火の鳥(1978)
劇場公開日:1978年8月12日
解説
生とは……?死とは……?そして命とは……?人間が存在する限り、永遠の宿命的問題を壮大なスケールで描いた手塚治虫原作『火の鳥』の古代ヤマタイ国を舞台にした第一部『黎明篇』の映画化。脚本は詩人の谷川俊太郎、監督は「女王蜂(1978)」の市川崑、撮影は「女王蜂(1978)」の長谷川清、特撮監督は「惑星大戦争 THE WAR IN SPACE」の中野昭慶がそれぞれ担当。1978年8月19日より全国公開。
1978年製作/137分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1978年8月12日
ストーリー
火の鳥--その血を飲む者は不老不死の命を得るといわれている。女王ヒミコによって統一されているヤマタイ国をマツロ国の天弓彦が訪れた。弓彦が火の鳥を射落としてヒミコに献上すれば、ヒミコはマツロ国を攻撃しないと約束したからだ。その時、マツロ国は、高天原族のジンギが率いる騎馬軍団の急襲で全滅し、踊り子のウズメだけが連れさられた。一方、クマソの国では、ヒナクが瀕死の状態でいた。その彼女の病いを漂流者のグズリが快復させた。クマソの長、カマムシはグズリとヒナクを夫婦にさせ、弟ナギ少年は二人の結婚を祝福した。だが、グズリは火の鳥の生き血を求めるヒミコが送りこんだヤマタイ国のスパイだった。婚礼の夜、グズリの合図でヤマタイ国の猛将、猿田彦が指揮する大軍船団が、クマソを攻め滅ぼした。猿田彦に連行されたナギはオロという少女と親しくなる。ナギとオロはヒミコ暗殺を企てるが失敗し、二人をかばった猿田彦は蜂の穴に閉じ込められてしまう。しかし、ナギは猿田彦を救いクマソの国に逃げるのである。火の鳥の住むクマソの国では弓彦とヤマタイ国軍が集結していた。ヒミコが火の鳥攻撃を命令したその時、火の山が大爆発、流出した溶岩は軍をひと飲みにし、ヒミコは恐怖に逃げまどった。グズリ、ヒナクの夫婦は逃げこんだ洞穴に溶岩で閉じ込められてしまった。そこはまた、火の鳥の巣でもあった。猿田彦とナギは噴火をさけてマツロの国へ行くが、そこでジンギに捕われてしまう。ジンギは二人を殺すように命ずるが、踊り子のウズメが猿田彦との結婚を申し出たため、二人は助命される。ウズメはジンギの前で踊る間に二人をヤマタイ国に逃がすのである。その頃、弓彦は射とめた火の鳥をヤマタイ国に持ち帰るが、ヒミコは鳥を前に狂喜しながら、息絶えてしまう。ジンギはヤマタイ国に攻め込み、猿田彦、弓彦、ヒミコの弟スサノオが凄絶な死を遂げる。すべてを征服したジンギはウズメに妻になることを命じるが、彼女は既に猿田彦の子を宿していた。ナギは弓彦が火の鳥の亡骸を埋めた杉の木の下へ行き火の鳥を手にするが、血は一滴もなかった。その時、杉の木に稲妻が落雷し、ナギは死に、その炎の中で火の鳥が甦った。何年もの年月が流れた。クレーターの底に閉じ込められていたグズリは死にヒナクも瀕死の状態にいるが、息子タケルは逞しく成長していた。火の鳥が帰って来た。その姿にタケルはクレーターからの脱出を決意するのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- 市川崑
- 作画演出
- 鈴木伸一
- 特技監督
- 中野昭慶
- 脚本
- 谷川俊太郎
- 原作
- 手塚治虫
- 製作
- 市川喜一
- 村井邦彦
- 作画総指揮
- 手塚治虫
- 撮影
- 長谷川清
- 美術
- 阿久根巖
- 装飾
- 田代昭男
- 浜村幸一
- 藤井悦男
- 音楽
- 深町純
- テーマ音楽
- ミッシェル・ルグラン
- 録音
- 矢野口文雄
- 大橋鉄矢
- 照明
- 佐藤幸次郎
- 編集
- 長田千鶴子
- 池田美千子
- 衣裳デザイン
- コシノ・ジュンコ
- 衣裳
- 長島重夫
- 製作担当
- 徳増俊郎
- 助監督
- 橋本伊三郎
- 記録
- 土屋テル子
- スチル
- 橋山直己
- 特技撮影
- 山本武
- 特技美術
- 井上泰幸
- 特技照明
- 森本正邦
- 特技製作担当
- 篠田啓助
- 合成
- 三瓶一信
- 光学撮影
- 宮西武史
- 操演
- 松本光司
- 特殊効果
- 渡辺忠昭
- 特技助監督
- 松本清孝
- 擬斗
- 美山晋八
- 振付
- 西野皓三
- アニメーション
- 手塚プロ