必殺4 恨みはらします

劇場公開日:

解説

貧乏長屋で起きた殺人事件を陰で仕掛ける美男の奉行と、仕事人たちの戦いを描いた「必殺」シリーズ4作目。脚本は「必殺!III 裏か表か」の野上龍雄、「火宅の人」の深作欣二、中原朗の共同執筆。監督は深作欣二、撮影は「必殺!III 裏か表か」の石原興がそれぞれ担当。

1987年製作/131分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1987年6月6日

あらすじ

ある日、町奉行所・内部で、見習い与力・安田小兵衛が町奉行・長尾監物に切りかかった。与力・同心たらは薄情にも我さきに逃げてしまい、監物は逃げ遅れた主水を盾にするが、主水がよけてしまったため小兵衛に刺し貫かれてしまう。この事件の不手際により、主水は向う半年の御扶持半額をお取り上げにされた。後任の奉行には、若い女かと見まちがう美男、奥田右京亮が着任した。おけら長屋の居酒屋「おふく」でヤケ酒を飲む主水が、店の外の騒ぎに表へ出ると、京劇の仮面のように顔をくま取った旗本愚連隊が暴れまわっていた。キラッと光る物が主水の視界をかすめた途端、愚連隊のひとりが乗っていた馬が暴走し、あとに首の骨が折れた狼人、弥兵衛の死体が転っていた。この暴走に疑問を持った主水は、馬の後脚に十字手裏剣が突きささっているのを発見する。ある夜、仕事人たちの会合が開かれた。元締の弁天から“旗本愚連隊の首領格三人の仕事料、六両”が提示される。安すぎる仕事料に帰ってゆく仕事人たち。依頼主は弥兵衛の娘、お弓だった。結局、主水と独楽売り、わらべや文七がそれを受け、早いもの勝ちの勝負となった。ひとり目の的を文七に先取りされ、秀たちにからかわれた主水は、右京亮の素性を調べてほしいと彼らに依頼した。数日が過ぎ、右京亮があの若さで町奉行になれたのは、老中酒井雅楽頭のヒキで、寺小姓から六番組、御旗奉行、町奉行とトントン拍子に出世双六を登りつめたことがわかった。そんな折、主水は円光院で大奥年寄・松尾、老中酒井、右京亮が密会する現場を目撃した。そこでお上が、昔ここで慰みものにした菊という女の怨霊に悩まされていると知る。また、旗本がおけら長屋に乗り込んだ。主水が駆けつけると、おふく、杉江など多数の死体が横たわっていた。これを理由に、奉行所はおけら長屋の住人を強制立ち退きさせ、旗本の首領、神保主悦らを切腹させた。お弓も自ら命を絶ち、文七は本当の下手人を殺ると宣言、十字手裏剣の使い手九蔵と対決するが、相打ちとなって息をひきとった。その頃、円光院では酒井と右京亮が酒を飲みながら密談していた。「おけら長屋に寺を建てれば菊の怨霊も鎮まるから上様も大喜び」と語る酒井に、右京亮は菊の弟だと告げる。驚いた酒井は血を吐いて倒れた。お上に仕えることになり、酒井が邪魔になった右京亮が毒を盛ったのだ。そこに、主水、秀、政、お玉、順之肋が右京亮の命を狙いに現われた。そして、主水の怒りの刃が右京亮を貫いた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5深作欣二監督こそは40年前に時代劇の持続可能性について取り組んだただ一人の監督だったのです

2025年2月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

必殺4 恨みはらします
ショーグンのゴールデングローブ主演男優賞受賞で今をときめく真田広之さんの27歳の出演作品です
人気テレビシリーズの劇場版第4弾
時代劇の黄金期は1960年代でした
映画業界が斜陽化して真っ先に衰退したのは予算のかかる時代劇でした
映画業界を衰退に追いやったテレビは時代劇のテレビシリーズが人気コンテンツとなり、1970年代から1980年代にかけて盛んに製作されましたが次第にマンネリ化して色々と新見のある企画が求められ、また突飛な企画程人気がでました
それでも結局予算のかかる時代劇はテレビでも次第に作られなくなっていきいまや絶滅危惧コンテンツなのはご承知の通り
本作は1987年製作ということでバブル景気華やかりし時代に製されています
今日の目からみると随分と予算が潤沢にあったんだと感嘆するような映像が撮れています
かといって無駄に巨大セットを作ったとか、大勢のエキストラを動員したとかではなく、普通に作ってこの豪華さ!と感じられるのです
裏を返すと如何に現代の時代劇が経費削減されてしまっているのかが良くわかると思います
VFX の無い時代ですから全部セット美術です、照明効果だってそうです
この水準で時代劇を現代にこれからも製作していくためには、予算規模はさらに大きく膨らんでいくばかりでしょう
正直もう無理かもしれません
つまり時代劇のコンテンツとしての持続可能性は映画からテレビ、テレビから配信と市場規模の裾野の大きさのあるところにしかもう残されていないのは明らかで、その意味でもショーグンの成功は歴史の必然であったと思います

配信とショーグンの成功によって時代劇ファンの裾野は世界に拡大されましたが、
それだけでは時代劇に持続可能性があるとは言えません
本格時代劇が日本ですら衰退したように時代劇のファンは少ないのです
すなわち殺シリーズのように時代劇の楽しさをどのようにうちだすのかそれこそが今求められていることだと思いました
本作の監督は深作欣二監督です
代表作柳生一族の陰謀もまた、本格時代劇と現代的感覚のせめぎ合いで傑作となりました
本作は決して傑作とは言えませんが、しかし時代劇が持続可能性のあるコンテンツに成長する為のヒントがあるように思えました
深作欣二監督こそは40年前に時代劇の持続可能性について取り組んだただ一人の監督だったのです

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あき240

4.0深作ワールド

2024年10月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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梶之進

3.0旗本愚連隊

2023年7月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2023年7月16日
映画 #必殺 4 恨みはらします(1987年)鑑賞

#深作欣二 監督、#千葉真一 主宰のジャパンアクションクラブ(JAC)が制作協力で、#真田広之 が悪役

当時のバブル景気を反映して地上げブームを題材にしてる

#相楽晴子 とか #堤大二郎 とか懐かしい人が出てました
それと、#小林ひとみ もね

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とし

4.0一見さんにオススメするならコレ

2023年1月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

コアではないファンがイメージする「必殺仕事人」を体現しているのが本作だと思う。

ほぼ、主水が活躍するため中だるみが無いものの、TVスペシャルみたいなメンバーの見せ場が薄い点は仕方がない。

その分、千葉真一や倍賞美津子、真田広之らがいい感じで絡められており、蟹江敬三と千葉ちゃんの一戦は見応えあり。

逆に、あれで良いのかという意見が分かれる結末の付け方だが、これはもう各人の好みでいいんじゃないかな。
消耗しきった主水が勝つには刺し違えるか、手助けしか無いわけで。

そういうのもアリなのが〈必殺仕事人〉ですから。

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K・M

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