冬物語(1989)
解説
予備校生たちが進路や恋愛に悩みながら成長していく姿を描く。原秀則の同名漫画の映画化で、脚本は「ぼくらの七日間戦争」の前田順之介が執筆。監督は新人の倉内均、撮影は「童謡物語」の林淳一郎がそれぞれ担当。
1989年製作/日本
ストーリー
森川光は予備校・山の手ゼミナールの入学手続きの際東大クラスの雨宮しおりに一目惚れし、本来私立文系レベルながら同じクラスを志望してしまう。しおりは東大クラスでも常にトップ。せっかく親しくなれたが光は授業についていけず、私立文系クラスへ移った。そこで光は女の子らしいしおりとは対照的にボーイッシュな倉橋奈緒子と知り合う。授業の後は居酒屋へくり出し、光は自分と同じ実力の仲間たちとうちとけていくのだった。しかし、光のしおりに対する憧れは変わらなかった。そんな光と奈緒子は複雑な思いで付き合っていた。また奈緒子は私立文系志望だが、父親が医者のため後を継がねばならず悩んでいた。一方、しおりが東大を目指すのも東大生の恋人のためだった。それを知った光はがっかりするが、しおりもまた失恋してしまうのだった。恋人と東大という目標を失ったしおりは故郷の北海道へ帰ったきり戻ってこなくなった。しおりへの気持ちを抑えきれない光は北海道へ迎えに行くが、そこへは奈緒子が先回りしていた。雪の深い冬の北海道で再会した3人はお互いの友情を確かめ合い、東京へと戻っていった。そして春、光、奈緒子、しおりはそれぞれの希望を抱きながら別の大学へ入学したのだった。