豚の報い
劇場公開日:1999年7月10日
解説
豚のもたらす厄を落とす為に、神の島を訪れた4人の男女が巻き起こす騒動を描いたファンタジー。監督は「犬、走るDOGRACE」の崔洋一。又吉栄喜による同名小説を、「愛を乞うひと」の鄭義信と崔監督自身が共同脚色。撮影を「残侠」の佐々木原保志が担当している。主演は、小澤征爾の長男で本作でスクリーン・デビューを飾った小澤征悦、「BeRLiN」のあめくみちこ、「パイパティローマ」の上田真弓、映画初出演の早坂好恵。
1999年製作/118分/日本
配給:ビターズ・エンド=サンセントシネマワークス
劇場公開日:1999年7月10日
ストーリー
沖縄浦添市。豚小屋で生まれた過去を持つ正吉は、19歳の大学生。彼がいつものようにスナック・月の浜・で泡盛を飲んでいると、突然、トラックから逃げ出した豚が店に飛び込んできた。店のネーネー(お姉さん)であるミヨ、暢子、和歌子の3人は大騒ぎ。中でも和歌子は豚に襲われ、マブイを落として(気を失って)しまうのであった。それから数日後、豚がもたらす厄を落とす為、彼らは正吉の生まれ故郷である神の島・真謝島へ厄払いに出かけた。真謝島へ到着した一行は、正吉の知り合いの民宿に投宿。その夜は、みんなで飲んで乱痴気騒ぎを展開するが、民宿のおばさん・カメがベランダから落ちて入院してしまう。さて翌日、土砂降りの雨に見舞われて厄払いは中止になった。暇を持て余したネーネーたちは、民宿の主人が提供してくれた豚を調理する。ところが、その肝(チム)にあたって寝込んでしまうのだった。またしても豚の厄に見舞われたネーネーたち。お陰で正吉は大忙し。中でも一番症状の酷いミヨを背負って診療所へ運んだり、彼女の下の世話をさせられたりと酷い目にあう。しかし、暫くするとみんなの病気は完治した。島を出る日、正吉はネーネーたちに一緒に父のウタキ(御嶽)に詣でてくれるように頼んだ。実は、正吉には別の目的があったのだ。それは、海で死んだ正吉の父の骨を拾うこと。海で死んだ人間は、島のしきたりで12年間埋葬することが出来ない。そして12年目の今年、正吉は父の遺骨を風葬地に見つけ、そこにウタキを作ったのだ。死んで神様になった父なら、豚の厄を落としてくれるに違いない。ネーネーたちを説得した正吉は、彼女らと父のウタキへ向かう。