本日またまた休診なり
劇場公開日:2000年9月30日
解説
戦後の京都を舞台に、医者である父や家族、そして周囲の人々との交流を通じ、ひとりの少年が成長していく姿を描いた人情喜劇。監督は「週刊バビロン」の山城新伍。山城監督による自伝『現代河原乞食考』を基に、「必殺!三味線屋敷」の野上龍雄が脚色。撮影を「美女奉行 牢秘抄」の安田雅彦が担当している。主演は「週刊バビロン」の山城新伍。芸術文化振興基金助成作品。
2000年製作/105分/日本
配給:東京映像工房
劇場公開日:2000年9月30日
ストーリー
戦後間もない京都上京・千本西入ル。そこで、少年・太市の父・寿一郎は開業医をしていた。お呼びがかかればどこへでも自転車で往診に出かけ、貧しい人からは治療代を取らない、そんな名物医師の寿一郎。だがその一方で、少しでも時間が出来ると好きな芝居や浄瑠璃の稽古に出かけてしまい、医院の表には”本日休診“の札が掛かっていることもしばしばだった。それでも医院の待合室はまるで社交場のように色々な人が集り、産婦人科医でもある妻・静江は夫や家族を支えた。時は経ち、太市は中学生になった。ある日、彼は寿一郎に進路について聞かれる。人間が好きだから医者になったと言う父は、太市に医者を継いで貰いたいようだったが、太市はそれを断ってしまう。少し淋しそうな寿一郎。しかし、彼は悲観することなく、自分の意見をはっきり言える息子の成長を喜ばしく思うのだった。その年の冬、寿一郎が倒れた。その後、彼は入退院を繰り返し、多くの人に看取られ他界する。最期まで明るく威厳のあった父。太市は、そんな父の生き方をいつまでも忘れない。