台風騒動記

劇場公開日

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解説

最近ルポルタージュ作家として著名な杉浦明平の連作ルポの一つ“台風十三号始末記”を、「猫と庄造と二人のをんな」の八住利雄と「青春の音」の山形雄策が脚色、「雪崩(1956)」の山本薩夫が監督する山本プロ=まどか・グループ共同作品。撮影担当は「森は生きている(1956)」の前田実。主な出演者は「あなた買います」の佐田啓二、「新・平家物語 静と義経」の菅原謙二、「青春の音」の佐野周二、「ここは静かなり」の野添ひとみ、フランス帰りの桂木洋子、「青春の音」の宮城千賀子、ほかに渡辺篤、藤間紫、三井弘次、三島雅夫、中村是好、左卜全、多々良純など。

1956年製作/107分/日本
配給:松竹

ストーリー

のどかな海辺の町ふぐ江に台風が荒狂った。家は倒れ田畑も流された。役場の前には救援物資を求める町民たち。二階の会議室では森県会議員を中心に山瀬町長、友田議長、ボスの川井釜之助などが町議会の真最中。森県議の入知恵で、台風災害に便乗、台風で倒れそこねた小学校舎を壊し一千万円の政府補助金を取り私腹を肥やそうと皮算用に会議は踊る。しかし危険校舎とはいっても当の学校は健在。教科書を失った子供たちのため妙子先生は資金集めに大童。代用教員の務は専ら煽られ役である。町議会は町長の責任で校舎取壊しに決り森県議は配下の堀越組を派遣する。大蔵省からは監査官が来るという。校舎は砂煙をあげて倒れた。子供たちの眼に教室を奪われた悲しみの涙が光った。一方町長夫人みえは監査官を買収しようとバス停留所で見張りをしていると、一人の青年がバスから降りた。みえは、この青年吉成幸一を監査官と思い料亭へ連れこんで大サービス。川井議員からは二万円の袖の下、芸者静奴まで罷り出た。ところが静奴の話で幸一は人違いされたと知り、彼が訪ねる友人の務の家に逃避行。その頃本物の監査官山村は町長らにニセ陳情をキメつけていた。補助金はどうやら怪しくなった。が町長は「補助金は来る」の一点張りだが道がない。町議会はテンヤワンヤ。新校舎の地鎮祭も迫り、PTAでは一戸一万円の寄金で工事に着手しようと話合っている。町には色々な噂が流れる。いよいよ地鎮祭の日、遂に裏面を知った務は妙子に励まされ、補助金は来ないと発表した。ざわめく町民、頭を抱える議員たち。翌朝、幸一は彼を慕う静奴を残して町を去る。

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映画レビュー

4.0“この物語はすべて事実ではありません”というテロップから始まる。

kossyさん
2019年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 富久江町という港町に台風がやってきた。“天災も恐ろしいが、この国では天災のあとにもっと恐ろしいものがやってくる”と断ってあるとおり、台風が過ぎ去ってからの話となる。

 一昨年の地震により小学校校舎は危険校舎とされていたが、予算を計上したものの台風のおかげで国からの補助金がもらえるかもしれない。そうなれば町が潤うはずだ!とばかりに、町長を始め、議会は校舎を壊すことを目論んだ。取り壊しを請け負ったのは森県会議員に頼まれた建築屋の堀越組。ここでも賄賂が飛び交っていた。政府補助金を確実にするため、また取り壊し途中であったため、町長夫人(藤間紫)はバス停で張り込んで、視察のためにやってくる政府の監査官を待った。そこへ現れたのは失業中の青年・吉成幸一(佐田)。夫人からの接待を受け、大金までもらってしまう。

 その直後に本物の監査官がやってくる。簡単にニセ陳情を見破った監査官。補助金は怪しくなってしまった。しかし、町長は自分の銅像のためにせっせと嘘をつき、議会やPTAをも巻き込んでしまうのだ。地鎮祭も終り、PTAから金を集めようと画策する町長だったが、結局は補助金が出ないと判明する。

 物語は代用教員である務(菅原)と教員・妙子(野添)の恋物語もある。吉成が芸者静奴(桂木洋子)と組んで、現状の投書や張り紙をしたと思わせておいて、見事な結末。議員とゼネコンの贈収賄や、本当の被災者への思いやりの無さなんて、堕落した権力構造を浮き彫りにしただけ。また、務をアカと決めつけ何でもメモする赤桐巡査(多々良純)や宴会芸が達者な助役(中村是好)、酒乱の消防署長(三井弘次)らの人間味溢れた演技もいい。もちろん、議員のボスである河合釜之助(三島雅夫)が絶品だ!

 “天災の後には人災がやってくる”という皮肉を込めたテロップも痛快。災害を食い物にする奴はいつの時代もいるんだな。

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kossy

5.0天災の後に人災がやって来る

2018年11月15日
Androidアプリから投稿

記録

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モモッシー

3.5今の日本には痛烈な一本!

近大さん
2013年1月24日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

知的

「白い巨塔」「華麗なる一族」などで知られる社会派の巨匠・山本薩夫監督による1956年の作品。
台風が通り過ぎたとある町の、小学校の改築を巡るてんやわんやの人間模様。

天災があったにも関わらず町議会は我が身の事ばかり。改築の為国から出る補助金を何としてでも得ようと捏造・隠蔽する。その為接待やら何やらで宴会に明け暮れ、町の事はほったらかし。
映画の中で描かれている事が、まるで今の日本そのもの。
そんな人々の姿を、滑稽かつ皮肉たっぷりに綴る。

映画の冒頭で…「天災は恐ろしいが、この国では天災の後に、もっと恐ろしいものがくる」…と、ある。

天災より人間のエゴの方がよっぽど大騒動だ。

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近大
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