中国の鳥人

劇場公開日:

解説

商社マンとヤクザのふたりが、中国・雲南省の奥地、鳥人伝説の残る少数民族の村で自分を見つめ直していく姿をとらえたヒューマン・コメディ。監督は「極道黒社会 RAINY DOG」の三池崇史。椎名誠による同名小説を、「岸和田少年愚連隊 血煙り純情篇」のNAKA雅MURAが脚色。撮影を「蘇える金狼」の山本英夫が担当している。主演は「トキワ荘の青春」の本木雅弘と「現代任侠伝」の石橋蓮司。キネマ旬報日本映画ベスト・テン第10位

1998年製作/118分/日本
配給:シネマ・ドゥ・シネマ=セディックインターナショナル配給(配給協力*東京テアトル)
劇場公開日:1998年6月6日

ストーリー

商社に勤めるサラリーマンの和田は、入院した同僚に代わって専門外の翡翠の輸入契約の為に、中国の雲南省へ出張することになった。ところが、現地の案内人である沈に会えて一安心したのも束の間、なんと会社に貸しがあるというヤクザ・氏家が現れ、無理矢理同行を迫ってきた。彼は翡翠鉱脈の取引を見張りに来たのだ。こうして、ミャンマーとの国境近くにある少数民族の村への3人の旅が始まった。長い道のりは悪路続き、徒歩での山越えや突然の嵐、亀に引かれる筏下りが3人を待ち受けていた。しかも、幻覚を起こすキノコを食べて大騒ぎしたお陰で、沈が記憶喪失になってしまう。それでも、3人はなんとか目的の村へ到着することが出来る。若い村人は文明の使者である3人を歓待してくれるが、長老は渋い顔をしていた。次の日、和田と氏家は飛ぶことを学ぶ鳥人学校なるものを発見する。子供たちに飛び方を教えているのは、イギリス人を祖父に持つ美少女・燕。彼女は祖父の遺言で、鳥人学校を引き継いだのだという。しかし、彼女自身もまだ飛んだことがないらしい。仕事をこなす一方で、そんな鳥人学校に興味を持つようになった和田は、燕が歌うスコットランド民謡と祖父が英訳していた伝説を翻訳するうち、彼女に心惹かれていく。また、氏家も自然豊かな村に暮らす人々に興味を持ち始めていた。そんな中、逃げ出していた筏の動力である亀たちがつかまり、沈の記憶も戻った。3人が村を離れる日が近づいていた。ところが出発前夜、氏家が亀を叩き殺してしまったのである。すっかりこの村を溺愛するようになっていた彼は、文明を村に入れさせないようにしたのだ。半ば狂ったような氏家を残し、村を出ようとする和田たち。しかし、すんでのところで氏家に捕らえられてしまう。和田は文明でこの村を汚すようなことはしないと約束、村人の信頼を得る為に鳥人になって飛んで見せようと氏家に提案する。そして、和田と氏家は羽根をつけて飛ぼうとするが、失敗に終わってしまうのであった--。それから30年、東京の和田の元に、村の開発アドバイザーをしている氏家からの手紙が届く。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚色
NAKA雅MURA
原作
椎名誠
エクゼクティブ・プロデューサー
鳥山誠
企画
宇田川文雄
伊藤秀裕
企画協力
平田道弘
清水敬之
製作
岩切靖治
古里靖彦
プロデューサー
渡邊範雄
辻裕之
王子精波
撮影監督
山本英夫
美術
増本知尋
装飾
尾関龍生
音楽
遠藤浩二
音楽コーディネーター
十川夏樹
主題歌
ザ・スコラーズ
録音
中村淳
整音
中村淳
音響効果
柴崎憲治
照明
田部谷正俊
原由巳
編集
島村泰司
衣裳デザイン
堂本教子
衣裳
礒井篤郎
制作担当
山本英之
助監督
加藤文明
スチール
鈴木英弘
特殊造型
松井祐一
製作協力
中沢敏明
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映画レビュー

3.5本物の方の三池監督が撮ってますから安心です。

2022年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場公開時鑑賞。原作未読。今となってはよく観に行ったなと自分でも思う。
派手な設定やバイオレンス要素はほぼない(ゼロではなかったような)ので言われなきゃ三池監督だとわからないかも。三人(本木雅弘、石橋蓮司、マコ岩松)の珍道中ロードムービー風なんだけど、どこか浮世離れしたファンタジーっぽさもあり。

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なお

4.0最初はサラリーマンのワダ(本木雅弘)で始まるんだけどヤクザ(石橋蓮...

2021年7月1日
スマートフォンから投稿

最初はサラリーマンのワダ(本木雅弘)で始まるんだけどヤクザ(石橋蓮司)が存在感強くて持ってかれる。目的地についたら何か目覚めちゃって最後までヤクザ。通訳の男(マコ)との3人で険しい道を乗り越えるのが殆ど。おもしろかった。

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collectible

5.0三池崇史の最高の映画

2018年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

三池崇史の多面的で多彩な作品の中で、一つの映画だけを覚えているのは困難です。

それでも私は知っている。私のために、中国の鳥人です。私の記憶の中には、すべてがあります。彼の最も学術的な映画の中での正式な習得は、ユーモアを広げました(中国のこれら2人の怠け者の不自然な話)。そして特にこの忘れられない終わりに、これらの男性の鳥の探索で最高潮に達する深さと詩。

そして、いつものように、史池崇史は、必需品から私たちの注意をそらすために、口実をもって彼の主題を包みます。冒険映画やヤクザ映画の出演の下では、それは初めの話です。通信不能に関する寓話。これは私たちの2人の異なる英雄を山頂に導き、起こることに驚くことでしょう。

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Fayçal

4.5失われた高天原のように

2017年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
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k.mori