海から来た流れ者

劇場公開日:

解説

原健三郎の原作を、「拳銃無頼帖 抜き射ちの竜」の山崎巌と「飢えた牙」の大川久男が脚色、「事件記者 狙われた十代」の山崎徳次郎が監督したアクション・ドラマ。「鉄火場の風」の姫田真佐久が撮影した。

1960年製作/82分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年2月28日

ストーリー

黒潮洗う大島に浩次という一人の男が降り立った。同じ連絡船を降りた三浦修は、この島で温泉を掘っている藤徳組の社員で、東京に新しい機械を買い付けに行って帰ったのだが、その工事は藤徳を圧迫し、島から追い出そうと企む神戸一味の手で破壊されていた。折から、藤徳の娘礼子が神戸の乾分達に襲われたが浩次の鉄拳に一味は逃げ散った。憤怒のあまり神戸のキャバレーに単身なぐり込んだ修は、逆に半殺しの目にあったが、また浩次に救われた。不敵な浩次に立ちはだかったのは神戸の用心棒前岡だった。数日後、神戸の乾分達が修を襲うが再び浩次に救われる。藤徳は浩次に礼を言った。その時、父親に代って上京し、実業家津久田に工事費の融資を頼みに行っていた礼子が帰って来た。礼子はほつれた浩次の上着を繕う。そこからこぼれたシガレットケースを見て礼子はいぶかしがる。工員の給料のためにかき集めた金を利息として持ち去った前岡を追って浩次はキャバレーに現われ、多勢を相手に立ち回る。礼子は浩次が持っていたシガレットケースが家出をした兄・五郎の物じゃないかと問い詰める。実は浩次は元刑事で麻薬捜査の中、礼子の兄たちに拳銃を奪われるという失態を演じ、彼らを追って大島にやって来たのであった。浩次は真実を告げずにただ自分を信じて欲しいと礼子に言う。浩次の腕にほれ込んだ神戸が、前岡の代りに浩次を用心棒にした。不思議にも浩次は従った。その頃、藤徳組は新しい掘削機械を入れた。しかし神戸の乾分達たちに搬入を妨害される。藤徳は警察に訴えるが署長は尻込みしていて話にならない。次の夜、神戸らは藤徳の工事場に爆薬をしかけた。しかし爆発寸前の導火線は何者かに切断されていた。礼子はそれが浩次だと確信する。津久田が島の視察にやって来た。津久田は神戸を呼ぶと、藤徳の工事場を奪い、礼子を人質にして土地所有権を奪うことを命令した。実は神戸一味をあやつる大ボスの津久田は麻薬密輸の中継基地として大島が欲しかったのである。客船の上で浩次と前岡が対決する。前岡は既に五郎が神戸に殺されていることを告げる。銃声が二発鳴り響いた…。神戸一味は再び工事場を襲った。大爆発とともに、突然温泉が湧き上った。津久田の元に警官隊が殺到した。それを率いるのはあの前岡、即ち警視庁の前岡だった。津久田と袂を分かった神戸が礼子をさらって逃げようとしていることを知った浩次は修を連れて後を追った。三原の噴火口で神戸は悲鳴をあげて火口に転落して行った。朝日の照らす火口を後に、浩次と礼子は馬で下山していくのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く