ひばり捕物帖 ふり袖小判
劇場公開日:1959年11月15日
解説
ひばり・千代之介のふり袖コンビによる捕物帖。瀬戸口富雄の原作を、「緋鯉大名」の中田竜雄と「べらんめえ探偵娘」の笠原和夫が共同で脚色、「榛名ばやし 喧嘩鷹」の内出好吉が監督した。撮影は「緋鯉大名」の山岸長樹が担当した。
1959年製作/86分/日本
劇場公開日:1959年11月15日
ストーリー
阿部川町のお七は、吉例舞踊まつりの舞台で「鷺娘」を踊り、拍手を浴びて楽屋に戻った。お七の兄である阿部伊予守のもとを酒でしくじり、今は料亭の用心棒を勤める佐々木兵馬が、酔って楽屋を訪れた。そんな兵馬を案じたお七は、兄伊予守に兵馬の帰参を願ったがかえって意見された。翌日、藤田屋に兵馬を尋ねたが、三鈴という娘が兵馬の世話になっていることを知り飛び出した。その夜、五郎八と共に見廻りに出たお七は、女スリお花の殺しの現場に出会った。死体の近くから、太田藩の刻印を彫った一枚の小判を見つけた。同じ夜、兵馬も藤田屋をうかがう覆面の侍を見つけた。三鈴の口から、太田藩江戸屋敷詰佐久間健之進だと知った。三鈴は太田藩の御用金宰領役奥田十兵衛の娘で、責を負って牢に繋がれた父の罪を晴らすべく、父が手にした唯一の手がかりである一個の印篭を持って一味を探っていたのだ。十兵衛の切腹は四日後の朝に決まった。--お七と五郎八は、お花の恋人稲妻の三次に出会い、お花の相棒のお島の家に案内された。が、そこには猿若座の座付役者・中村新之丞の手拭が置かれているだけだった。神田祭、祭礼の留守に乗じて黒覆面の一団が三鈴をさらった。後を追ったお七は、荒れ寺を見つけた。落し穴に落ち、そこに「ながさき」の血文字と櫓巴の絵を書き残して死んでいる三次を見つけた。お七を救ったのは健之進だった。--今日までに奪われた御用金は五万両、それが国内で使えないとすると「ながさき」は何を意味するか? 新之丞の襲名披露の費用にと、お島の届けた小判には太田藩の刻印があった。お島は、実は新之丞と幼い頃別れた実の姉だった。問題の小判は、回船問屋天草屋の土蔵から、お花を殺した時に持ち出したものだったのだ。天草屋の紋どころは櫓巴。お七と兵馬は天草屋の持船海竜丸へ乗りこみ、天草屋一味を斬り、三鈴と十兵衛の親娘は再会した。