズ」の村川透。原案と脚本は旧シリーズでメインライターをつとめた「流れ板七人」の高田宏治。撮影は「NOBODY」の緒方博が担当した。共演に「パラサイト・イヴ」の葉月里緒菜。
1997年製作/110分/日本
配給:東映
劇場公開日:1997年11月22日
ストーリー
まむしの異名を持つ服役中の暴れん坊ヤクザ・ゴロ政は、出所間際に初老の無期懲役囚から頼まれ、彼の娘への結婚祝い金を預かって大阪へと戻ってくる。弟分の勝次とその女房に迎えられ、政はさっそく女遊びで懲役の垢を落とすが、そのお相手のナツメは未成年の援助交際世代だった。そんな世相を嘆く政は、シャブの売人でナツメの恋人のケンと話をつけようとするが、売人一味に勝ともどもスマキにされる。その後、政は関東進出を企む万城組の女組長より客分になってほしいと申し出を受けるが、ふと懲役囚の頼まれごとを思い出し、慌てて勝とともに横浜へ向かった。ところが、結婚式に間に合った政は花嫁の美夏に一目惚れする。その美夏は、港湾の権利を握る老舗のヤクザ・仙崎組の女組長で、しかもケンの姉でもあった。仙崎組は港を密輸に利用しようとする台湾マフィアヘブンに狙われて壊滅寸前で、美夏もまたヘブンのボス・コブラに狙われ、今結婚したばかりの新郎も謀殺されるという状態である。政は美夏の力になろうと勝を大阪に追い返して仙崎組の組員となり、その家族の生い立ちを聞いた。美夏は仙崎の拾われ子で、あの懲役囚と仙崎は固い契りを結んだ兄弟分、さらに懲役囚と万城組女組長とは長年の恋人同志であるという。ケンと美夏に血のつながりはないが、そのケンがコブラに利用され政への鉄砲玉となるに至って、弟思いの美夏は自身が犠牲になる決心をした。これを止めようとした政はコブラに撃たれ、改心したケンもまた凶弾に倒れる。辛うじて命を取りとめた政は、やがて美夏と結婚することになった。しかし、政は大阪に帰らなかった勝とともにヘブンへ殴り込みに向かう。激しい銃撃戦を経て、歓楽街に逃げ込んだコブラに政と美夏がとどめをさした。そして政と勝は人混みの中へと消えていく。