東京交差点
劇場公開日:1991年4月27日
劇場公開日:1991年4月27日
3話オムニバス形式で同じマンションでの出来事だがストーリーに接点はない。
再婚したら養育費払わなくて良くないかとか言い出す元父親や、老人ホームの入居費の保証人を婚約者が渋ったりの場面があったりと世知辛い。ドライな世の中で自分のことしか考えられない人間が多く登場するが、中には心優しき者もいる。
1話目はざっくり書くと心優しき自称スケバンJKと会社恐怖症になってしまった中間管理職のオジサンの交流を描いたもの。再生する物語で男が魂を取り戻したみたいなラスト。この話だけ良かった。
映画「東京交差点」"Tokyo Scramble" は1991年の
3本のオムニバス映画、脚本は新藤兼人
1は、離婚家庭で、母(中島ゆたか)の再婚の話が進む娘と心を病家も会社も怖くなった会社員(高橋長英)のキス
2は、介護保険制度前夜の老人、結末は老夫婦(浜村淳)が入水心中した。しかし、娘(藤吉久美子)はやっと結婚できた。
3、夫が死に水商売のホステスになった母親が失踪した子供たちが、貧困な中、児童相談所に入所することになる。
20年以上たっても、生産力や資本は飛躍的に拡大蓄積したが母子家庭の問題やストレス社会や介護問題など何もかも解決せず深刻化しています。そんな中で、多くは生き抜こうとしています。脚本家として訴えた新藤兼人も解決を見ずに逝ってしまった。
3編のオグニバスなんですが、それぞれにテーマが違っていて、それぞれが色々考えさせられました。貧しい子供が生きていくためにスーパーから盗みをするPART1。
年老いた老夫婦が、若い子供や孫のために死を選ぶPART2。
出社恐怖症に陥る、サラリーマンの中年男のPART3。
特に、2の老人の話は、現代の抱える老人問題と直面していて、色々考えさせられました。誰かが「死ね!」と言ったわけではなく、自ら自分の周辺を考慮して、「我々は長生きしすぎましたね!」と言って、故郷の海辺で入水する姿は、感動的で思わず目頭が熱くなりました。
みなさんも機会があったら是非観てみてください!