人斬り与太 狂犬三兄弟
劇場公開日:1972年10月25日
解説
“人斬り与太”シリーズ二作目。組織に反逆、暴力には暴力と、疾風の如く暴れまわる狂犬三匹の凄まじい暴力を描く。脚本は「女囚701号 さそり」の神波史男と松田寛男、監督は「現代やくざ 人斬り与太」の深作欣二、撮影は「女囚701号 さそり」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。
1972年製作/86分/日本
配給:東映
劇場公開日:1972年10月25日
ストーリー
村井組々員権藤と大野は、新興やくざ北闘会の会長貝塚を刺し殺した。その時、貝塚のボディガード志賀の頬を切り裂いた。二人は一目散に逃げたが、やがて権藤は一人で自首する。6年後。出所した権藤は古巣の街に帰ってくるが、街では北闘会が羽振りをきかせており、会長には以前代貸の佐竹が納っていた。権藤は村井組に帰り、組長村井と代貸五十嵐に挨拶し、大野と再会する。そして、北闘会との手打ち迄のいきさつを聞くが、村井の弱腰には納得できなかった。権藤と大野は、不満が満されぬまま、バー“おけい”のママけい子を強姦し、強引に共同経営を始める。ある日、権藤と大野が北闘会の賭場へ行くと、谷という流れ者やくざと志賀が争っていた。権藤は仲に入ってそれを納めてやる。それが縁で谷は“おけい”用心棒をかって出た。“おけい”では道代という田舎娘を雇った。権藤はこの道代に客を取らせようと考えていたのである。しかし、道代は頑として客をとろうとしない。怒った権藤は道代を強姦してしまうが、強情な彼女に次第に惹かれていくのだった。一方、店は大繁盛であるが、北闘会が権藤の荒稼ぎを見逃すはずはなく、一挙に村井組をも潰すべく画策を始めた。村井組も権藤が邪魔になりはじめ、権藤抹殺を企てた。権藤、大野、谷は反撃にでるべく店じまいをして、北闘会の縄張り荒しを始めた。ところが、北闘会と大乱闘の際に谷が捕われ、志賀のリンチによって殺されてしまった。怒った権藤は、志賀と対決して谷の仇を討つ。そして、権藤と大野は北闘会の網から逃れ、高飛びの費用をとりに大野の家に行く。だが家には弟たちもおり、持てあまし気味だった大野を、逆上した母親が仏像で殴り殺してしまった。権藤は血相を変えて大野の家を飛び出す。谷が殺され、大野まで殺されて一人になった権藤は追いつめられた野良犬の如くに、自分を殺そうとした村井の家に乗り込み、村井を殺害してしまった。逃げる権藤が映画館に隠れていると知った佐竹は村井組に密告する。親分の仇と映画館に駈けつけた五十嵐たちは権藤を惨殺してしまう。道代の前を担架に乗せられた権藤の死体が運ばれて行った。数ヵ月後、道代は狂犬の血を引いた子供を産んだ……。