幕末純情伝

劇場公開日:

解説

新選組の沖田総司は女だったという奇抜な設定で、幕末を舞台に沖田を巡っての坂本竜馬と土方歳三の三角関係を描く歴史コメディ。つかこうへい原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「愛人・悦楽の午後」の薬師寺光幸。撮影は「病院へ行こう」の浜田毅がそれぞれ担当。

1991年製作/105分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1991年7月6日

あらすじ

江戸の大通り、新選組隊員の募集広告の立札の近藤勇と土方歳三の前に一人の道場破りらしい若者が現れる。美男子で見事な剣さばき、数人の追手をなんなく峰打ちにしてしまったその男こそ沖田総司だった。所変わって京都・鴨川、新選組の近藤や総司が造形船を窺っている。船の中にいるのは桂小五郎と坂本竜馬。衆目も気にかけず大声で薩長同盟や倒幕論議をしている。そんな彼らに新選組は立ち向かうが、竜馬は何を勘違いしたのかいきなり総司に抱き着き、壮烈な切り合いの中で強引に口説き始めるが、その時、総司は吐血してしまい、倒れてしまう。鴨川の活躍で新選組の評判は一気に高まった。特に総司の人気はすさまじい勢いで、総司の病床には女の子のファンからのお見舞いが山をなしていた。一方、倒幕の秘策を練る桂や岩倉具視、西郷隆盛、大久保利通を尻目に竜馬は大胆にも朝幕大連合政権の大風呂敷広げ、朝廷はおろか、幕府にも工作を計っていた。そして、なぞの女スパイ・深雪も絡み、京の町は大混戦となる。総司たちの活躍もますます勢いに乗るが総司は女だというのも旋風のように走った。そして、総司の一途な思いをよそに、深雪に熱を上げる土方。その総司を追い回す竜馬。そんな新選組に冷水を浴びせたのは、他ならぬスポンサー松平容保の手にした請求書の束だった。活躍のあまり、器物破損のツケがまわってきたのである。新選組はその活躍ゆえに全員クビになってしまう。さらにそんな時、総司が桂たちにさらわれてしまう。いきり立った竜馬は土方と共に斬り込み助け出す。そして、何とか逃げのびた三人が寺田屋旅館の一室でシャモ鍋をはさんでいた時、その表では偽の倒幕の密勅を手にした桂たち一軍が旅館を取り巻いていた。それを知って落胆した竜馬は、自決するかのごとく脇差しを手にとり総司に斬り込む。悲しみを秘めて総司は竜馬を斬ってしまい、竜馬の笑っているような死顔を土方と共に何も言わず、見つめるのだった。

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映画レビュー

3.5新選組に女の子が混じっちょるぜよ

2025年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

萌える

 BSの録画を視聴しました。

  坂本龍馬を渡辺謙さんが、沖田総司を牧瀬里穂さんが演じていて、キャスティングが良くて演出に味があります。

 主題歌「幕末純情伝」「沖田総司はBカップ」はBY-SEXUAL。バンドブームの激戦を生き残れなかったBY-SEXUAL、ヴォーカルは歌が上手いというわけではないけど味があるバンドで好きでした。今もたまに聞いています。

 何十年も前(明治維新に興味があった頃)に観た時は、この映画はふざけすぎていて好かんと思っていましたが、今あらためて観たら評価が変わりました。牧瀬里穂さんのファンではないし、明治維新がプロパガンダだと思っている今日この頃ですが、だからなのかこの映画が凄く好きです。

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どん・Giovanni

3.0序盤からおちゃらけトーン

2025年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

渡辺謙扮する坂本龍馬は屋形船で語っていた時、牧瀬里穂扮する沖田総司ら新選組と相まみえた。

序盤からおちゃらけトーンだね。坂本龍馬から沖田総司に見舞品を贈るとか新選組のメンバーの中で夢を語って酒盛りするなんてさ。ちょっと緊張感が無くなるね。そもそも沖田総司が女性だったらみたいな展開だからだけど、牧瀬里穂の殺陣は悪くなかったな。

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重

1.0ディフォルメ感満載のつかの科白に秘められた物事の本質性は…

2025年2月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

若い頃、つかの舞台は
「蒲田行進曲」と「熱海殺人事件」
を中心に随分と観劇したが、
この「幕末純情伝」の舞台が実際あったのか
どうか記憶は定かではないし、
この映画も未鑑賞だった。

それなりにお金を掛けての作品のようで、
創っている方は楽しそうだが、
つか式風刺性を全く踏襲出来ておらず、
ハチャメチャ性オンリーに感じ、
途中でこのまま観ていて良いのか
分からなくなってしまった。
そんな中、舞台の「蒲田行進曲」での
台詞だったかも知れないが、
「出たな!土方(どかた)歳三」に対し、
「土方(ひじかた)と呼んで下さい!」
との遣り取りに近い、
この作品の中の場面には懐かしみも感じた。

しかしながら、
牧瀬里穂はとても可愛いかったけれど、
ディフォルメ感満載のつかの台詞に
秘められた物事の本質性は、
特につかの舞台の上では
有効な表現手法としてなり得るが、
映像化に際しては、
「蒲田行進曲」の深作欣二監督のように、
余程の演出技量がないと、
とんでもない作品になってしまいますよ、
という典型的な作品のように思える出来映え
に感じてしまうばかりだった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0「精一杯走ってきたけれど、誰も隣に居ないんじゃ」

2025年2月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

強引なストーリーではあるが、観ていてとても楽しい映画。観る人を作品の世界観に引き込んでいく力がある。

坂本龍馬が最後にみせる叫びは刺さるものがある。梯子を外され裏切られた果ての最期。燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやと言ったら燕や雀に失礼か。大人ぶってせこいことしか出来ない者が世の中に何と多いことか…。それにしても、津川雅彦や柄本明が悪い役をすると、芝居だと分かっていても心底憎ったらしく思えてしまうから凄い。

侍タイムトリッパーを見たせいで、つい斬られ役の方達を目で追ってしまう。場面毎、人毎にいろんな斬られ方があってとても面白い。

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komasa