やくざ戦争 日本の首領
劇場公開日:1977年1月22日
解説
全国制覇を目指す暴力団・中島組。政界・財界・右翼の大物とコネをつけ、組織強化を計る半面、二人の娘に手を焼く父親でもある組織の首領を描く。脚本は「沖縄やくざ戦争」の高田宏治、監督も同作の中島貞夫、撮影は「夜明けの旗 松本治一郎伝」の増田敏雄がそれぞれ担当。
1977年製作/132分/日本
配給:東映
劇場公開日:1977年1月22日
ストーリー
西日本最大の組織を誇る中島組。その事務所に、新興企業グループの専務・島原が訪れたのは、昭和四十一年秋のことであった。首領である、佐倉に、社長のスキャンダル問題の解決を依頼。その代償として、西日本優良企業による、半永久的な献金組織を申し出たのであった。企業と暴力組織の相互依存。しかし、中島組の若頭・辰巳は、あくまでも暴力による全国制覇の夢を抱きつづけているのであった。そして、この資金を基に、いつか佐倉を日本の首領にしてみせると。一方、佐倉にとっての泣き所は、そのファミリーであった。姉娘・登志子は青年医師・一宮恭夫との恋に父親の存在が障害であることを口にし、妹娘・真樹子は先天的な淫乱癖から青春の軌道をしばしば外していた。佐倉は、姉娘を島原の養女として、一宮との結婚にこぎつけた。結婚式には党人派の小野伴水、右翼の大物の大山規久夫も顔を出した、盛大な結婚式であった。だが、その裏側では、中島組の武力進攻はつづいていた。西から東へ、辰巳の意図を受けた暴力部隊は日本地図を血でそめた。辰巳の若者から、佐倉の若衆にとりたてられた松枝の胸に、ファミリーと組織の両方に生きる佐倉の像が、いつか不気味なものに映り出していた。進攻の行きつくところ、それはいつか東京の組織との決定的な対立になることは、明白であった。大山の政治結社の申し出を、やくざであることを自認する佐倉が拒絶したことで、いつか事態は決定的となっていた。どこまでも武力に頼る辰巳の限界、妹娘の麻薬事件、そして組織暴力壊滅へとのびてくる警察権力。中島組傘下の各組は、追いつめられつぎつぎと解散声明を発表した。そして、今まで決して後退したことのない辰巳までも持病の悪化と下部からの突き上げに、佐倉を救い得る唯一の道は、解散しかないと覚悟した。辰巳が佐倉の許しを得ずして、自分の解散声明を松枝に手配させた。今はファミリーの一員となった一宮がそれを知った時、彼は辰巳に多量すぎるモルヒネを注射した。その夜、辰巳は息を引きとった。
スタッフ・キャスト
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辰巳周平鶴田浩二
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兼田三次林彰太郎
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白川義雄小田部通麿
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宮之浦一夫野口貴史
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迫田常吉千葉真一
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片岡誠治成田三樹夫
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舟瀬一郎西田良
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日暮美智夫尾藤イサオ
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谷本正夫高並功
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松枝四郎松方弘樹
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益田留蔵木谷邦臣
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宗方敏之小林稔侍
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張田軍大矢吹二朗
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金村謙治松本泰郎
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小林功阿波地大輔
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木村利夫成瀬正孝
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宮園健風戸佑介
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野溝武司渡瀬恒彦
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野崎藤男北村英三
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南善次国一太郎
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増井常夫品川隆二
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前川勇有川正治
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木崎徳衛小松方正
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三浦克之助小池朝雄
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植木隆太郎鈴木康弘
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木曾浩二白川浩二郎
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入間利明曽根将之
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轟武志片桐竜次
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和田徹夫奈辺悟
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文源昌今井健二
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内田頼三志賀勝
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阿部直行高橋昌也
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島原嘉兵衛西村晃
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鈴木社長志摩靖彦
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森本社長原聖四郎
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田口彰治金子信雄
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小野伴水神田隆
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大山喜久夫内田朝雄
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福島梅宮辰夫
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川端地井武男
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土田宮城幸生
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榊秋山勝敏
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大松中村錦司
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前田大木晤郎
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後藤田中邦衛
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辰巳キヨ市原悦子
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北村ユカ橘麻紀
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政江葵三津子
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君弥奈三恭子
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三鷹厚司待田京介
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新聞記者A司裕介
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新聞記者B蓑和田良太
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佐倉雪江東恵美子
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佐倉登志子二宮さよ子
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佐倉真樹子折原真紀
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杉田かおり絵夢
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一宮恭夫高橋悦史
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竹田芳夫火野正平
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石見栄三菅原文太
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岩倉一誠佐分利信
受賞歴
第1回 日本アカデミー賞(1978年)
ノミネート
脚本賞 | 高田宏治 |
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