ちんころ海女っこ

劇場公開日:

解説

富永一朗の原案を最近テレビで活躍の石堂淑朗と「涙にさよならを」の前田陽一が共同でシナリオ化、前田陽一が監督したエロティック・コメディー。撮影は「この声なき叫び」の小原治夫。

1965年製作/83分/日本
原題または英題:The Abalone Gals
配給:松竹
劇場公開日:1965年6月26日

ストーリー

東京から数百米離れた太平洋上に、昔は江戸の罪人が流されてきたという為朝島があった。島の観光会長で海流荘という旅館を経営している助徳は、島の海女たちに怪しげな水中レビューをさせて観光客を誘致し、この島を日本のハワイにしたてようとしていた。島の村長や医者の陣野も助徳の計画に賛成し、早速、竜一や伝次という村のチンピラが狩りだされ、計画は実行に移された。ところが海女集落の海女たちはこれにこぞって反対し、助徳たちの味方はショウ子一人というありさまだ。ショウ子には、いつの日か助徳が今の女房お種を追い出し、自分が後釜にすわろうという腹があったのだ。一方ショウ子の妹、お玉は、温泉の試掘に夢中になっている父、伍作の生計をたすけて海女となって働いていた。この海女集落には昔からのしきたりで、妊婦や“月ノモノ”の女達は自発的に“他火小屋”という小屋に入ることになっていた。ある夜、お玉もその仲間入りをした。そんな時ストリップ劇場のスター・ナギのセクシーな躍りに興奮した村の青年たちが大挙して他火小屋におしかけてきた。勝気な玉子は青年たちをはねとばして難をのがれた。そんな時、有名な肉体女優春本ます江が別荘を買いに来島した。島はにわかに活気づき、ショウ子の発案でストリッパー・ナギらが海中レビューを行うことになった。これが図にあたり、島は観光客でふくれあがり、海女たちも“海女芸者”として観光客にサービスすることになった。やがて島には温泉も噴出し、大観光会社の手で航空路も開拓され、島は大歓楽境と化していった。お玉はそんな島に愛想をつかし、助徳の求婚をふりきって上京する決心をした。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0☆☆☆★ ※ 鑑賞直後のメモから 前田陽一監督のバイタリティー溢れ...

2020年1月5日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★

※ 鑑賞直後のメモから

前田陽一監督のバイタリティー溢れるドタバタコメディー。

舞台になるのは八丈島だが、一応映画の中では《為朝島》とゆう架空の島となっている。

日本のハワイとして観光客を呼び寄せようとする。当然の如くに利権が絡み、金儲けを企む島民達。
海女さんによる水中レビューショーを名物にしよう…とするが、当の海女さん達のプライドがそれを許さない。
その一方で、生娘海女の中村晃子に熱を上げる島の男どもが多数。
島自体が江戸幕府から島流しにあい、島には流民となった罪人の島だった過去から。島には様々な掟が存在し、彼女に関するルーツが詳しく描かれる。

かくして利権親父たちお抱えの、偽物ストリップ海女VS本物海女さん達による喧嘩にまで発展…と。何かとワイワイガヤガヤ猥雑に映画は進む。
ほんの少しばかり水中レビューショーもあるにはあるが。あのエスター・ウイリアムズ主演の、MGMミュージカルと比べてしまうとアレ…になりますが(苦笑)

中村晃子の父親役の左卜伝は、温泉を引き当てようと躍起になる役。
浜村純は切◯までする怪演を披露…と。後半は一気に展開が目まぐるしく変わる。

そうそう!ラスト前で中村晃子が、彼氏の前を通り過ぎる場面は。明らかに『第三の男』へのオマージュだと思う。

2010年7月11日 シネマヴェーラ渋谷

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