幕末純情伝
劇場公開日:1991年7月6日
解説
新選組の沖田総司は女だったという奇抜な設定で、幕末を舞台に沖田を巡っての坂本竜馬と土方歳三の三角関係を描く歴史コメディ。つかこうへい原作の同名小説の映画化で、脚本・監督は「愛人・悦楽の午後」の薬師寺光幸。撮影は「病院へ行こう」の浜田毅がそれぞれ担当。
1991年製作/105分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1991年7月6日
ストーリー
江戸の大通り、新選組隊員の募集広告の立札の近藤勇と土方歳三の前に一人の道場破りらしい若者が現れる。美男子で見事な剣さばき、数人の追手をなんなく峰打ちにしてしまったその男こそ沖田総司だった。所変わって京都・鴨川、新選組の近藤や総司が造形船を窺っている。船の中にいるのは桂小五郎と坂本竜馬。衆目も気にかけず大声で薩長同盟や倒幕論議をしている。そんな彼らに新選組は立ち向かうが、竜馬は何を勘違いしたのかいきなり総司に抱き着き、壮烈な切り合いの中で強引に口説き始めるが、その時、総司は吐血してしまい、倒れてしまう。鴨川の活躍で新選組の評判は一気に高まった。特に総司の人気はすさまじい勢いで、総司の病床には女の子のファンからのお見舞いが山をなしていた。一方、倒幕の秘策を練る桂や岩倉具視、西郷隆盛、大久保利通を尻目に竜馬は大胆にも朝幕大連合政権の大風呂敷広げ、朝廷はおろか、幕府にも工作を計っていた。そして、なぞの女スパイ・深雪も絡み、京の町は大混戦となる。総司たちの活躍もますます勢いに乗るが総司は女だというのも旋風のように走った。そして、総司の一途な思いをよそに、深雪に熱を上げる土方。その総司を追い回す竜馬。そんな新選組に冷水を浴びせたのは、他ならぬスポンサー松平容保の手にした請求書の束だった。活躍のあまり、器物破損のツケがまわってきたのである。新選組はその活躍ゆえに全員クビになってしまう。さらにそんな時、総司が桂たちにさらわれてしまう。いきり立った竜馬は土方と共に斬り込み助け出す。そして、何とか逃げのびた三人が寺田屋旅館の一室でシャモ鍋をはさんでいた時、その表では偽の倒幕の密勅を手にした桂たち一軍が旅館を取り巻いていた。それを知って落胆した竜馬は、自決するかのごとく脇差しを手にとり総司に斬り込む。悲しみを秘めて総司は竜馬を斬ってしまい、竜馬の笑っているような死顔を土方と共に何も言わず、見つめるのだった。