新兵隊やくざ 火線

劇場公開日:

解説

「兵隊やくざ」シリーズ第九作目。今回は初めてのカラー作品。有馬頼義原作の、“貴三郎一代”の映画化。脚本は、東条正年。監督は脚本も執筆している「遊び」の増村保造。撮影も同作の小林節雄がそれぞれ担当。

1972年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1972年4月22日

ストーリー

どこの部隊でも、もてあまされた大宮一等兵と有田上等兵。北支の最前線の北井小隊に、転属命令という名目で、ていよくほうり出された。戦争嫌いの北井小隊長と抜群の戦争屋神永軍曹の指揮下に入った大宮と有田は、八路軍のスパイとして連れて来られた黄少年の事で早速、ひと悶着。少年は北井小隊に協力している村長の黄の息子であるが、スパイと決めつける神永軍曹は、大宮に殺せと命じたのだ。大宮は、子供を殺したくないと、その馬鹿力で神永軍曹をやっつけてしまった。それがきっかけで、少年の姉である美人の芳蘭と知りあえる。神永軍曹も、芳蘭に目をつけており、大宮と神永の対立は激しくなっていった。その頃、北井小隊周辺の情勢は急速に緊迫していた。八路軍の動きが激しくなり本部から連絡のトラックは全て爆破されてしまっていた。日本軍の情報が全てキャッチされていることは疑う余地もなかった。だが、スパイが何処にひそんでいるのかまるで見当がつかないまま、北井小隊は孤立状態を続けるしかなかった。隊の全滅は目の前に迫っている。神永軍曹は、芳蘭にスパイ容疑をかけた。北井小隊長は、大宮に、芳蘭を口説きおとせと、スパイ捜査を命じた。強引に芳蘭を抱きしめ接吻し、スパイなのかと率直に聞く大宮に、芳蘭は、自ら八路軍のスパイであることを自白し、今夜、八路軍の夜襲があると教えるのだった。北井小隊は、芳蘭のおかげで、八路軍を撃退したが、芳蘭を逃がした大宮は、神永軍曹に叩きのめされ重営倉入り。芳蘭の弟に救い出され、芳蘭に八路軍に入らないか、と言われて、大弱りする。その頃、二回目の八路軍の襲撃で、北井小隊長は死に、小隊は壊滅状態になっていた。芳蘭の機知で、中国服に着がえた大宮は、有田を探し出すべく火線(最前線)を突破し、日本軍部隊の中へ舞い戻ったが、変装がバレて脱走兵として一室に監禁されてしまった。そしてその部屋には探していた有田もいた。生き残っていた神永軍曹は、ぬけぬけとその部隊の一員として、大宮・有田を裁く側に立っていた。大宮・有田の危機に、芳蘭は神永軍曹の前に身を投げだして二人の命を救った。悪らつな戦争屋神永軍曹への激しい怒りが大宮の身体を走った!大宮の手に黒く光った軽機銃が固くにぎりしめられた……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0大宮キサブロウはヤクザと処しているが、この映画の中で、極悪非道な帝国陸軍でも、その日本人を殺すことはない。

2022年9月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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マサシ

3.5僅か一本の《下の毛》の為に

2015年4月7日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

勝新太郎の大宮‘一等兵’に対抗するには強力な悪役が必要、とばかりに今回は宍戸“エースの”錠が《理不尽大王》として登場。パンツならぬ、褌丸出しで“軍隊に巣くう馬鹿げた上官”を好演する。

この兵隊やくざVS理不尽大王による肉弾相打つ壮絶な殴り合いが最大の見せ場で、口から湧く血飛沫には、今にも内臓の臓器が口から吹き出さんばかりである。
僅か一本の《下の毛》の為に命を投げ出さんとする大宮‘一等兵’の奮闘振りには、安田道代(現大楠道代)も思わず背面ヌードで応える。

今回二人によるナレーションは若干控え目なれど、娯楽映画でありながらも、ラストシーンに流れる歌が総てを物語る強烈な反戦映画でもある。

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松井の天井直撃ホームラン