僕らはみんな生きている

劇場公開日:1993年3月13日

解説

アジアの架空国タルキスタンのクーデターに巻き込まれた日本人商社員の姿を描くサバイバル・コメディ。「病院へ行こう」シリーズのヒット・コンビ、監督・滝田洋二郎、脚本・一色伸幸によるもので、撮影も同じく「病は気から 病院へ行こう2」の浜田毅。政情不安のタイで七五日間に渡る本格的長期ロケを敢行して完成した。キネマ旬報ベストテン第五位。

1993年製作/日本
配給:松竹
劇場公開日:1993年3月13日

あらすじ

三星建設海外土木設計第三課の若手社員・高橋啓一は恋人・美由紀にしばしの別れを告げ、南西アジアにある国タルキスタンに出張することになった。空港で出迎えたのは現地の支店長・中井戸と運転手のセーナ、そして貧しい子供たちの群れと戦車のパレード。高橋が呼ばれたのは三年前に政権を掌握したムイニット軍事政権によるODA事業のプレゼンテーションをするためだったが、軍の開発担当相であるカッツ大佐にはライバル会社IBCの富田がしっかり食い込んでおり、入札は案の定IBCに。だがその結果の内示があったカッツの誕生パーティーの日、突如クーデターが起こる。ゲリラの中にはセーナの姿もあった。高橋と中井戸、富田とその部下の升本の日本人商社員四人は市街戦の真っ最中の街を避け、空港にたどり着くためにジャングルを歩くはめになるが、途中の村で革命軍に遭遇、中井戸が捕まえられる。彼はスパイとして政府軍にゲリラの情報を無線で知らせていたのだった。高橋ら他の三人は何とか逃げ出すが、やはり中井戸を助けようと考え、政府軍のデジタル無線を傍受する機械を作り中井戸の命と引き換えに売ろうと戻っていく。革命の混乱の中でも彼らはジャパニーズ・ビジネスマンだった。そんな姿を自嘲気味に最低だと言い合いながら、無事助かった中井戸ともども、四人は空港に向かってオート三輪を走らせるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第17回 日本アカデミー賞(1994年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 滝田洋二郎
脚本賞 一色伸幸
主演男優賞 真田広之
助演男優賞 岸部一徳
助演男優賞 山崎努
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映画レビュー

4.0 【”私達は日本のサラリーマンだ!”今作は、アジアの”発展落下国”に赴任、出張したサラリーマン達がクーデター勃発により大変な目に遭う中、結束していく様を描いたシニカル哀切ムネアツコメディである。】

2025年10月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー 海外に長期赴任する人には、我社は夫婦、家族同伴を勧めている。理由は今作で描かれる通りである。-

■三星建設会社の若手社員・高橋(真田広之)は、恋人(ナント!早見優)を日本に残して東南アジアの”発展落下国”タルキスタン(ホントハ、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、他忘れたけれどタン系の国の総称)へたった一人で出張することになる。
 橋の建設プロジェクトのプレゼンをし、現地支社に単身赴任している中井(山崎努)が賄賂をバラまきつつ、高橋はライバル会社IBCの富田(岸部一徳)部下のマスモト(嶋田久作)らと競いあっていたが、アッサリと負ける。
 意気消沈していた中井には赴任延期の通知が来て更にガックリしている中、突如反政府軍のクーデターが勃発する。高橋、中井、富田、マスモトら日本人はジャングルの中を逃げることになるが、途中で腹を下した中井が反政府軍に捕まってしまう。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・入社したころ、何故か中国やインドの労務問題解決のために頻繁に長期出張していたので、中井や富田の気持ちが良く分かりつつ、序盤はクスクスしながら観賞。
 それにしても、今作公開時の頃の日本ってバブル期末期だよなあ。それで会社は渋ちんなのかなあ。単身赴任者の赴任期間延期は今では御法度だぞ!

・樹激戦の中”私達は日本のサラリーマンだ!”と叫びながらジャングルに逃げ込んでから、ライバルであった高橋、中井VS富田、マスモトの構造が徐々に助け合いになりつつも、一人で草加煎餅を食べる富田の姿や、大蛇が出た時に高橋だけおいて、3人が逃げる姿はサバイバルあるあるである。クスクス。人間の本性だよね。

・中井やエビの仕事をしていた井関(ベンガル)の姿は、チョイ悲哀を感じるなあ。家庭が崩壊する可能性が高いんだよなあ、長期単身赴任は・・。

■クーデターは沈静化するが、中井は解放されない。
 当てにならない、日本大使館の対応に業を煮やした高橋。
 すると、高橋の呼びかけで富田、マスモトも、彼の救出にジープで向かうのである。
 そして、反乱軍の残党がいる村に”手のひらを太陽に”を歌いながら乗り込み、更にはナント、反乱軍に政府軍の無線を傍受するデジタル無線を売りつける姿には、笑いつつもチョイ沁みる。この頃って”24H働けますか!”っていうCMが受けてた頃かなあ。
 いやあ、ジャパニーズサラリーマンは凄いなあ。
 そして、高橋は反乱軍指揮官との”死のコイントス”も制し、中井を助け出すのである。

<今作は、、アジアの”発展落下国”に赴任、出張したサラリーマン達がクーデター勃発により大変な目に遭う中、結束していく様を描いたシニカル哀切ムネアツコメディである。>

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NOBU

3.0 神戸震災とオウムが二年後か。

2024年7月4日
iPhoneアプリから投稿

当時以来の念願の再見。
流石U-NEXT。
歴史資料的価値。
93年不況が一時的と思えた頃。
まさか今に続くとは。
地上のモノづくりと金満を
一手に我が国が担う恍惚不安多忙が
永遠に続くと思えた頃。
神戸震災とオウムが2年後か。
真田が02年の清兵衛でツマラナクなる10年前か。

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きねまっきい

4.0 海外でクーデーターに巻き込まれた企業戦士たち、日本への生還を目指すドタバタ喜劇。

2024年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

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ゆっくりランナー1号(名前を11/28変更しました)

3.5 日本人はみんなビジネスマン、ではない

2023年1月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

主人公(真田広之)は東南アジアの某国へ海外出張するが、滞在中にゲリラによるクーデター騒動に巻き込まれる。
日本人仲間4人で空港まで逃げようとするのだが・・・。
ある意味、当時の日本人の思い上がりを皮肉っている。

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いやよセブン