鉄と鉛

劇場公開日:

解説

命の期限を翌日の朝までと区切られた探偵と、彼を見張ることになったやくざとが、行動をともにするうち互いに友情を持つに至る一晩の出来事を描いたハードボイルド。監督は「BE-BOP-HIGHSCHOOL」に続く2作目の劇場映画となる劇画家のきうちかずひろで、脚本も自ら手掛けている。撮影は「時をかける少女(1997)」の仙元誠三。主演は「時をかける少女(1997)」の渡瀬恒彦と「やくざ道入門」の成瀬正孝。

1997年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1997年11月15日

ストーリー

元刑事の中年探偵が依頼を受けて探し当てた男が、当の依頼人であった愛人・純子によって殺された。殺された男は暴力団浜健組組長の一人息子で、しかも妊娠中の妻がショックで産気づき、生まれた子供は22時間13分で死んでしまったという。浜健組組長は純子を警察の拘置所で弁護士に化けたヒットマンに殺させ、さらに探偵のもとにも乗り込んできた。息子と孫の死を探偵に償わせるため、組長は一方的に彼の命の期限をあと22時間13分と区切る。最後の仕事をする気になった探偵は、一度は断った深雪という少女の、一カ月前に突然いなくなった兄・洋一を探してほしいという依頼を受けることにした。情報屋からヤクの元締め・石川の情報を得た探偵はさっそく接触するが、反対に売人の泉に叩きのめされる。探偵には浜健組のやくざ・矢能が見張り役として張り付いていたが、矢能は探偵がやられるのを面白がっているだけだった。隙を見て矢能の拳銃を奪った探偵は、石川を脅して洋一が昔の仲間・金光と一緒にいることを聞き出す。ふたりの隠れ家に忍び込んだ探偵は、そこで目隠しされて縛られている少年を発見するが、そこへふたりが帰ってきたため、後で必ず助けると約束して身を隠した。洋一は強引に誘拐に参加させられたようで、帰る早々口論を始めた金光が洋一の太股を撃ち抜く。探偵は行動を起こすが金光に手を撃たれ、戻りが遅いので様子を見にきた矢能に助けられた。矢能とともに誘拐事件の全容をつきとめた探偵は取引現場を押さえるが、金光は洋一を見捨てて少年を連れ去る。金光がヤクを仕入れようとするはずだと聞かされた探偵は、単身で泉のアジトに向かった。行動をともにするうち、探偵の男気に共感し始めた矢能は、彼を殺さないでやってくれと組長に懇願する。約束を取り付けた矢能はすぐに後を追い、自棄になるなと説得するが、探偵は少年との約束を守るためアジトに入っていく。矢能のバックアップもあって金光を仕留めた探偵は無事に少年を助け出し、洋一と深雪の再会も見届けた。

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映画レビュー

5.01997年の作品なのに昭和の香りに咽せる和製ハードボイルドの隠れた名作

2022年8月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

人探しに長けていることで知られる元刑事の探偵はその的確な仕事ぶりゆえに面倒な事件に巻き込まれ、ヤクザの組長に22時間後の死刑宣告を受けてしまう。簡単に身辺整理を済ませた探偵は人生の最後の仕事として前科持ちの兄を探して欲しいという少女の依頼を引き受け聞き込みを始めるが、彼の背後には監視役のヤクザがついていた。

『ビー・バップ・ハイスクール』が代表作の漫画家きうちかずひろが監督と脚本を務めたハードボイルド作品。レンブラントの絵画のようなずっしり重い闇の中を駆ける探偵とヤクザが織りなす贅肉の欠片もないソリッドな物語。実際に親友だったという渡瀬恒彦と成瀬正孝がボロボロに傷つきながら言葉少なに友情を紡ぐ様を捉えた奥行きのある映像がとにかく美しい。35mmフィルム上映なので四半世紀前にレンタルビデオで観た時よりも陰影が際立っていて、咽せるようなノワール感が全編に漂っていたのが印象的。思春期に観た角川映画の諸作品で仙元誠三の作家性が骨身に染みているので1997年の作品なのに昭和へのノスタルジーがガツンと込み上げてきました。

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よね

4.0渋いアクション映画

2013年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 日本でリアルに成立するアクション映画として非常に計算された地に足のついたアクション映画だった。

 新人の酒井彩名がとてもかわいくてたまらなかったし渡瀬恒彦もかっこよかった。敵のチンピラも嫌な感じがとてもでていてよかった。

 主人公と敵が激しく命のやりとりをする割に関係性が薄くて、ぶち殺してもそんなにすっきりしなかった。敵が人質の子供を連れまわすけど、置いて金だけ持って逃げろよとイライラした。

 昔、レンタルビデオで見たようなつもりでいたのだが、全く思い出せる場面がなかったので、見るのは初めてだったかもしれない。借りただけで見ずに返したのかな。

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吉泉知彦