不信のとき
劇場公開日:1968年6月29日
解説
有吉佐和子の小説「不信のとき」を「育ちざかり」の井手俊郎が脚色し、「砂糖菓子が壊れるとき」の今井正が監督した。撮影は「大悪党」の小林節雄。
1968年製作/119分/日本
原題または英題:The Time of Reckoning
配給:大映
劇場公開日:1968年6月29日
ストーリー
ある商事会社の宣伝部員浅井は、子供がないこと以外なんの不満もない生活を送っていた。だが結婚生活も十年、何か新しい刺激を求めていた。そんなある日浅井は、取引先の印刷会社の小柳社長に誘われて、バー“ジョルダン”に行った。そこのホステス、マチ子の、洗練された着物趣味は、デザイナー浅井の心をつかむのに十分だった。店がはね、マチ子をアパートに送った浅井は、激情のおもむくまま、彼女を抱いた。一方、小柳老人もヌードスタジオの少女マユミに惹かれ、老いらくのアバンチュールを楽しんでいた。そんなある晩、浅井は小柳の招待で、妻道子を伴ない、料亭からクラブへと足をのばした。道子は書家としてその名を知られていたが、浅井から見れば、所詮古典的なイメージの強い女性だった。だが、あでやかに振舞う道子は、浅井に新鮮な印象を吹き込んだ。やがて、浅井は宣伝部長に昇格し、日頃「あなたの子供を産みたい」と言っていたマチ子は、清水市の病院で女児を出産した。浅井は子供が生まれた文化の日にちなんで文子と命名した。ところが、浅井が清水から帰ると、今度は道子が妊娠したと言いだした。妻には子供ができないと信じていた浅井にはショックだった。同じ頃、小柳はマユミが自分の子供を出産してくれたと有頂天になっていた。初夏になり、文子を連れだってマチ子が上京した。だが、二人の関係は以前のようにしっくり行かなかった。やがて、道子も予定通り出産した。マチ子はそれを知ると子供を預け、再び働きに出るようになった。それから一年半が過ぎた。道子の書が日展に入選したという喜びの直後、浅井は急性盲腸炎で倒れ手術をした。そんなある日、文子を連れて見舞に訪れたマチ子は、道子と鉢合わせしてしまった。道子はその場で、マチ子の産んだ子が浅井のものではないと言い張り、マチ子は手切金三百万円を要求した。退院の日、浅井は道子から意外な言葉を聞いた。自分の子と思っていた義道が、実は人工受精によって授かったというのだ。動揺した浅井はマチ子を訪れ詰問した、取り乱したマチ子は浅井の上司に、二人の関係を暴露した。途方に暮れた浅井は、小柳に相談したが、彼はマユミに逃げられた直後とあって、役に立たなかった。結局浅井は上司中西常務の仲介で二百万円でマチ子との関係を絶った。それから間もなく、浅井はデパートで、関係浅からぬ人妻千鶴子に会った。そこで彼女から、今連れている子供が浅井のだと言われては、浅井は自嘲的な笑いを禁じ得なかった。
スタッフ・キャスト
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浅井義雄田宮二郎
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浅井道子岡田茉莉子
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浅井義道柳渉
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米倉マチ子若尾文子
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米倉文子中野ひろみ
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マユミ加賀まりこ
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小柳幾造三島雅夫
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小柳江美松村ゆりか
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中西永井智雄
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会長秋月竜
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社員花布洋
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社員岡郁二
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社員井上大吾
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社員木島進介
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社員宗近一
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社員松山新一
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社員南堂正樹
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社員篠田三郎
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女子社員福原真理子
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加代原泉
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石垣看護婦目黒幸子
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山川附添婦菅井きん
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川野附添婦竹里光子
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米倉常夫佐山真次
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ハルミ笠原玲子
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ヌードスタジオの女山下三千代
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ヌードスタジオの女横江弘子
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ヌードスタジオの女千葉宏美
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ヌードスタジオの女円地由利
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ジョルダンのマダム長谷川待子
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ジョルダンのホステス浜世津子
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ジョルダンのホステス水木正子
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ジョルダンのホステス一条淳子
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高級クラブのホステス白井玲子
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高級クラブのホステス赤沢未知子
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高級クラブのホステス藤野千佳子
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マントールのホステス田中三津子
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マントールのホステス甲千鶴
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マントールのホステス八代順子
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客A大山健二
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客B伊東光一
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看護婦三島愛子
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看護婦中川八重子
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運転手三夏伸
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そば屋山本一彦
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ことぶきの主人谷謙一
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ことぶきの女中八重垣路子
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主婦日高加月枝
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望月千鶴子岸田今日子
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男の子柳誠