ファザーファッカー

劇場公開日:

解説

内田春菊の少女時代をモデルにした小説を原作に、幾多の衝撃的な事柄を乗り越え成長して行く多感な少女を瑞々しい感覚で描いたハード・メルヘン。監督はプロデューサーとして鈴木清順作品や阪本順治作品を手掛け、今回初めて監督に挑戦した荒戸源次郎。一般公募4097人の中からヒロインに選ばれた中村麻美が女優デビューを飾った。

1995年製作/90分/R/日本
配給:フィルムメーカーズ=東京テアトル
劇場公開日:1995年6月17日

あらすじ

1968年夏、長崎。中学三年生の田中静子は、漫画家を目指している聡明で夢見がちな14歳の少女である。静子の家庭は、キャバレー勤めの母・明美、小学生の妹・知恵の三人で貧しく暮らしている。静子が唯一慕っていた父・静男は、三年前に家族を捨てて家を出た。とある暑い午後、母の愛人である斎藤良次が新しい冷蔵庫とともに突然田中家にやって来た。「これからあんたたちのお父さんになる人よ」と母は喜ぶが、自分を“お父さま”と呼ばせ、礼儀作法に狂的にうるさく、好きな漫画を描くことを禁じる強権的な良次の存在は、静子にはうとましいだけであった。しかもこの新しい義父は、週に二、三度しか家に来ない。つまりこのウチは“2号”の家なのであった。そして、来る度に女性らしさを帯びてきた静子のカラダをなめまわすように見つめる義父の視線が、静子には耐え難かった。静子には同級生のボーイフレンド・益田浩樹がいる。ある日、静子は浩樹との交渉によって自分が妊娠していることに気がついた。母はただ戸惑うだけで、激怒した義父・良次は、その妊娠にかこつけて静子に“お仕置き”と銘打った肉体関係を強要する。母は見て見ぬ振りをするだけで助けようともしなかった。静子は堕胎手術し、浩樹は転校して行ったが、執拗に関係を迫る義父の強要はいまだ続いていた。静子は、時折“昆虫のように変身を重ねる少年”との美しいイマージュを夢想する。ウサギの穴にはまったアリスのように過酷な現実と危うい夢のラビリンスとの狭間を彷徨う静子は、全てから解き放たれ新たな道を自ら開拓し進んで行くために、家を出ることを決心。未来への扉をそっと開けるのだった。

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映画レビュー

2.0児童への性虐待は、その子の人生を壊す

2025年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

内田春菊の漫画が好きだったから楽しみに観たのだけれど
映画としてはガッカリでした。
内田春菊の漫画が好きだったというのは過去形というわけでは
ないのですが、ずいぶん、長いこと見ていないので絵が好きだった
ことと、ちょっぴりエッチな内容が好きだったということくらいしか
覚えていないのです。
今も家庭内性被害に遭う児童は、いなくなっていないだろうし、
AV業界で働く女性たちの中にも被害者が多くいると聞いています。
児童に対する性虐待が、どんなに被害者を傷つけ、その後の人生に
大きな悪影響を与えてしまうかについての認識が高まっている
現代に、この映画が撮られていたら、もっと違ったものになった
可能性はあったと思います。
当時であれば、そんな意識は低いだろうし、何を描かねばならないかの
自覚もないままに原作をネタに1本の映画を作ってしまったと
いうことなのでしょう。
正確な撮影時期がわからないのですが、主演の中村麻美は、16歳
くらいですよね。それで、この映画に出演して背面全裸と湯の中とはいえ
乳房も映し出されています。
16歳だけあって、この映画の中で中村麻美は随所で愛くるしいんですよ。
その後、映画やTVに多く出演しているけれど、少なくとも私には
印象が薄い女優さんでした。32歳頃にセラピストに転身し、
2022年には参議院選挙に立候補して落選。2023年には参政党離脱を
Xにポストして離党を表明したとのことですが、彼女の人生に、この映画
出演の影響があったのか、なかったのか私には知るよしもありません。
しかし、なんだか映画の内容よりも気になります。
それにしても、桃井かおりの演技は凄い!秋山道男の演技も凄いっちゃ
凄いんですが、凄すぎて映画を壊した一因になったかもしれないですね。

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