青年の樹(1960)
劇場公開日:1960年4月29日
解説
週刊明星に連載された石原慎太郎の原作を「やくざの詩」のコンビの山田信夫が脚色し、舛田利雄が監督した青春編。「ある脅迫」の山崎善弘が撮影した。
1960年製作/88分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年4月29日
ストーリー
ヤクザ和久組の後とり武馬は東京学院大学に入学した。彼は家を出て一人になろうと下宿をさがした。学友の明子が武馬の考え方に共感した。彼女も赤坂の料亭の娘で、同様な悩みから大学に入ったのだ。明子の世話で、武馬は踊りの師匠紫雨の許へ下宿することになった。明子は母親のえい子と政治家桜井の関係が気になっていた。同じ学友の坂本は、和久組の下で労働しながら学校へ通う風太郎だ。--汚職事件で明子の母親は検察庁へ出頭を命じられた。さらに、和久組の仕事場で事故が起り坂本は腕を折った。明子の母親えい子が自殺した。武馬の驚き以上に、彼の父達之助の悲しみは大きかった。えい子はかつて達之助の恋人だったのだ。和久組を継ぐために仲をさかれ、その時できた子が明子の姉香世だった。葬式の帰り、達之助が殺された。殺したのは和久組の競争相手の川名組の一味だ。和久組は殴りこみをかけようとしたが、武馬はおさえた。彼は和久組を解散した。ある日、えい子の日記が発見され、達之助とのことが明るみに出た。桜井がこの日記から汚職の発覚するのをおそれ、五百万円で日記を買いたいと言い出した。武馬は五百万円を香世、明子の姉妹のために貰った。しかし、日記には桜井のおそれているようなことは何も書かれていなかった。桜井は渡米した。武馬は解散した組の身内が生活に困って、強盗に入ったり、乞食のような暮しをしているのを知った。彼には迷いが生れた。その時、辰が川名組に殺された。彼は最後まで和久組の帳場を守っていたのだ。辰の葬式が行われている時、川名組が殴りこみをかけてきた。武馬は闘った。彼は、和久組を再建し、新しいヤクザの世界を築きあげようと決心した。